2017年11月22日水曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 326日目


                                                                                                              
    堂々巡りも悪くない。
  
  スパイラルに生成発展していれば、だが(笑)。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 326日目について書いておきたい。 
 
論文

 Some Aspects of Abandonment, Feeblemindedness, and CrimeMilton H. Erickson, MD.Reprinted from The American Journal of Sociology, Vol. XXXVI, No. 5, March 1931.

   1931年の古い論文。捨て子といった家庭環境、あるいは精神薄弱が犯罪を犯すことについての関係性の研究。
 
随考
 
   堂々巡りが始まる

    ミルトン・エリクソンは〈暗黙知〉しか残さなかった。〈暗黙知〉とは経験や勘に基づく知識のことだ。

 弟子が「なぜ、そのクライアントにそのように介入したのですか?」と質問すれば、エリクソンは「だってそうするものだろう」と答えを返すだろう。

 ある意味「そうだから、そうなのだ」というトートロジーだ(笑)。これでは堂々めぐりで何もわからないことになる。そもそもエリクソンの技法は一子相伝で経験として修得するものかもしれないが・・・ロッシやザイクやランクトンの本来のスタイルはこのスタイルだ。

 堂々めぐりを止める

 この堂々めぐりを止めたのが、グレゴリー・ベイトソンやジョン・ウィークランドやジェイ・ヘイリーらMRIで研究していた人たちだ。彼らは、ベイトソンが持ち込んだ第二次サイバネティクスの枠組みを当ててエリクソンの技法の〈形式知〉化を試みることになる。〈形式知〉とは文章や図や記号などで表すことのできる知識だ。ただ、ベイトソンらが賢かったのは、クライアントを含むコミュニケーションのやりとりを構成主義かつ円環的因果関係で記述したことだ。

 逆に言うと、初期の生成文法を使ったNLP(神経言語プログラミング)が構造主義かつ直線的因果関係しか記述できないかった違いは大きい。ベイトソンはこれに激怒する。このあたりで書いた話だ。今でも自然言語処理ではないほうのNLPでは変な人が湧いて出ることがある。個人的にはベイトソンに倣うわけではないが、色々な意味で直線的因果関係の記述がかなり効いているように思える。

 暗黙知は魚で形式知は干物

 もちろん、すべての〈暗黙知〉を〈形式知〉にすることは難しい。これは、海の水を煮詰めて塩は取れるが、逆に塩を水に溶かしたからといって海にはならないのと似ている。もっと言うと、海で泳いでいる魚が〈暗黙知〉で魚の干物が〈形式知〉なのかもしれない。干物を海に戻したからといって再び魚に戻って泳ぎ始めることはない。ただし、干物は炙って温かいご飯と大根おろしで食べると美味しい(笑)。

 エリクソンはいつでも新しい

 エリクソンの技法は、その時々の最新のシステム理論や認識論などでエリクソンの暗黙知が形式知化される、という構造がある。ある意味、新しいシステム論や認識論が出て来る度にこれが繰り返されることになり、エリクソンの技法はいつまでも古くならないという面白い構図がある。これもある意味堂々めぐりだが、〈暗黙知〉と〈形式知〉を行き来することでスパイラルに生成発展しているようには思える。

堂々めぐりも悪くない

 それで、それなりの格好のつく形式でエリクソンの〈暗黙知〉を〈形式知〉化した人たちには、MRIや戦略的家族療法やミラノ派家族療法などがあるが、今後も、エリクソンの暗黙知と弟子筋の形式知化の堂々巡りは永遠につづくことになるのだろう。現在まで上手くいっているのは、構成主義の視点でサイバネティクスや認識論を使った技法だ。ただし、制約として、これらの技法は良い意味でも悪い意味でも魚の干物である、と見る視点は必要だ(笑)。

 そんなわけで、再度、Youtubeの MRIとミラノ派家族療法、ヘイリーの戦略的家族療法、ソリューション・フォーカスト・アプローチを解説した映像を視聴すると、また、一層深いレベルで思うことがあってなかなか面白い。早速、大根おろしと温かいご飯を用意して視聴してみた。もちろん、大根おろしと温かいご飯は、あるもののメタファーだが(笑)。







 

11月22日の進捗、2,582ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 97.2%)

Volume IV
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Milton H. Erickson and Ernest L. RossiWith a Foreword by Sidney Rosen


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詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

https://www.facebook.com/Okirakusoken-236949276723679


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2017年11月21日火曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 325日目


                                                                                                              
    コーチングは、2種類あると考えている

  一つは無意識レベルの変化を支援するもの。

  もう一つは画期的なアイディアでの創造的問題解決。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 325日目について書いておきたい。 
 
論文

  Evolutionary Factors in a Psychosis* Milton H. Erickson, MA., M.D. Published in The Medico-Legal Journal, May-June, 1931, Vol. 48, No 3. * Material obtained from the records at the State Hospital for Mental Diseases. Howard, Rhode Island. 

 1931年の古い論文。クライアントがどのような精神病を進化させてきたのか考察している論文。
 
随考
 
   2つのモードのコーチング

  世の中にいわゆる「コーチング」というのがある。団体によってその定義は様々だが、個人的には、2つのモードのコーチングがあると思っている。いずれにしても、どちからができないとコーチングは単なるおしゃべりに毛が生えた程度のもので終わるのだろう。

    無意識レベルの変化を支援するコーチング

 一つは、ミルトン・エリクソンの論文を読むとよく理解できるが、一般意味論で言うクライアントの「意味反応(Semantic Reaction)」を取り扱うコーチングだ。これはその状況における言語(記号、シンボルを含む)や非言語に対する無意識の反応を別の反応に変えることを含む。

 例えば、高いところに登ると怖いと感じる。子供がいたずらをするとついかっとなって怒鳴ってしまう。気がつくと冷蔵庫から食べ物を取り出し間食してしまっている。禁煙したいのにイライラするとタバコに手が伸びる。新しい上司が苦手で前に出ると緊張して調子が出ない。・・・・・・・こういったことを何とかしたい、というような範囲だ。これらは、心理療法の範囲とオーバラップするのかもしれないが、無意識の「意味反応」を取り扱うということになる。当然、気合や根性で無意識の反応が変わるわけではないのでエビデンスを伴った方法論の適用が必要だ。エビデンスベースド・コーチングについては、このあたりで書いた。

 もちろん、こちらはエリクソンではないが、現状のパターンを崩すなり、リフレーミングをするなりクライアントを支援することで無意識の「意味反応」をよい方向に変えることができるという具合だ。例えば、上の例だと高いところに登ってもそれほど恐怖を感じなくなる、という具合だ。これが一つ目のモード。

 もちろん、対人関係やグループ・ダイナミクスを扱う場合は家族療法の扱う範囲とオーバーラップするように思う。個人的にはこの場合、MRI派生のミラノ派家族療法の技法を使うことになるのだが・・・・・。

 画期的なアイディアでの創造的問題解決を支援するコーチング

 もう一つは創造的問題解決。これは、「意味反応」は直接は扱わないが、アイディアのコンテンツまで扱うやり方だ。ただし、そのアイディアは過去の延長の枠組みを出た画期的なものである必要がある。ビジネス上のコーチングの場合はこれができないとマヌケに見えるようにも思える。

 最近、個人的によいなと思っている著作がある。『ブレーンステアリング 10億ドルのアイデアを生み出す新発想法』『キラー・クエスチョン 常識の壁を超え、イノベーションを生み出す質問のシステム』『未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II』の3冊だ。ビジネス上のコーチングの参考になる著作だ。

 このようなことをクライアントと1対1であれば、コーチングのような形式。複数であればファシリテーションのような形式で提供すればよい。

 例えば『ブレーンステアリング』では、


前提として、

①正しい質問をすれば、やがて答えといいアイディアが出て来る。
②画期的なアイディアをつねに生み出すための正しいプロセスは、一般に今まで教えられてきたものとはかなり違って見える。

さらに、以下の分野についての質問が記載されている、(ここでは質問は書かない)

◎新製品や新サービスを生み出す正しい質問
〈顧客が抱える問題〉を明らかにする
〈平均と異なる利用者や使い方を探す〉
〈意外な成功を探す〉→例外をみつけ広げる
〈完璧を想像する〉→理想の状態
〈未知の「空き領域」を見つける〉→焦点の当たっていない盲面をみつける
〈その他効果的な質問〉
〈営業活動の成果を拡大する「正しい質問」〉
◎コスト削減のための正しい質問
〈全分野〉
〈事務管理費〉
〈購買・物流施策〉
〈顧客対応経費〉
〈その他〉
◎最適なプレゼントを探すための正しい質問


 発想としては、エリクソン派生のソリューション・フォーカスト・アプローチと同じだ。ただし、こちらは、このプロセスにビジネス上のコンテンツがのってくる。

 さらに、ビジネスの場合はお金の流れを考える必要がある。
 
 これについては、TOCスループット会計の管理会計で考えるとゴールは、1)スループットを向上する、2)インベントリーを減らす、3)業務費用を減らすとなり、コンサルティングとオーバーラップするところが多いのだろうが、スタイルとしてはあくまでも顧客にアイディアを考えてもらうコーチングとなる。さらに、アイディアを実行するために「問題の外在化」「抵抗への対処」や思考や行動に変化を起こすことを含めると、かなり付加価値の高いコーチングとなるだろう。

 もちろん、こういったイノベーティブなことを行おうとすると企業文化の影響も非常に大きい。この文化が①性悪説②前例主義③減点主義④過度に階層的な組織、を取る会社だと何をやっても上手くいかない。その意味、イノベーティブなことやるには企業文化や風土として①性善説、②前例に囚われない、③加点主義、④フラットで風通しのよい組織、をとっている会社でないとそもそも上手く行かないというのが個人的な結論でもある。コーチングというよりも最初にこれを見極めるのが重要なことなのかもしれない。このあたりは人類学者グレゴリー・ベイトソンの扱う世界だ。
 
 まとめ

 個人的にはコーチングには2つのモードがあると考えているが、状況に応じて何れかを使い分けられるとかなり付加価値が高いサービスが提供できるだろう。

11月21日の進捗、2,574ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 96.9%)

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(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

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2017年11月20日月曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 324日目


                                                                                                              
    エリクソンの技法をもっとも単純化すると、

  分割と連結による体験の再結合。

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 324日目について書いておきたい。 
 
論文

  Grading of Patients in Mental Hospitals as a Therapeutic MeasureMilton H. Erickson, M.A., M.D., and R. G. Hoskins, M.D., Ph.D. Published by American Journal of Psychiatry, Vol. XI, No. 1, July, 1931. 

 1931年の古い論文。
過去4年間、ウスター州立病院は早発性認知症の病因と治療法に関する研究プロジェクトを実施してきた。内分泌および他の薬物投薬に加えて、体系的な注意が特定のタイプの療法に与えられている。 そのうち、患者の等級付けと促進計画が策定され、結果の予備報告を正当化するのに十分な経験が蓄積されている状態となっている。
 
随考
 
    象を食べるには一口づつに分けて食べろ?

 今回の論文の読み方は実は昔からの定番だ。昔むかしの学生の時、実験の待ち時間が手持ち無沙汰だったので、英国の歴史家ポール・ケネディの「The Rise and Fall of the Great Powers」全701ページを1日2〜3ページ読むと決めて読んだことがある。

 さらに、新聞の代わりにあわせて Time誌を2週間でカバー2カバーで読んでいたのでその合間に読んだのだが、案外、手待ちの時間が多かったということでもある。それで、〈細切れ時間〉を活用して、毎日少しずつ読んでいればいつかは読み終わる、というのは感覚的にある。

 もちろん、その間に少年ジャンプも少年マガジンもビッグコミックスピリッツもビッグコミックも読んだ上でだ(笑)。

 さて、普通ならここで大きな目標も小さく分割して実行するとよい。「象を食べるには一口づつに分けて食べろ」という自己啓発的な定番メッセージで終わるのだろうが、これだけだととても薄いのでもう少し深掘りしたい。

 分割と連結(Splitting & Linking) 
 
 エリクソンを形式知化したモデルに「分割と連結」がある。

   これは、エリクソニアンのビル・オハンロンの定義だが、要は(問題を引き起こしている)クライアントの認識や知覚などを分割を支援し、そして目標や資源・資質などと連結してもらう、というのがこの技法だ。

 これがエリクソニアンの技法としての体験の再結合であり、ある意味最も重要なメタ・パターンということになる。

 以下はオハンロンが「分割と連結」に他技法をマッピングした表だ。ひとつの切り口にはなる。余談だが、バンドラー&グリンダーのNLP以外の人たちがエリクソンの技法を構成主義やサイバネティクスで見ていて、さらにヘイリーは逆説的に見ているのを見抜くのがポイントでもある。だから、NLPはベイトソンにダメ出しをされることになる。ここで書いた話だ。

提唱者
分割(Splitting)
連結(Linking)
オハンロン
分割(Splitting)
連結(Linking)
エリクソン、ロッシ夫妻
,1976
乖離(Dissociation)
ダブル・バインド
反対の並置(apposition of opposite )
偶発的示唆
バンドラー、グリンダー
,1975
アナロジカル・マーキング
空間的ディソシエーション
因果の連結、アンカリング、フューチャー・ペーシング
ヘイリー , 1973
最悪の代案の提示
慈悲深い試練
ロッシ , 1980
症状の置換、散りばめ法
後催眠暗示、症状変換、反応調整
ランクトン夫妻, 1976
問題の状況を資源・資質に結びつける
ザイク, 1981
オキシモロン

 論文の学びを深めるために分割と連結を使う

 例えば、論文を読む時にもこの技法を使うことができる。一例だが、論文を読む前に意識ー無意識ダブル・バインドの言語パターンをアファメーションとしてつぶやく。目的は、1)方向付ける、2) トランス状態で集中してよむ、3)本からの学ぶ、4)トランスから覚めた後の学びを使う、だ。この場合4)が後催眠暗示になっているイメージだ。もちろん、一人でつぶやくと相互作用はなく単なる読むだけにはなってしまうが・・・軽いトランス状態に入るようにする。


1.Begininng orientation:
The conscious mind may not notice when the unconsious mind is begininng to work toward a solution .

2.Developing trance: 
Your conscious mind may think you desire or need one level of trance, while your unconsios mind develops the proper depth of tance .

3.Learning from book: 
An unconscious learning from the experience reading this thesis may be developed in the conscious mind as well.

4. Using learning after trance: 
Your conscious mind might already have some ideas of where you will use this while your unconscious hadles the job of doing it correctly.

 
 余談だが、これが効いているのか、あるいは毎日英文を読んでいるが効いているのかは正直不明だが、最近IT系の p.700ページ弱の方法論の説明書があっという間に読めるようになっていて正直びびってしまった次第だ(笑)。

11月20日の進捗、2,566ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 96.6%)

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(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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2017年11月19日日曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 323日目


                                                                                                              
    「成功法則」は、

  ベストプラクティスのメタ・プロセスにすべし。

   <ひとりごと>




はじめに

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論文

  昨日のつづき、

 Cooperative Research in SchizophreniziaR. Hoskins, PH.D. M.D., Francis H. Sleeper, M.D., David Shakow, A.M., E.M. Jellinek, M.E: Joseph M. Looney, M.D., and Milton H. Erickson, M.D.Published in the Archives of Neurology and Psychiatry, August, 1933, Vol. 30, pp. 388-401

 1933年の古い論文。内容は統合失調症ついて。この時点で多くの研究が存在するが、イマイチその定義が明らかでないという課題についての論考。

 
随考
 
    ネットに『残酷すぎるが言おう。9割の人は「成功の法則」をまちがえている』という記事がある。これが案外、面白い。この本はパラパラ読んだ記憶がある。

 主張を要約すると以下だ、

1. よくある「成功法則」は科学的に検証すると間違っているものが多い。
2. 検証すると逆のやり方がむしろ効果的ということがある。
3. 「成功法則」を鵜呑みにせず、検証されたものを使い、成功確率をあげるようにするべきである。

 ちなみに、「成功法則」のような、ある種社会科学的なところは、状況や文脈とあいまって、例外的にたまたま上手くいった、ということがある。また、これを状況や文脈を同じにして再現することが難しい。つまり、実体験としての個々の「成功」はプロジェクトの定義と同じで一つひとつがユニークだということになる。

 この場合、上手くいった本人が、この一握りの例外がすべてであるかのような信念とも言える法則をつくり「私はこうやって成功した」と主張しはじめると、かなりややこしいことになる(笑)。個人的には巷にある「成功法則」はそんなのばかりのような気がする。

 確かに、事実としては個別の案件は上手くいった。しかし、このやり方を他に適用しても必ずしも上手くいくわけではない。未来の成功は、あくまでもその確率をいかにして上げるか?でしか語れないという構造もあるだろう。

 これについて人類学者グレゴリー・ベイトソンの多重記述(Multiple Description)がある。簡単に言えば、1)自分でやってみる。2)他人にやってみる。3)他人がやった事例を集め俯瞰的にみる。ということだ。

 つまり、1)は自分の成功体験。2)は他人にやって成功した体験。3)他人が他人でやった成功体験。これらをメタ記述しなさいということになる。
 
 その意味、「成功法則」の検証はある程度母数が必要で、これらのデータをメタの視点から俯瞰的に相対化し、この偏りを補正する手段を持つことの重要性に気づいてくるのも面白いところなのだろう。

 このあたり結局の「成功法則」は、ITを参考にするとPMBOKなりITILなりのベストプラクティス的なメタ・プロセスが成果物ということになるのだろうが・・・・だいたいベイトソンと同じ視点でつくられている感じはする。
 

11月19日の進捗、2,558ページまで(全体 2,656ページ、進捗率 96.3%)

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