2018年5月22日火曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:学びを助けるシステミックな質問について(その16、実践)


 
 
 エリクソン派生の質問って、

 案外デザイン・シンキングと相性がよい気がする(笑)。
 
                                              
〈独り言〉



備忘録

実践する

ネットに16種類のシステミックな質問について書かれていたドキュメントが転がっていたが、これが案外深い内容だ。

Systemic questions to guide learning processes of students

16番目は実践だ。

ここまで、日常生活や仕事の場面で学びを助ける、あるいは問題・課題をよりシステム思考的、あるいは知情意、身体場の相互作用まで考えてシステミックに解決するためのミルトン・エリクソン派生の15の質問を紹介してきた。

1.違いを聞く
2.ゴールを聞く
3.仮説を聞く
4.具体策を聞く
5.その他を聞く
6.ミラクル・クエスチョンを聞く
7. スケーリング・クエスチョンを聞く
8.違いをより意識するように聞く
9.円環的質問を聞く
10.これまでどう対処してきたかを聞く
ダブルバインド(番外編)
フェイルセーフ(番外編)
11.リソースを聞く
12.逆説を聞く
13.挑発的に聞く
14.信念の根拠を具体的に聞く
15.直感を聞く

それで、一つひとつの質問は他愛のないのものだが、案外、自身の置かれている状況や事象を冷静に観察して、それを学びに変えるという意味ではこれらの質問はとても役に立つようにも思える。

それで、16番目は実践。

もちろん、やってみたければ・・・・という前提条件はつくだろうが、何事も実践は大切だ。

習慣なり行動に落としこんで、課題の発生しているその場でこれらの質問を使ってみるということだ。少なくともその課題から何かは学べるだろう。

で、余談だがデザイン・シンキングという考え方がある。

従来の問題解決は、おおよそ以下の感じだ。

1.問題分析
2.課題の明確化
3.解決策の立案
4.解決策の実行

ただし、これでは処暑の事情でうまくいかないことも増えてきた。そこで、デザイン・シンキングということになる。それで、このプロセスは以下だ。

1.共感・理解
2.定義・明確化
3.アイディア創造
4.プロトタイプ開発
5.実行
適当なプロセスを繰り返す。

となる。その意味、上の15の質問は案外デザイン・シンキングと相性のよい質問だ。

もっとも、こういったプロセスが機能するには3つの文化が必要のように思える。
つまり、
・性善説に基づく
・前例主義に囚われない
・加点主義

ということだ。

その意味、失敗を恐れず、失敗しても叩かれず、可能性信じて試行錯誤してみるという文化でこれらの質問を活かすというのはとても重要だ。もちろん、こういった文化がないとこういった文化にするところから始めなければならないので物凄く時間がかかるように思ってくる。


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追記 拙著、好評発売中です。

こちらは、ブログの内容を加筆、再編集した内容になっています。




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詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2018年5月21日月曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:学びを助けるシステミックな質問について(その15、直感)


 
 
 よい意味で「いやな予感」を利用することは大事だなぁと。

 まぁ、これも何かのバイアスの一つかもしれないが(笑)。
 
                                              
〈独り言〉



備忘録

直感を聞く質問を聞く

ネットに16種類のシステミックな質問について書かれていたドキュメントが転がっていたが、これが案外深い内容だ。

Systemic questions to guide learning processes of students

15番目は直感を聞く質問だ。

ここで個人的に思い出すのは、神経学者アントニオ・ダマシオソマティック・マーカー仮説だ。

ソマティック・マーカー仮説とは、神経学者アントニオ・ダマシオ(1994, 2005)が主張する説で、外部からある情報を得ることで呼び起こされる身体的 感情(心臓がドキドキしたり、口が渇いたりする)が、前頭葉の腹内側部に影響を与えて「よい/わるい」という ふるいをかけて、意思決定を効率的にするのではないかという仮説。この仮説にしたがうと、理性的判断には感情 を排して取り組むべきだという従来の「常識」に反して、理性的判断に感情的要素はむしろ効率的に働くことにな る。

これは、何らかの意思決定を行う場合に、情動を敢えて使ったほうが効率的に意思決定できるのではないか、という仮説だ。もちろん、単なる好き嫌いで判断すればよいということを言っているわけではないだろう。

おそらく、自分の気持ちなり情動をメタ認知するという視点は必要だ。ただし、何か意思決定する時に、自身の感覚なり情動なりに注意を向けて、これが何を意味しているのか?と身体反応や気持ちに焦点を当ててみるというのも一つのやり方ではあるだろう。そう考えると家族療法家のヴァージニア・サティアの「4つのキー・クエスチョン」が経験則からだろうが、情動を利用するという意味で、なかなか良く出来たものであることが分かってくる。

余談だが、2017年にミルトン・H・エリクソン財団の後援で実施されたThe Evolution of Psychotherapy Conference 2017で、アントニオ・ダマシオがキーノート・スピーチを担当しているのは興味深い点だろう。もちろん、このあたりは現在進行形で研究中なのだろうけれども・・・・



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(つづく)

文献
[1]


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2018年5月20日日曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:学びを助けるシステミックな質問について(その14、具体化)


 
 
 人は信念というか偏見を通して世の中を見て一喜一憂しているので

 案外厄介な生き物だ(笑)。

                                              
〈独り言〉



備忘録

具体化する質問を聞く

ネットに16種類のシステミックな質問について書かれていたドキュメントが転がっていたが、これが案外深い内容だ。

Systemic questions to guide learning processes of students

14番目は具体化の質問だ。

ここで個人的に思い出すのは、発達心理学者のピアジェを引用して書いた認知の歪だ。

具体的には「過度の一般化」となる。つまり、人はほんの2、3の経験から帰納的に信念めいた経験則のようなものを構築する。正確に言うと、経験を抽象化しながら無意識に信念めいたものをつくる。

そして、大抵それは偏見のようなものとして機能する。例えば、私は数学が苦手だ。私は馬鹿だ。高い所が苦手だ。球技ならなんでも得意だ。T大学の卒業生は性格が悪い。ユダヤ人は金持ちだ・・・・・というな類のものだ。もっというと、一般意味論の概念でいう自己に内在化したTO-BEを使った表現になる。このあたりで書いた。

もちろん、こういった信念は物事を見る色眼鏡として作用するため、ある時は事実を冷静に見ることができない障害にもなるし、ある時は卓越性を発揮する源泉ともなるだろう。また、ここには感情(情動)や行動が関わってくるので面倒だ。・・・・・その意味、人は心や体や状況と相互作用するシステミックな存在ということではあるのだが。

こういった人の知覚や認知とコトバが相互作用して信念めいたものが構築されるプロセスは、一般意味論の「構造微分」のようなモデルで説明できる。もちろん、これも単にひとつのモデルや仮説に過ぎないが。



例えば、「数学が苦手だ」というような自己認識を持ったままだと苦手意識が先行して数学に関係あるところはすべて嫌というような感情が沸き起こるのかもしれない。これは案外厄介だ。

そこで、数学が苦手だ、というところをもう少し細かく調べてみる試みが具体化の質問となる。要は、抽象度を下げて、具体的な経験からその信念めいたものを構築した過程を再度検証してみるということになる。

実際調べてみると、数学が苦手というより、幾何学は得意だが、計算が苦手だったとわかってくることもあるだろう。そう考えると数学が苦手というのは少し言い過ぎなのかもしれない。また、偶々1回2回のテストの点数が悪く、その印象だけがやたら強いが冷静に考えるとそう苦手ではなかった、と分かることだってあるだろう。この場合、数学は可もなく不可もなくということになるかもしれない。

・・・・・・

こうやって一旦、具体的な経験に戻して、一般化された信念めいたことと比較再検討するのが具体化というわけだ。

それで、こういったことを意識から論理的にやっているのが認知行動療法ということになって、Youtubeを視聴すると一般意味論の認知行動療法への影響について語られているのが面白いところだ。まぁ、ABC理論というのは一般意味論の構造微分の焼き直しでしかなかったりする。


さらに、ミルトン・エリクソンの場合は、敢えて意識に上げない形式で間接暗示で行っているところがあるが、実はスタイルは正反対だが経験を具体化して過度の一般化を解いているのは認知行動療法と同じだったりするのが面白いところだろう。

まぁ、あまり大きな声では言えないが・・・・催眠に入ればOKみたいな単純な話ではないのだなぁ(笑)。それで、自己啓発などで言う、抽象度の上げ下げというのは結局、こういうことになる。要はその状況で物事を上手にやるための、役に立たない信念めいたものを解除するために行うのだが。



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2018年5月19日土曜日

ミルトン・エリクソンの系譜:学びを助けるシステミックな質問について(その13、挑発)


 
 
 えぇ!!!!あなたのような優秀な人が、

 こんな簡単なことができないなんて、信じられない・・・・(笑)。

 と冗談とも本気ともわからないやり方で挑発するのもまた一興。
                                              
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挑発的な質問を聞く

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13番目は挑発的質問だ。

「挑発的」で個人的に思い出すのが人類学者のグレゴリー・ベイトソンが書いている犬たちの「遊び」の話だ。実際、「遊び」ができるのは高等な生き物に限られる。

犬たちは「本当のケンカ」と「遊び」をどのように区別しているのか?

ベイトソンは至極真面目に観察した。

最初に犬が本気で挑発するのは「本当のケンカ」も「遊び」も、あまり変わらない。ただし、「遊び」は、次の行動として相手の犬に本当に噛み付くのではなく、軽く噛んだふりをする。こうすることで相手の犬も「ははぁーん、こいつは俺と遊びたいのだな」と所々のメタ・メッセージを「遊び」と解釈するという具合だ。そして、お互いが「遊び」であることを理解し「遊び」に興じる。

Youtubeを見ていると、柴犬の子犬とジャーマンシェパードの子犬がベイトソンの観察どおりに遊んでいる映像があって、思わず微笑ましくなる。


別に相手を傷つける意図はなく一生懸命遊んでいる映像がこれだ。

さて、話を戻して挑発的質問に戻ろう。挑発的な質問といっても上の「遊び」の構図に似たところがある。

心理療法家のミルトン・エリクソンもこういった「遊び」の要素を入れて挑発的に話すことがある。例えば、有名なすきっ歯の女性の事例だと、どうせ人生に絶望して自殺するのだったら一回くらい美しい服を着て、髪も美容院で手入れし、お化粧をして遊びに行ってはどうですか?というような提案をする。最後は小奇麗になったところで水飲み場ですきっ歯から好きな男性に水をかけて恋に落ち結婚するという、かなりベタなオチに発展する(笑)。

また、有名なアフリカスミレの事例も、引きこもりがちな女性に対して、どうせ花を育てるなら、一声50鉢は育てないと・・・というようなある意味挑発的な提案を行う。結局、この女性は持て余したアフリカスミレを誕生日のプレゼントなどとして配り歩いて、なくなった時は町ではちょっとした有名人になっていた。

また、アル中のご婦人と趣味のない旦那さんの事例では、ドヤ顔でご夫妻の大嫌いな釣りに一緒に出かけてはいかがですか?と提案をする。結局、これがきっかけになって夫婦仲が元に戻る。

・・・・・と、どこまでが本気でどこまでが冗談か分からないような話になってくる。

ただし、今までの凝り固まったパターンから抜け出すためには、こういった遊びの要素は案外重要なのだろう。本当に深刻な状況で、違う視点からから考えたり、違う行動を起こすのは難しいのだろうから。そこで、やはり「遊び」の要素をもたらすための挑発ということになる。

もちろん、エリクソンのこういった挑発的な側面に影響を受け、特に挑発に焦点を当てて体系化されたのが、フランク・フェアリーによる「挑発療法」ということになる。すこし細かい話はこのあたりで書いた。

もちろん、相手を挑発するといっても馬鹿にするわけではない。どちらかどいうと、なんであなたほどの優秀な人がこんなつまらないことで困っているのか、ガハハ・・・・よくわからない、という含みを持たせてあれこれ質問したり、少し大げさにリアクションすることになる。

それで、残念ながらフェアリーは2013年に亡くなってしまったが、Youtubeでは今も在りし日の名人芸を見ることができる。






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(つづく)

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