2011年10月13日木曜日

ブリーフ・セラピー ― MRIからの分派

今日のお題は、「ブリーフ・セラピー ― MRIからの分派」という題で少し書いておきましょう。

個人的には別に心理療法をやっているわけではないのですが、プロジェクト・マネジメントにしても問題解決のファシリテーションにしても物理的な現象と人の認識が相互作用しておきていることがあまりにも多いため、ここに認識論的ブリーフ・セラピー(短期・戦略療法)の考え方を適用してマネジメントや問題解決にあたっているという具合です。
 
米国内の短期・戦略療法の流れは基本的に3流派
 
元々、グレゴリー・ベイトソン、ポール・ウォツラィック、ドン・ジャクソン、ジョン・ウィークランド、リチャード・フィッシュらによってパロアルトで始められた短期・戦略療法ですが、
 この手法がタンポポの種のように風にのって各地へ広がって後に花を咲かせることになります。
それで、誰が誰の演奏スタイルに影響を与えた・・・ではないのですが、ベイトソンらパロアルト・グループの理論を最も忠実に再現しているとされるミラノ派の拠点、アルファロメオのホームタウンにしてミラノ・コレクションの発信地であるミラノを中心に活動する、ジョルジュオ・ナルドネ[1]の解説した短期・戦略療法の流れを解説したエッセーにこのタンポポの種が広がっていく様子が描かれているので非常に面白いと思います。(ちなみにナルドネはウォツラウィックの弟子という位置づけなのでパロアルト派)。

http://www.terapiabreve.it/journal%20english%201/Articoli_Inglese/nardone.pdf   

  このエッセーにあるチャートを参照すると、催眠療法家のミルトン・エリクソンのエッセンスを形式知として取り出そうと多くの研究者の試みが示されているわけですが、ベイトソンらが始めたパロアルト・モデルが、ミルウォーキーへと伝播しSFA(Solution Focused Approach)の元ともなったミルウォーキー・モデル[2]、MRIで研究を行ったジェー・ヘイリーがワシントンで確立したワシントン・モデル[3]と、その研究者が研究を行ったご当地の名前が付けられたご当地モデルとして解説されているところが面白いところなのでしょう。 
このほかにもヨーロッパで花開いた、ミラノ派、ハンブルグ派などのブリーフ・セラピーがあります。 このドキュメントには出ていませんが、日本だと成瀬悟策先生ら[4]が日本でいち早くこのモデルを取り入れた人たちということになると思います。

 それで、この系統図からすると1990年あたりから、それぞれのモデルが良い意味で統合されていくわけですが、エリクソン財団の重鎮であるジェフリー・ザイク、スティーブン・ギリガンあたりの名前がパロアルト・モデルの直系として系統図の真ん中に位置しているのが面白いところなのでしょう。 

 そんなわけで、短期・戦略療法の考え方をコーチングに応用した、私も使っているギリガン&ディルツのジェネラティブ・コーチングは系統から見るとベイトソンやウォツラィックから始まるパロアルト・モデル直系の進化系ということになるわけですが、やたら表層の形式知以外にこの方法論が持つ暗黙知の奥深さを感じているという今日この頃だというわけです。

 それで余談ですが、エリクソン財団の後援で行われる2012年のブリーフ・セラピー・カンファレンスはサンフランシスコで開催の予定ですのでご興味のある方はどうぞ。
文献
[4] http://ja.wikipedia.org/wiki/成瀬悟策

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