2011年9月14日水曜日

問題思考 vs. 解決思考

今日は、「問題思考」と「解決思考」について書いておきましょう。

プレローマとクレアトゥーラ

グレゴリー・ベイトソンはグノーシス派の哲学を引用して、無生物の世界であるプレローマと生物の世界であるクレアトゥーラの世界を分け、それぞれの世界に特有な論理が存在していることを語っています。[1]

 例えば、石ころのような無生物を投げると単にニュートンの法則に従うわけですが、犬をけると犬の意志もあり必ずしもニュートンの法則に従うわけではないということになるわけです。

そして、世の中の多くの問題はプレローマとクレアトゥーラの世界の差から生まれているというわけです。


 それで、仕事や日常生活においてもこれらの2つの世界が相互作用しているような世界があり、そこで様々な問題があるわけですが、個人的には2つの世界のどちら側で起きている問題なのか?を判断して、それを解決する道具立てというのは、その時の事情で選べばいいというのが結論です。

 それで、最終的にどんなことが経験として得られていれば良いのか?というアウトカム設定の話とも関連するわけですが、以下に興味深いエッセーがあったので、リンクしておきましょう。 

http://www.ie.utpa.edu/ODPs/Outmodel.pdf 

問題思考 vs. 解決思考

このエッセーの良いところは、問題思考と解決思考の違いが具体的な質問の違いで示されている点で、この質問の違いを認識するとこれが直感的に理解できるようになっている点です。
個人的には外的世界で起こっている問題、例えば機械が壊れたというような場合は、ある程度の問題思考で追求したほうが良く、内的世界で起こっている場合、例えば、人の認識を扱う場合は解決思考を使ったほうが良く、要はこの組み合わせだと考えています。
それで、個人的には外的な世界ではTOC(Theory of Constraints)のように物理的に最も影響の大きい制約条件、つまりボトルネックに着目したほうが良いと思いますし、内的な世界の認識については、逆に注意の当たっていない可能性に目を向けたほうが良いという具合です。[2]

  このエッセーにもあるように以下の文章を読みながら、自分自身の経験などから問題の起きた状況をイメージしたらどのような氣持ちになるのか? それに意識を向けてみたらどんな違いがあるでしょうか? 


(参考)http://ori-japan.blogspot.com/2011/08/blog-post_24.html
 Question Set I: Think of your problem and answer questions below. 

1. Why do you have this problem? 
2. Who caused this problem? 
 
3. Who is to blame for this problem?
 
4. What are the roadblocks or obstacles to solving this problem? 
 
5. How hopeful are you that this problem will be solved?

問題思考の質問 (文脈によっては以下は多少極端な質問になる)

1. なぜあなたはこの問題で困っているのか?
2. 誰がこの問題の原因なのか?(個人的にはどのような要因が重なってこの問題が起きているのか?というプロセスを聞いたほうが良いと思う。)
3. 誰がこの問題の責任を取るのか?(責任追及を行う場合は、時系列的に問題が解決した後でないと上手くいかないと思う。)
4. この問題を解決するための障害は何か?
5. この問題が解決されることにどの程度望みを抱いているか? 
 
問題思考の場合、確かに機械の故障などについてある程度上手く機能するのでしょうが、人の内的な認識などについてはあまり上手く機能しないように思います。

1. (問題はあるにせよ)最終的にはどのようなところに収まっていれば良いのか。あるいは良い意味で問題発生時とは次元の違うことを達成するかとか建設的な方向を考えたほうが良いのではないか? 問題にフォーカスしても最高の場合でもマイナスの問題が0になるだけ。

 2. 原因を誰かの行動に求めない。問題はコンテクストや環境と相互作用して起きている。あるいは、誰かがたまたまミスをしてそれが問題となって波及するようだとそもそもシステムの問題だと思える。

 3. 責任追及よりも先に、解決やサービスの継続を考える。(ITILと同じ発想) もちろん場合によっては責任追及も必要なのは分かるが、責任追及が問題解決には繋がらない。まずは、どのような要因が重なってそれが起きたのかの事実を追求し、管理者などの責任追及は最後に行なったほうが良い。

 4. 機械の故障などではこの質問が有効なことがある。

それで、以下が解決思考の質問となります。
  

 
Question Set II: Think of same problem and answer questions below. 

1. What do you want instead of this problem? (Your response will be your desired outcome.) 
 
2. How will you know you have achieved this outcome? What will you see, hear, and feel to know you have achieved this outcome?
3. Imagine it is sometime in the future and you have the outcome you want. What have you gained by achieving this outcome? 
 What have you lost? 
4. What resources will you have to activate or acquire to achieve this outcome?  
5. What is the first step you will take to achieve this outcome?

解決思考の質問

1. 問題の代わりに何を望んでいるのか?(この質問の応答は望ましいアウトカムとなるだろう)
2. そのアウトカムが達成されたことはどのようにして分かるのか? そのアウトカムが達成された時、何を見、聞き、そして感じるのか?
3. アウトカムが得られた将来のある時点を想像しよう。 このアウトカムを達成することにより何を得、そして何を失うのか?
 
4. このアウトカムを達成すためにどのようなリソースにスイッチを入れるかもしくは獲得するか?
5. このアウトカムを達成するために最初にどのような一歩を踏み出すか?

  

それで、どちらかの思考がいつも正しく、どちらかが間違っているということは無いと思いますが、大凡、人の認識については解決思考、機械などの故障については問題思考というように、これらの使い方を間違えると問題解決が上手く機能しないように思ってきます。

文献

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