2011年10月17日月曜日

話の聴き方(その5)

 今回も前回に続いて「話の聴き方(その5)」と題して書いておきましょう。

この回もあまりまとまっていないので後で追記したり、構成を変えたりするかもしれないので予めお断りしておきます。

 さて、話の聴き方(その1)で書いた全体のプロセスを再確認すると 1) 観察 2)傾聴 3)受容 4)共感 5) 承認というようなプロセスの4)から5)あたりまで説明してきたわけです。

 それで、ここまで来ると以下のような状態になっているのではないかと思います。

l       コンプリメンタリーな関係を構築するプロセスを通して自分と相手の間に深いラポールが築かれている
l       相手は、自分がハマっている問題のパターン、関係性をメタ認知できていてそれがかなり明らかになってきている。
ü      例えば、自分が出来事に対して身体感覚や情動を伴ってどのように反応しているのか? 
ü      その身体感覚や情動を伴った反応や行動がどのように問題を起こしているのか?
ü      その時どんな信念、価値観、枠組み、前提の下でその反応が起こっているのか?
ü      それはどんなコンテクストで起こっているのか? など。

もっとも、このような状態を必然的につくり出せるレベルになるとかなり優秀なコーチやファシリテーターでしょうし、それなりにエネルギーも必要になるため、ほとんどの場合は、機密保持などを結んで有償で提供されているサービスとなるのではないかと思います。

 一般的に、親切心から友人や上司の相談にのっているということも考えられますが、こういった相談の場合と比べると、

こちらは、 1) 現状把握の精度が物凄く高い 2) 問題起こるパターンが、コンテクスト、振舞・行動、認識、情動、反応の関係性の点から把握されている 3) 解決に際してこれらの関係性を把握してシステム全体を考えてシステミック介入する、(もちろん相手の同意があればだけれども)

といった方法が取れるため、付け焼刃ではない、より根源的な問題解決が出来る、ということになると思います。

解決の基本方針は以下

 それで、基本的な解決方針は以下のリンクで書いたとおりになります。

[基本方針]
短期・戦略療法で用いられている戦略を使う。


[ジレンマ、ダブル・バインドの解決の方向性]

複雑な問題は、あっちを立てれば、こっちが立たずというような人間関係の問題、あるいは、自分の中で、頭ではわかるけれど、体や気持がついてこない、というような対立、ジレンマ、はたまたこの特殊な形式としてのダブル・バインドだということを以前説明したわけです。

基本的な解決方針については、以下のリンクに書いていますが、これを解決するためのおおよその方向性としては、抽象度を上げて対立やジレンマなどを解消できそうな、認識の中のリソース(資質・資源・身体感覚など)を見つける、そして、最終的には、抽象度を下げ、このリソースを持って物理的な空間での行動に落として、グループなどの場合は行動計画をつくる、ということになってきます。


それで、ここで誤解してはいけないのは、このあたりのプロセスで使う[承認]という行為なのですが、言葉だけを捉えるとコーチングなどで権威的なコーチがまるで小学校か中学校の先生のように生徒の許可を出すというようなニュアンスで取られてしまいます。

本当のところは、コーチとクライアントが昨日書いたコンプリメンタリーな関係を築きながら、クライアントが自分でリソースを引き出した時、事実を確認した時、リフレーミングで例外を探すことが出来た時、などにクライアントが自分で「腑に落ちる感じ」や「自分をエンパワーする気持」を発見し、心理療法家のミルトン・エリクソンが用いたようにある認識に対してエンパワー出来ない気持を分離(Split)し、逆にエンパワーされる心身状態が喚起されるようなリンキング(Linking)[1]をほどこして必要な時にそれを使えるようにする支援をしているというのがニュアンス的に正しいと思います。 

もっともこのあたりはミルトン・エリクソンの言語パターンなどに関係してきますが、これを書いていると長くなるので別の機会に書くことにしようと思います。


それにしても、MRIのベイトソン・グループがやっていた心理療法、TOC(Theory of Constraints)、それから禅のプロセスというのは物凄く似ていますね。 もっとも、ベイトソン・グループは禅を一つの方法論として研究していたわけですし[2]、TOC は日本の製造業の「すり合わせ」のモデリングだから似てくるのは当たり前かもしれませんが。

文献

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