2011年12月10日土曜日

物語で認識を変化させるには?



良い物語は人の認識を変化させ、制限となっている認識から人を解き放つ

独り言


今日は、「物語で認識を変化させるには?」と題して少し書いておきましょう。

メタ・レベルの認識に働きかけるナラティブ(物語)
  
 以下のリンクに、どちらかというと家族療法のカテゴリーに入ると思われるキャロル・スラスキーの書いたエッセーがありますが、ここで書かれている家族療法に用いるナラティブ(物語)のつくり方にある背景が非常によくまとまっているので、これについて少し書いておきましょう。 

http://digilib.gmu.edu:8080/xmlui/bitstream/1920/510/2/sluzki_1992_transformations.pdf
  

 家族療法と言えば、その一つの拠点はサティアの所属していたMRIということになるのでしょうが、(もちろんアッカーマン研究所を無視しているわけではありせん 笑)、ここでベイトソン・グループが行なった研究は基本的に認識論(Epistemology)をベースとしています。

 そのため、当該コンテクストで何か問題が発生している場合、根本的な原因の一つとして、コンテクストと、そこに存在する登場人物の「認識の歪」が相互作用して起こる何等かの関係性において問題が起きている・・・と考えることになります。

認識の枠組みをシフトするためにナラティブを使う
 
 それで、これらの問題を解決するためには、根本原因である「認識の枠組み」「認識の歪」を変化のレバレッジ・ポイントとして調整し、「認識の歪」が原因として起こっている何らかの関係性をシフトすることになります。 

 認識論的には、ベイトソンの言う「マインドの理論」において意識-無意識の関係性、つまりエコロジーを十分考慮しながら、高次の認識の枠組みに働きかけることの出来る道具がナラティブやメタファーというわけです。  

 それで、この高次の認識を調整するために、あくまでも仮説としてですが「どのような次元があるのか?そして調整可能などのようなパラメータがあるか?」という疑問が沸き起こることになります。

もっとも、人は負のエントロピーを食べて好き勝手に考え、そして好き勝手に振る舞うということを前提としているため、人のマインドを定式化することは難しいのですが、このエッセーの最後のほうを読むと、 1) Time 2) Space 3)Causality 4) Interaction 5)Values 6) The telling 6つの次元とそれに関連するパラメータが仮説として取り出されているのが面白いところなのでしょう。

つまりある人が現状持っている認識に対して、物語を使って例えば、時間や空間に対する認識の方法を変化させればその人の認識が変化するかもね・・・そして、その認識に起因している問題も解決するかもね・・・という具合です。

 もちろん、これは仮説であり、モデルでしかないわけですが、認識を変化させるレバレッジ・ポイントを観察によって特定して、そして介入してみましょうという認知言語学(カテゴリー化、プロトタイプ、イメージ・スキーマなど)や認知科学の話になってくるので個人的には非常に面白いなと考えているわけです。
 
認識の枠組みや認知の歪についての情報を収集するのがポイント
 
もっとも、コーチングなどのコンテクストでは、クライアントさんの話を聴きながら、より高次、つまりメタな部分における問題の原因となる「認知の歪」がどこにあるのを聴きとって「認知の歪」についてのあたりを付けるのがスキルということになってくると思います。

もっとも、これについて以下のリンクでも書いたように


メタ・モデルのフィルターを立てて「メタ・モデル違反」を手がかりにして、ラポールを切らないようにして、メッセージとメタメッセージをよく観察しながら質問していけば、比較的簡単ですよね・・・ということになってくると思います。 

何れにせよ、人の認識を変化させるための物語の書き方というのは何らかの法則があることが分かってきます。
   
文献
N/A
記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com


0 件のコメント:

コメントを投稿