2011年8月8日月曜日

人間コミュニケーションにおける5つの公理

日常生活においても仕事の場面でもコミュニュケーションの良し悪しが得られる結果に影響することがあまりにも多いと思っています。

それで、プロジェクト・マネジメントのように目的を達成したり課題を解決することに焦点を当てたコミュニュケーションを実践する上で何から良い方法は無いのか?と思ってしまいます。

個人的に、問題の解決や解決プロセスに焦点を当てた短期・戦略・システム療法の基礎になっている「人間コミュニケーションの5つの公理」が上のような状況には非常に適していると考えているわけですが、ここではこれについて少し書いておきましょう。


人間コミュニケーションにおける5つの公理


グレゴリー・ベイトソンが在籍したパロアルトのMRI(Mental Research Institute)に在籍、スタンフォード・メディカル・スクールでも教鞭を取り、ベイトソンのダブル・バインドの理論を深めた人物でもあるオーストリア出身の心理学者であるポール・ウォツラウィックの提唱した「コミュニケーションの5つの公理」というものが存在します。

一般的に、言語についてのコミュニュケーションを研究しようと考えると、1) Syntax 統語 2) Semantics 意味 3) Phonology 音韻のいずれかに分類されるようですが、ウォツラウィックらは統語と意味を考えながらもとにかく実践できるというプラグマティズムの視点に徹底的にこだわって Pragmatics (語用論)つまり、実際に使えるという視点からまとめられています。


2010年7月パロアルトMRI前にて著者撮影


http://en.wikipedia.org/wiki/Paul_Watzlawick

  • 人はコミュニケーションしないでいることは出来ない
 すべての振る舞いは何らかのコミュニケーションとなっている。例えば、パーティーに出席していて壁の花になっていても、それはコミュニュケーションの受け手に対して何らかのメッセージになっていいます。また、そのパーティーに欠席したとしても受けてに対しての何らかのメッセージとなっていることが考えられます。


  • すべてのコミュニケーションは「内容(コンテンツ)」と「関係」からなる
すべてのコミュニュケーションは、その「内容(コンテンツ)」と、内容とは別の論理階型に存在する「内容についての内容」つまり関係性の情報であるメタメッセージからなっているという具合に理論化されます。 情報の送り手は、コンテンツに加えて何らかの関係性に関する情報を伝えており、情報の受けてはコンテンツに加えて、何らかの関係性の情報を受け取っていることになります。メッセージとメタメッセージの解釈の方法によっては後に体系化されるダブル・バインド仮説によって統合失調症の原因になることが知られていますし、逆にメッセージとメタメッセージを良い意味で混同することがユーモアになることも知られています。


  • コミュニケーションは相手とのダンスのようなもので直線的な因果関係に還元することは出来ない。(句読点や間によって意味が変わってくる)
この公理について少し意訳していますが、コミュニケーションは喩えるならばダンスのようなもので相手の反応によっていかようにも変化することが予想されます。従ってコミュニュケーションは相手との相互作用であり単純な直線の因果関係として考えることは出来ません。


  • 人のコミュニケーションはデジタルとアナログの両方のモダリティを含んでいる
デジタルなコミュニケーションとは言葉そのものを指します。例えば、おしゃべりによって相手とコミュニケーションを行う場合、言葉以外に、アナログのモダリティ、例えば、声の調子、テンポ、大きさ、声の質などを同時に含んでいます。 つまり、人間はデジタルとアナログのモダリティの両方を使ってコミュニケーションを行います。


  • 人のコミュニケーションは対称もしくは補完的である
これは1930年代にグレゴリー・ベイトソンがニューギニアで行ったフィールドワークに関係しています。当時の対象となった集落には中央集権的なリーダーが存在しておらず、自律分散的に運営されていました。

当然、小さな集落同士が統合される、あるいは大きな集落から小さな集落に文化が行われる中でベイトソンは自律分散的に運営されている要因をその土地の祭りである「Naven」に見出し、その中から人のコミュニュケーションのパターンが対称的もしくは補完的、そしてその複合であることを見出します。

これらの洞察はサイバネティクスの世界に足を踏み入れたばかりではなく、後に家族療法やシステム療法の理論の中に取り入れられ、現在では組織のマネジメントなどに応用されています。

それで個人的にはの理論を自律分散的に機能するプロジェクト・マネジメント・チームをどうつくるか?や自律分散的に機能するコンサルタントのチームをどうつくるか?といったところで実践するのが目下の課題だというわけです。

逆に言うと、単純に機能毎に人を割り当てる機能主義のマネジメントは、こういった変化の激しい時代には上手く機能しないと痛感しているため、もう少し人間の本質的なところからのアプローチを実践中という状況になっています。



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