2011年9月7日水曜日

マジカル・ナンバー7±2

今日は認知科学者のジョージ・ミラーが提唱したマジカル・ナンバー7±2について書いておきましょう。

人が意識的に取り扱える情報量


これは、ヒトのワーキング・メモリーで意識的に認識、操作できる情報のチャンク・サイズの上限がだいたい5から9程度ということを言っています。[1]

ですから自分でモノを考える場合、あるいはヒトとコミュニケーションをする場合も、情報のチャンクサイズが少なすぎると単純過ぎると思われれ、多過ぎると情報のオーバーフローによる齟齬が起こるので、これを逆手に取って利用しない限りは7±2 の範囲に納めておきましょうということになっています。

もっとも注意点としては、この仮説がプリンストン大学の「Psychological Review」に掲載されたのが1956年ですから、最新の研究を反映した値というのは多少変わっている可能性があります。


これを仕事や日常生活に応用してみる


個人的には他のヒトに情報を伝える場合にこの説を応用しています。 まずは表技(オモテワザ)として素直に使う場合、
  • プレゼンテーションの場面で
例えば、何かのプレゼンテーションを行う場合、1スライド1テーマになると思いますが、1枚のスライドに盛り込む情報は7±2チャンクで収まるように心がけています。 

つまり、スライドに盛る要素、それとその要素の関係性を明示したもの、まで含めて5から9の塊として見えるようにグルーピングを考えているという具合です。

もちろん、スライドや会議のアジェンダのような資料がある場合は7±2あたりが多くもなく、少なくもなく適当な感じがしますが、話言葉だけの場合はテーマは3つ4つに留めておいたほうが良いと思います。

  • 何かを決めてもらう場面で
この場合、いくつかある案のうちどういう軸で比較しているのかを明示してレーダー・チャートのような図を書く場合、この比較の軸として7±2くらいで示すと単純な二項対立に陥ることなく比較的選びやすい状況が生まれると思います。

そして、裏技になるわけですが、
  • 相手を面接する場合

これは、私もとあるプロジェクトのオーディションでやられたことがあるのですが、面接官が候補者にワザと、考えられないくらい早口でしゃべり、相手がどのように反応するのか?を観察する、

この場合、通常のわかりやすさとは反対に7+2=9を大幅に上回るチャンクサイズの情報を投げ込、相手がこれにどのように反応するのか?対応力を観察するというわけです。 

私は幸いこのプロジェクトに参加出来てこの面接官から色々裏話を聞くことが出来たのですが、この方法は、無意識として習慣化されている本当の対応力を見る上でかなり有効だということでした。

もっとも、この方法は催眠療法家のミルトン・エリクソンが使っていた混乱法[2]そのものなのですが、形式知とも言って良い意識に情報のオーバーフローを起こさせ、意識がハングしたところで、暗黙知とも言える無意識の情報を引き出すというなマイケル・ポランニー顔負けの技法ということになってくるわけです。

文献
[1]http://en.wikipedia.org/wiki/The_Magical_Number_Seven,_Plus_or_Minus_Two
[2]http://en.wikipedia.org/wiki/Milton_H._Erickson#Confusion_technique

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