2011年8月30日火曜日

前提条件をどうおくかで結果が変わる

日常生活でも仕事でも自分の思考における前提をどうおくかによって得られる情報がまったく変わってくることがあります。 今日は、こういったことがなぜ起こるのか?を説明している一般意味論における「Logical Fate」について書いておきましょう。

前提条件と結果の関係は?

認知科学的に、自分の知覚の注意(Attention)をどこに向けているのか?と関連して意図(Intention)つまり、心の中に設定された「前提条件(Assumption)」の存在意義を考えることは非常に重要だと思います。  

 日常生活や仕事の場面の知覚・認知のプロセスを考えると、それを意識している、いないにかかわらず、何らかの「前提条件」をおいており、それが注意と相互作用するような格好になっています。

例えば、仕事の場面で、その前提がいつも正しい、正しくないは別にして、「価格を下げれば、販売台数が増える」という前提条件を確信として持っていると、販売台数を増やすために、価格を下げることだけに注意が向いてしまうことになり、「価格を下げないで販売台数を増やす」施策には注意が向かなくなってしまうことになります。

 つまり、こういった「前提条件」をおくと、知覚・認知において、「前提条件」によって情報のフィルタリングが行われ、そのフィルタリングを通した「結果」が導かれることになります。逆の言い方をすると、前提条件によって、知覚・認識される情報に対して盲点が生まれ、「前提条件」をどう置くかによってどこに焦点が当てられるのか?が変わるため、得られる結果がまったく変わって来るというわけです。

 
[前提条件 1]
  ↓
[結果 1]

一般意味論では、このような「前提条件」と「結果」の関係を特に「Logical Fate」と呼んでいます。[1]つまり、文字通り前提条件と結果は論理的な命運で繋がっているというわけです。

一般意味論の前提についてLocial Fateを考えてみる

一般意味論の代表的な前提として、人の認知における「地図は領土ではない(The map is not the territory.)」、つまり自分の表象にある地図は、外的世界の土地そのものを指しているわけではない、についてのLogical Fateを考えてみましょう。

 この前提は、一般意味論の創始者であるアルフレッド・コージブスキーがアリストテレス系と呼ばれる「地図と領土を同一視した」認識論的エラーを持った認識のやり方から離れて、非アリストテレス系と定義された、「地図と領土の区別の区別をつける」認識パターンを身につけることで、アリストテレス系で発生している不都合なことを回避するという目的のために導入された概念です。

アリストテレス系
非アリストテレス系
AはAである (Identity)
地図は領土ではない (Non-Identity)
全てはAであるかAでないかのいずれかである (中間を排除)
地図は全ての領土を表わしていない(Non-Allness)
Aかつ非Aは同時に満たされない
地図は自己参照的である(Self-Reflective)

アリストテレス系の代表的な認識パターンとしては、「地図は領土であり、言葉はモノである」というようなエピステモロジーあげられるということになるでしょう。  

このような思考パターンが身についてしまっていると、悪口を言われたという理由だけで相手を銃撃してしまった南米のサッカー選手、原油の決済通貨をドルからユーロに変えられただけで、イラクに因縁をつけ戦争を始めたアメリカ、・・・など色々なケースが考えられます。

前提条件を変えてみる


[前提条件 1](地図は領土)→→→ [前提条件 2](地図は領土ではない)
↓                     ↓
[結果 1](切れて銃撃)         [結果 2](冷静に対処?)
  

  そこで、上のサッカー選手が非アリストテレス系に前提条件を変えることが出来ていたらというように、前提条件を水平思考を使ってシフトした状況考えてみましょう。

この場合、悪口を言われたとしても「地図は領土ではないし、言葉はモノではない、その言葉は自分のアイデンティティではない」考えることが出来るわけですから、多少ムカついても、わざわざ悪口をいった相手を銃撃するという行動に出ることはなかったのでしょう。

 余談ですし、多少一般化が過ぎるかもしれませんが、わたしたち日本人について言えば、隣国で日本国旗が燃やされても、冷めた目で眺めているのを見ると案外根っからの非アリストテレス系のように思ってきます。


前提条件は結果に対して改善していく

結局、前提条件は、知覚・認識に影響を及ぼし、結果に影響を及ぼしますから、結果における事実を帰納しながら前提にフィードバックする形式で改善していくことが必要だと言えるでしょう。



余談ですが、リスクマネジメントの話題として、リーマン・ショックの前に自分が売り買いするためにその前提としている指標を明らかにし、それをリスクマネジメントとしてモニターしていた機関投資家はほとんどリーマン・ショックの影響を受けなかったということを教えてもらったことがあります。つまり、この投資家たちは前提が盲点をつくるという重要性がについてきちんと認識していたということなのでしょう。

文献

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