2011年10月8日土曜日

対立の構造(その1)

今日は、「対立の構造」と題して少し書いておきましょう。

対立の構造には典型的なパターンが存在する

仕事から日常生活の立場の対立、はたまたテレビの討論番組の意見の対立まで、私達の身の回りには多くの対立が存在します。

また、人と人の意見の対立といったこと以外に自分自身の中にも葛藤といった対立が存在します。

それで、この対立というものをよく観察してみると、実は典型的なパターンというものが存在しており、TOC(Theory of Constraints)の蒸発する雲(Evaporating Cloud)[1]、あるいはベイトソンの言ったダブル・バインドのパターン、もっと正確に言うとベイトソンが「ダブル・バインドのようなもの」といったパターンを取ることがわかってきます。

 ここではオリジナルのTOCの「蒸発する雲(対立解消図)」表記では少しわかりにくいのですが、ここでは、一般意味論の構造微分の考え方を持込み、時間と空間を持った物理的な世界での対立と、人の認識の世界での対立のレイヤーを明示的に分けて書いています。そして、いくつかの要素が示されていますが、上にある要素は、下にある要素のメタに存在するとしています。


 もっとも、こういった対立の解決が難しくなるのは、

l         物理的世界と認識の世界が相互作用して対立が起こっていること
l         さらに、認識の世界でベイトソンの「マインドの理論」に沿った形式で、物理的な世界、あるいは論理的な世界の下位にある認識が上位、つまり下位のメタにあるマインド(枠組みやパラダイム)といったものに影響を受けること

があげられます。


つまり対立を解消するには、物理的な制約を確認しながら、認識の抽象度を上げ下げして、場合によっては前提条件や世界観(パラダム)のメタ視点に出て、これを確認する必要があるということになってきます。


もっとも、この対立解消を真面目にやろうとすると、個人の葛藤については認識論を知り尽くした素晴らしいコーチやセラピストが必要になるでしょうし、グループの対立解消には、良い場と良いファシリテータとダイアローグ、あるいはホンダでやっているような「ワイガヤ」のようなプロセスが必要になります。


まず、物理的なリソースを取り合っていないかどうかを確認する

これは討論番組などでよくありがちなことなのですが、ある人とある人の意見が対立していることがあります。

つまり、上で示した対立図で言うと論理的な世界で対立が起きている場合です。この場合、まず確認しなければいけないことは、その意見を物理的な世界に落とした時に「具体的に何が問題なのか?」を確認する必要があることです。 これは討論番組で田原総一朗氏がよく使う質問です。

喩えるなら、Aさんはポルシェが最高の車だと言い、Bさんはフェラーリが最高の車だと言うような場合です、もちろん意見の対立そのものを楽しんでいる場合は、これを酒場などで延々議論していれば良いのでしょうが、仕事や日常生活の場面では、なんらかの物理的なリソースの制限というものが存在するのでこうはいかないことが多いと思います。

 こういった場合まず地に足をつけるために、では具体的に何が対立しているのか? 具体的な環境においた時に何が制約になるのか? 何が問題なのか? 具体的な行動を起こすのに何が制約になっているのか? 何が問題なのか? を考える必要があるでしょう。

 例えば、AさんとBさんは家族で同じ家に住んでおり(ラッセルの集合論からすると同じ論理階型にある)、いざ車を購入しようとした時に駐車場が1台分しかない、これがまず物理的な制約、それで買うならどれか1台に決める必要がある、といったように、まずは物理的な制約を確認することから始める必要があると思います。

 これは、ピーター・センゲの言っているシステム・アーキタイプで示されている「Tragedy of commons」といった物理的、もしくは論理的なリソースが共有されることでそこに制約が発生するのと同じパターンになります。[2]


つづく


文献
記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿