2011年8月7日日曜日

An Ecology of Mind


  The major problems in the world are the result of the difference between how nature works and the way people think.


Gregory Bateson


世の中の主たる問題は、自然の摂理と人の思考の差異によって生じる結果である。


グレゴリー・ベイトソン



ノラ・ベイトソンさんプロデュースのドキュメンタリー

  世界が瞬時につながってしまう時代に生きているなぁと感じるのは、グレゴリー・ベイトソンの末娘であるノラ・ベイトソンさんがFacebook にいたりする時。

ノラさんはグレゴリー・ベイトソンの晩年に近い時期のお生まれだと思ったので、ベイトソンとマーガレット・ミードの間に生まれた長女のメアリー・キャサリン・ベイトソンさんとは、母親も違うし、歳も親子くらい離れていたなぁと思ったわけです。

それで、「An Ecology of Mind 」と題されたサイトを覗くと、2010年に発表されたノラさん撮影・編集のグレゴリー・ベイトソンのドキュメンタリー映画「An Ecology of Mind」が発表され好評を得ている様子が伺えます。

http://www.anecologyofmind.com/thefilm.html



この映画のトレーラーを参照すると、「タオ自然学」の著者であるフリッチョフ・カプラ、元カリフォルニア州知事のジェリー・ブラウン、ベイトソンの長女のメリー・キャサリン等が出演しており、個人的には面白そうだと思っているので、これは観光旅行を兼ねて、観に行かないといけないなぁと考えているところです。

自然はいつも調和している

 それで、このドキュメンタリーでベイトソンの言葉である。「The major problems in the world are the result of the difference between how nature works and the way people think.」が紹介されているわけですが、この言葉が非常に深いと思ってしまいます。

まず、この前提として、我々の外的世界にある自然は、例えば、ニュートン系のような単純な物理学の法則でいうと、人の思惑が入っていないためなのか、いつもどこか均衡するところで調和しています。

つまり、心配しないでも、水は低きに流れ、地球は太陽の周りを回っているというわけです。

それで、先ごろお亡くなりになったTOC(Theory of Constraint)の創始者であるエリアフ・ゴールドラット博士も自然は調和している・・・というようなことをおっしゃっていたように思います。

世の中の多くの問題は自然の摂理と、人の思考のレベルの違いから生まれている

それで、現代の科学というのは、感情も情動も身体もない客観的な観察者というのを置いて、外的な現象を記述してきていて、ラディカル構成主義や仏教のように、自己の投影としての世界と、世界の投影としての自己ということをあまり真剣に考えてこなかったというわけです。

  グレゴリー・ベイトソンのエコロジーというのは、観察者と感情も情動も身体もある観察者として、外的世界と内的世界の循環をきちんと考えていきましょう・・・ということになるのだと思うのですが、

 物理学の法則として調和している外的世界と、負のエントロピーを食べて自由に思惟をめぐらし勝手気ままに振舞うマインドの世界において、論理階型の異なるそれぞれの世界のギャップをどう埋めたら良いのか? これがベイトソンのマインドの理論の出発点のように思えてくるわけです。
  
それで、このあたりは禅の逸話で、月(実態)と月を指す指(実態のインデックス)はベイトソンのマインドの理論でいう論理階型が違うわけであり、一般意味論の創始者であるアルフレッド・コージブスキーの言ったように「地図はそれが指す土地そのものではない」であり、月と指、あるいは地図と土地の混同が世の中の存在する多くの問題につながっているという具合です。 

もっとも、一般的なビジネスのコンテクストでは「地図と土地」の区別を付ける質問として、
  •  外的世界のありようを基本的に動的なプロセスの連鎖として観察する質問(認識の抽象度を下げる) --- So What ?
  •  内的世界の静的な信念・価値観としての理由を考える質問(認識の抽象度を上げる)―― Why so ?
を駆使して良い意味で二元論的な区別を付けるということがあるわけですが、この方向に加えて、

これとは逆に 「Pattern that connects - 結ばれあうパターン」として「地図と土地」の相互の循環を考えるということがベイトソン流ということになるのでしょう。

http://www.imprint.co.uk/books/Bateson_Intro.pdf

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