2011年10月19日水曜日

すべてのクライアント、課題はユニークである

今日は、心理療法家のミルトン・エリクソンの考え方というようなことについて少し書いておきましょう。

エリクソンの金言

 個人的には心理学大学院を修了したわけではないですし、当然医師でもないので心理療法ということは一切やっていないのですが、ビジネス上のコンサルティングやプロジェクト・マネジメント、はたまた日常生活の色々な場面でも、ある意味「老子」のような達観した視点から述べられたミルトン・エリクソンの金言が役に立つことが多いと感じています。

 それで、現在エリクソン財団の理事を努められている、ルックスはインテリジェントなシルベスター・スタローンという感じのジェフリー・ザイク博士の著作を読むと以下のような記述が見つかります。[1]


One of the basic tenets of Milton Erickson is that every client is a unique individual who requires a unique therapeutic treatment. Conversely, this tenet applies to every therapist, too.


要は、エリクソンの信奉する主義の一つが、全てのクライアントが一人ひとりユニークで個性的な存在で、それぞれに合致したこれまたユニークで個別の治療的処置が必要であること。そしてこれはセラピストにも当てはまり、同様に一人ひとりがユニークな個性を持った存在であるということ、です。

これは、client の部分に「課題、問題」を追加して、Therapistの部分を「コンサルタント、コーチ、ファシリテーター」に変えてもそっくりそのまま当てはまる話だと個人的には、考えています。

日本でやっているコーチングって大丈夫?

 それで、ビジネス系のコンサルタントの立場からすると、クライアントの個性を受け止め、クライアントの話を精聴き、課題が起きているコンテクストを見極め、個別の解決策を提案することはある意味当然の掟というぐらい非常に重要なことです。

それで、今日言いたかったのは日本のコーチングで行われているタイプ分けという概念。

わたしはコーチングのコンテクストにマス・マーケティングの手法を持ち込んで、元も個性的であるクライントを捕まえて、科学的根拠からも首をかしげざるを得ない色眼鏡でもって、十把一からげで分類するとどうしても怒りが湧いてくるわけです。

この場合、短期・戦略療法的な考え方からすると、クライアントは世界で唯一の存在ではなく何とかタイプとレッテルが貼られ、コーチはそのタイプ別に対処することで効果的かどうかは分らないけれど、見てくれとしては格好のつく出来合いの解決策を提案できる、という風にしか読めてこないわけです。

 もっとも、余談ですが、短期・戦略療法のやり方だと、クライアントは世界でその人一人だけの存在で、ライアントの課題も基本的には個別の対処が必要だろうという仮定があり、個性も後天的な部分は認識に還元できると考えられているため、

 その課題は、

l       クライアントの認識
l       クライアントの置かれた状況、コンテクスト
l       相手が居る場合はその相手の認識
l       その他

といった関係性の中で起きている。 従って、課題を無効なものとするには、クライアントの話を精聴して、クライアントの同意の元に、クライアント自身の認識を変えるとか、置かれた状況を変えるとか、それこそ、コーチやクライアントとの関係性の中で色々なやり方が考えられるわけで、

そもそも、クライアントをタイプ分けすることは認識の変化を縛って変化を起こり難くしていますよね。という具合にしか読めなくなってくるわけです。

何れにしても、仕事の場面でも日常生活の場面でも、仮にありがちな格好をして、他人の受け売りのような言葉を話していて、自分からすると嫌なヤツだったとしても、実害が無い限り、まずは、その人は世界に一人しかいないのだ、という考え方は重要なのだろうなと思っているわけです。

文献

[1] http://books.google.co.jp/books?id=HHiZ5sxeL4QC&pg=PA459&lpg=PA459&dq=every++client+unique+milton+erickson&source=bl&ots=5f7Qhwviyp&sig=BrbVxsATOmX5L8qaVMT8Lh_DeFI&hl=ja&ei=DxWeTpKrBdCUmQXQhO2pCQ&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=2&ved=0CCoQ6AEwAQ#v=onepage&q=every%20%20client%20unique%20milton%20erickson&f=false

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