2011年10月25日火曜日

ブリーフ・コーチング入門



うまくいっているのなら、変えようとするな。
もし一度やって、うまくいったのなら、またそれをせよ。
もしうまくいっていないのであれば、違うことをせよ。

ソリューション・フォーカスト・アプローチの哲学


今日は、ソリューション・フォーカスト・アプローチをベースにしたブリーフ・コーチングについて少し書いておきましょう。 

ミルウォーキー派のブリーフ・セラピーより派生

元々、パロアルトにあるMRIから派生したブリーフ・セラピー、ご当地の名前から言えば、パロアルト派になるわけですが、タンポポの種が風で飛ばされて別の地に根を張り花を咲かすように、ワシントン派(ジェイ・ヘイリー)、ミルウォーキー派(スディーブ・ド・シェザー)などに分派します。 
 この様子については、MRIに在籍しウォツラウィックと研究していたことのあるジョルジュオ・ナルドネの論文を引用して以下で説明した通りです。

http://ori-japan.blogspot.com/2011/10/mri.html

 それで、今日ご紹介するのは、ミルウォーキー派の心理療法家でソリューション・フォーカスト・アプローチを創始したことでも知られる、インスー・キム・バーグの書いた著作である「ブリーフ・コーチング」です。[1]


  
 本書は、以下で書いたブリーフ・セラピーの戦略にも従いつつ、

ミラノ派がベイトソンの理論を演繹的に適用していくのとは反対のアプローチを取り、ミルウォーキー派は、現場から帰納的に効果のある手法を積み上げていく形式になりますが、これで確立されたアプローチをコーチングに適用した場合の手法について書かれています。

個人的には、ミルウォーキー派はあまり押さえていなかったところがあるのですが、特に、クライアントとの対話を通して行う

(1)   問題から解決に焦点を向ける話法
(2)   固定化された認識をプロセスに戻す話法
(3)   状態、感情をスケーリングで表す話法
(4)   関係性に目を向けて、資源・資質、つまりリソースを探す話法
(5)   その他

 と非常に基本に忠実で、シンプルな形式にまとめられており、非常に気にいった著作です。もっとも、個人的にはこの質問形式をリバース・エンジニアリングしてMRIに在籍したベイトソンやポール・ウォツラウィックのコミュニュケーションの理論と関連させて読んでいたわけですが、この対応が綺麗にマッピング出来るのも本書の魅力なのでしょう。

 http://ori-japan.blogspot.com/2011/08/blog-post_08.html

 余談ですが、表紙の帯に「産業カウンセラーうってつけの本」と書かれていたわけですが、確かに、ある程度学術的な勉強をした人は、ヘンテコな先生から自己啓発をベースにしたコーチングを学ぶより、こういった学術的な裏付けのあるブリーフ・セラピー・ベースのコーチングを学んだほうが良いのだろうなと思った次第です。

 もっとも、ブリーフ・コーチングと技法的には遜色が無いと思っていて、個人的に活用して重宝している、ディルツ&ギリガンのジェネラティブ・コーチングになるとディルツが上手くギリガンの自己間関係理論( Self-Relations)の概念を取り込んでいるので、ギリガン側から眺めると、パロアルト派直系に見えるような体裁になっているところが面白いところだと思います。
話を元に戻して、「ブリーフ・コーチング」、この小煩い私のような人間からして掛け値なしの良書なので、強く推薦したいと思います。

文献
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