2011年10月14日金曜日

話の聴き方(その2)

前の記事の続きで、人の話しを聴くプロセスについて少し書いておきます。

 この記事も前の記事同様、あまりまとまっていないので後で追記したり、構成を変えたりするかもしれないので予めお断りしておきます。

メタ・モデルで聴く、読む

今日は、中学とか高校の時の現代国語ではないのですが、以下のような例を使って、メタ・モデルで聴く、読むといったことを想定しましょう。

この状況設定ですが、会社の同僚の経験を会社のお昼ごはんを食べていた時にこの同僚の話を聞いているというような設定にしています。

元ネタは、中央公論「詭弁論理学」[1]に書いてあった内容に自分アレンジを加えています。

<あなたが、同僚とお昼ごはんを食べていて>

「うちの家族は、マンションの二階に住んでいるんだけれど、その上の三階のうちのちょうど真上に、夫婦と子供一人が住んでいるんだよ。」

「ふぅーん」

「それで、夜中にそこの子供がドタバタ足あとを立てて騒ぎ始めるんだけれど、これがうるさくて眠れないことが多いんだなぁ。」

「それはそれは。」

「それで、うちのカミさんが、この前、そこの家族のところに出向いて、夜中にもう少し静かにしてくれないか、とお願いにいったら、さぁ、そこの奥さんが、子供を叱って子供がぐれたらどうしてくれるの、あなた責任を取ってくるのって、逆切れされたらしいんだ。」

「あぁ、はやりのモンスター何とかってやつか、ほんと世の中どうしちまったものだかなぁ。」

「それでこの前、会社から帰って、僕がその話を聞かされて何だか無茶苦茶だな・・・と思いながらもどうしたものかとカミさんと相談しているところなんだよなぁ」。

「会社も今忙しい時期だし、なんだかんだで大変だなぁ。」


斉藤孝氏の「三色ボールペン情報活用術」ではないですが、まず、相手の話に対して次のことを行いましょう。

l       事実と推論/解釈を分離する

ここでは、一例をあげると、「うちの家族は、マンションの二階に住んでいるんだけれど、その上の三階のうちのちょうど真上に、夫婦と子供一人が住んでいるんだよ。」というのが事実にあたります。

l       推論/解釈の中からメタ・モデルに当てはまる表現を聞き分ける

次に、推論/解釈の中から昨日お話したメタ・モデルに当てはまる表現を探してみましょう。ここに信念、価値観、思い込み、などが隠されています。

例えば、

同僚:「うるさいから→眠れない」(認識の中の因果関係) 「うるさい」比較対象の省略。
先方の奥さん「静かにさせるためには→子供を叱る必要がある」(認識の中の因果関係) 「静か」比較対象の省略。 「子供を叱ると→こどもがぐれる」(認識の中の因果関係)


まず、あなたは、同僚に「うるさい」というのはどれくらいなの? という具合に確認するかもしれません。


うるさいから→眠れないというのは、同僚の認識の中にだけある因果関係なので、因果関係とはいったものの実は別の原因が存在するかもしれません。

それで、先方の奥さんの言動に焦点を移すと、これから推測できるのは、子供に言うことを聞かせるためには叱るしかない、つまりそれ以外の良い選択肢が思いつかないで困っているかも? また、それで叱るとぐれると考えているために、多少のやんちゃは多めにみているというようなジレンマから仕方なく、自由放任で遊ばせているのではないか? つまり先方も実は子育てで困っているのではないか?というような、メンタル・モデルのより深いところが読めてきます。


追記:ここではある人が実際の出来事にどう反応しているのか? そのように反応するということは世界をどのようなプロセスで解釈しているのか? どのような枠組みで見ているのか? という現在もっている認知のプロセスが重要であり、認識の中にだけある因果関係などの関係性を変えることが出来れば認識や行動に変化が起こるというのが短期・戦略療法をベースとしたコーチングやファシリテーションの考え方です。逆にいうと精神分析のようにその反応を身につけたのは子供の頃のトラウマが原因で、というような原因分析をすることは逆にその時の状態を強化することに繋がるので有害だという考え方に基づいています。

もっとも、あなたが同僚の相談に乗ってあげるとすると、あるいは、解決策を一緒にブレーン・ストーミングで探すといったことを行うとすると、もう少し色々な情報が必要なのだと思います。

それでも、ほんの少し話を聞いただけでも、どこにボトルネックがあるのか? どこにジレンマ、やダブル・バインドがあるのか? どこが解決のレバレッジ・ポイントになるのか? 仕事から日常生活の課題に適用でき、慣れてくるとほんの少しの話を聴いただけで、ある程度当たりがつくというのがこの「精聴」というプロセスの凄いところでもあるわけです。


 短期・戦略療法などだとシステム全体の構造やパターンを見てパラドクス介入をやったりするので、このレベルまで必要だと思いますが、結構システム思考的な視点が要求されるので、一般的には、コーチやセラピスト向けというよりも戦略系やビジネス系のコンサルタントに向いているかなぁと個人的には思っています。

それで、余談ですが、中学生や高校生がこの読み方や聴き方を身につけると国語力や英語力が飛躍的に向上するのではないかと考えています。

また、ここでいわゆるラポールを取ることが必要と主張する方がいらっしゃるかもしれませんが、相手の、高次のマインドのレベルにある、自分の信念や価値観といったをきちんと聴いてそこに共感するからこそ自然、ラポールが取れてくるのであって、大人の世界では単に猿真似のようなミラーリングや、言葉尻だけを捉えたバックドラッキングは逆に違和感があるということは考えておいたほうが良いと思います。 

文献

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