2011年9月30日金曜日

知覚を磨いてリアリティを高めるマインド・マップ読書法



抽象的な思考から発生する、知覚というものがある。 例えば、平和で満たされている状態ということを考えると気持が良くなるというのがこれにあたる。

ひとり言



今日は、「知覚を磨いてリアリティを高めるマインド・マップ読書法」と題して書いておきましょう。

以下のリンクでも述べたように個人的にはトニー・ブザン氏の提唱するマインド・マップをそのまま使うのではなく、一端、ブザン氏の影響を受けた一般意味論の理論に戻して使っています。 


何せ、一般意味論のバイブルで、英文で約900ページある、アルフレッド・コージブスキーの著作「Science and Sanity」の第五版 を三回ほど読んで大凡の概念については理解したので、個人的にはこちらのほうがしっくりくるというわけです。[1]

ちなみに、以下のリンクに書きましたが、一般意味論を簡単に説明すると、五感からの情報がどのように神経系に取り込まれ、抽象化されながら、かつ言語、記号と相互作用しながら経験として神経系にコーディングされるかを探求する学問です。

http://ori-japan.blogspot.com/2011/09/blog-post.html

従って、見てくれは別にして、中のロジックは、私オリジナルのGSMM(General Semantics Mental Map )とでも言ったほうが良い内容になっているのですが、今日はこのマインド・マップを使って読書を行う方法について書いておくことにしたいと思います。

基本的なフォーマット

まず、基本的なフォーマットは、一般意味論の構造微分(Structural Differential)を2次元に展開して、以下の図のようにしています。



·           中心イメージ

まず、主客分離が行われ、言葉で表現される前の純粋経験のイメージを中心に配置します。手書きの場合はポンチ絵のようなものでもかまいませんし、読書の場合は、文字から想像したイメージを書けば良いでしょう。 また、ここに焦点を当てた場合には、その場面に入り込んでそこに居る状態を想像してみましょう。

·           著作中の事実

この部分は中心イメージの観察者がその要素に言葉、記号のラベリングを行い、主客分離の認識を行うフェーズです。


 普通はこのフェーズの情報処理は私達の無意識で行われています。 それで、このプロセスを言葉や記号を使って敢えて意識に上げて、そのプロセスに焦点を当ててみることで観察者のもつ認識の歪や認識の枠組みに気付くことがあります。


 ここでは、メイン・ブランチに近い幾つかのブランチに「著作中の事実」、つまり「中心イメージ」のいくつかの要素を認識し意識にあがってきた情報、つまり観察者の中での事実について書くことにします。 


 例えば、小説が扱っている舞台、客観的な事実をここに記載します。 この場合にもこの画面に入り込んだようにイメージして、セントラルイメージが適切な言葉、記号に置き換えられているのかを感覚的なところからチェックしてみましょう。

·           著者(登場人物)の視点での推論/気持/行動

ここでは、「著作中の事実」に対して、著者もしくは登場人物になりきり、「著作の中の事実」に対してどのような推論を行い、どのような気持になり、どのように行動しているのか?追体験してみましょう。 ここでは、これらの情報をブランチに載せて短い言葉、記号で表現します。


 もしかすると、何らかの違和感を感じるかもしれませんが、それは登場人物と普段の読者との事実に対する認識や反応の違いだと考えられますのでこの違和感は大事にしましょう。

·           読者視点での感想/推論/共感/反感

 つぎに、「著者(登場人物)の視点での推論/気持/行動」に対して、読者の視点で眺めてみましょう。 この視点で眺めると、著者や登場人物に共感することもあれば、逆に反感を覚えることもあるでしょう、また、登場人物の推論から何らかのアイディアが導かれる場合もあるでしょう。 ここでは、これらの情報をブランチに載せて短い言葉、記号で表現します。 普段、私達が読書感想文といっているものはこの視点で書かれていることに注意してください。

·           メタ視点

ここは、一言で言うと、本を読んでいる読者について観察しているような視点です。つまり、比喩的に言うと本を読んでいる読者を読んでいる状態と考えることができるでしょう。


読者の視点でみた場合、著者や登場人物に反感を感じるような場合、もう一段上の視点に出てみましょう。


 どのようにしてその反感を感じるのでしょうか? 反感を感じているのはどのような気持から分かるのでしょうか?


 このような質問を行なっていると、読者の持つ、信念・価値観、思考フレームに気付くことがありますし、これは己を知る上で非常に貴重な情報です。 おそらくこれを知るために読書をしているという目的もあるのでしょうが、ここでは、これらの情報をブランチに載せて短い言葉、記号で表現します。


 また、メタ視点に立つことで読者の視点では気づかなったかったより深いテーマ、関係性、巨視的なパターンなどが見えてくることがあります。


 それで、一歩進んで、この視点に一般意味論の「Etc.」の概念を持ち込んで、もし、読者視点で読んだ時の共感や反感についてそれ以外の感情、思考、反応があるとしたらそれはどういったものになるのでしょうか?


 それで勘の良い方はお気づきになられたと思いますが、このフォーマットは通常のロジック・ツリーのように端に行けばいくほど具体的な方向に詳細化するのではなく、端にいけばいくほど情報、あるいは視点の抽象度が上がる形式になっています。これが大きな特徴です。 


 余談ですが、マインド・マップをMECEで書くなどと言う方がいらっしゃいますが、MECEで書くためにはそれが漏れ無く・ダブりもないということについて前提や枠組みを設けて担保する必要があります。


 しかし、この前提や枠組みのスコープを広げると当然検討される要素も広がりMECEの範囲も広がるわけです。 それで、自分の表象の中身を書きだすことで外在化し、マインドマップの端にいけばいくほど抽象度を上げるような視点を作り出す理由は、普段意識に上がっていない、前提や枠組みを広げることを行なっているということになります。

基本的なガイドライン

ここでは、上のフォーマットを活用する上で基本的なガイドラインについてお話します。

ここで考えている基本的なガイドラインは以下の6つです。

  1. 地図と領土の区別をつける (事実と思考、事実と感情などの区別をつけましょう。事実と思考、事実と感情の繋がりに必然的な因果関係が存在していないことに気づきましょう。)
  2. ブランチとブランチの間に別の選択肢、つながり、があることを意識する。(ブランチとブランチの間にも必然的な因果関係は存在しません。そのつながりは観察者がつくりだしていることを意識してください。つまり、別の選択肢は必ず存在しますし、それは選べるということになります。)
  3. 知覚、気持にも焦点を当て、思考だけに頼らない
  4. 抽象度を上げ下げする (セントラルイメージ ⇔⇔⇔ メタ視点の行き来)
  5. より大きな要素と要素の関係性のパターンを見つける
  6. 読書を通して見つかる自分の信念・価値観、思考フレームを大事にする。

以上が一般意味論に戻したマインド・マップの使い方なのですが、個人的にはこうすると読書がエピソード記憶として記憶されやすくなるのと、抽象度の上げ下げによる頭の体操が出来て非常に有益な感じがしています。

 もっとも、これが唯一優れた手法であるとは主張するつもりは無いので、状況に応じて色々カスタマイズして使っていけば良いのだろうなと個人的には考えているわけです。

文献
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