2011年10月31日月曜日

ダブル・バインドの言語パターン(その1)



未来に向けて行動を起こすことを考えた場合、それをどのように行えば良いのか? 現在持っている認識や思考から選択肢をつくって、どれかを選んだ後に行動に落としたほうが、よりスムーズに第一歩を踏み出せることが多い。

独り言


今日は、「ダブル・バインドの言語パターン(その1)」というタイトルで少し書いておきましょう。

ダブル・バインドの良いところ

「ダブル・バインド(二重拘束)」と言えば、グレゴリー・ベイトソンが統合失調症の原因として体系化した仮説であることは以下で書いたわけですが、


(追記、最近読んだ東北大学の若島先生の本[タイトルはなんだっけなぁ]には、家族療法、短期療法で、ダブル・バインドが統合失調症の原因という説は死んでいるというのが書いてあったので、ちょっと論文を探してみようと思ったところ。それでも、エリクソンの Therapeutic Double Bind のほうの技法は生きているということなので、こちらは O.K.そうですねぇ。) 


この仮説の発見にあたっては心理療法家のミルトン・エリクソンが大きな貢献を行なっています。[1]

 それで、個人的な理解は、ミルトン・エリクソンが実践した内容をベイトソンが理論化したということになるわけですが、

 エリクソンは、英語で「Therapeutic Double Bind」(治療的ダブル・バインド)と言われるように、クライアントが現在陥っている「ダブル・バインド」を解くためにあえて言語を使って別の「ダブル・バインド」をぶつける、つまり極端な言い方をすれば、「毒をもって毒を制す」というような手法を活用していたことが知られています。

ダブル・バインドの言語パターン

もちろん、最初にクライアントがどのようなダブル・バインドの状態にあるのか?現状を正確に把握し、そのダブル・バインドをどのように解くのかという方針を決めてまるで数学の問題でも解くように、一見曖昧に見える言語パターンを使って、非常に精緻に解いていくわけですが、

この時用いた約8種類のダブル・バインドの言語パターンが抽出されています。[2]

それでこの言語パターンはその他を含む以下の8つのパターンからなります。


1. Simple Bind
2. The Time Double Bind
3. The Conscious-Unconscious Double Bind
4. The Double-Dissociation Double Bind
5. The Reverse Set Double Bind
6. The Non Sequitur Double Bind
7. Illusion of
 Choice and All Possibilities 
8.
 その他 


まず、今日は「Simple Bind」について説明しておくことにします。

厳密に言うと、この言語パターンはダブル・バインドではなく単に、将来のある時点を想定してもらって「ABを選ぶとするとどちらですか?」というように基本的には Either orの2択や場合によっては3択の、ある意味、認識の中にだけしか存在しない「虚偽の選択肢」をを相手に示唆し、相手の自分で選択した感を演出するために活用されることになります。

 日本語で表現すると、「ご飯にしますか? それともお風呂にしますか?」のように相手に直接命令しない形式で行動を促すパターンと言って良いでしょう。 

 これは、別に心理療法だけではなく、例えば、上司が部下に行動を起こしてもらうために「この製品の提案を行うとすると、A社とB社とではどちらが売り込みやすいと思う?」というような質問をぶつけてみることができます。

 もちろん、ここで「A社です。」という答えが返ってきた時はA社のアカウントプランを具体化していけば良いわけですし、「A社もB社も両方、難しいです。」とか「A社もB社もどちらも興味が無いと思いますよ。」というような答えが返ってきた場合はもっと根本的な原因があって困っていることが考えられます。

 それで、将来に何か行動を起こそうとすると、現在、認識の中での決断が必要になるわけですが、「Simple Bind」は相手の自分で選択した感を演出しながら、具体的にどういう行動を起こしたら良いかに焦点を移し、その相手の決断を引き出す言語パターンと言っても良いでしょう。

文献
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