2011年12月12日月曜日

戦略とは何か?(その2)



戦略を考える時に、ゴルフを考えると分かりやすいのだけれども、カップをゴールにして、途中にバンカーとか海超えとか、どんな障害があろうが一打、一打、ボールをカップに近づけていくことが戦略思考そのものなのだよなぁ。

独り言


今日は、「戦略とは何か?(その2)」と題して少し書いておきましょう。

望ましい状態に近づいていっているのか?をどう知るのか?

昨日、「戦略(Strategy)」についての話をしたわけですが、戦略が成立するための隠れた前提を考えると1) 目的が存在する 2) 現状が分かっている、3)目的が達成された望ましい状態が分かっている、ということになっていました。

それで、基本的にはある程度抽象度の高い話になるわけですが、現状と望ましい状態とのギャップを埋める道筋を描くことが戦略であるということになります。


もっとも、ここでは企業経営などで用いる大掛かりなものではなく、短期・戦略療法をベースにした比較的規模の小さな、個人や少人数を対象にしたコーチングのコンテクストで、現状と望ましい状態を埋めるための戦略というようなニュアンスで話を進めることにします。

まず、個人的に非常に面白いと思うのは、一旦ゴールやターゲットとなる場所や状態が設定されると、主体がどれだけゴールに近づいて行っているのかを知るためにネガティブ・フィードバック[2]が活用できるということでしょう。

ネガティブ・フィードバックとは、元々サイバネティックス[1]の言葉で、安定を目的に主に機械などの状態制御で用いられている方法で、設定された目標や状態からどれだけ外れているのか?を測り、そして、この情報をフィードバックすることで目標から外れないように現状の状態制御を行う方法です。


 例えば、民間航空機の制御を考えると、目的地までの向き、距離、速度、高度が計器により定量的に把握されているわけですが、ある範囲から外れると、これを元に戻しなさいという制御、例えば、高度が予定より下がると高度を上げなさい、高度が予定より上げると高度を下げなさいという制御が行われることになります。

このネガティブ・フィードバックについての余談ですが、心理学では、相手にとって都合の悪い情報を返すこととサイバネティックスとは多少ニュアンスの異なる意味で使われていることがありますが、ここではあくまでも目的を達成するために、標準とする状態からどれだけ外れているのか事実に基づいた情報を返すという意味で使っています。

人の認識に対してネガティブ・フィードバックをどのように実装するのか?

人は負のエントロピーを食べて好き勝手に考え、そして好き勝手に振る舞う生き物です。
 また、構成主義的な考え方からすると、認知、つまり思考と行動に間には明確な因果関係は存在しないということがありました。したがって、認知-行動をつなぐ決定的なモデルは存在していないわけですが、それでもあえて、人の認知-行動に認知科学者であるミラー、グランター、プリブラムの提唱した T.O.T.E.[3]モデルを人の認知-行動に適用してモデル化したのが以下になります。


ここでは、私達自身が認知機械(Cognitive Machine)のようになっている感じがしないでもないのですが、まずは戦略思考のお約束である、現状と望ましい状態を把握して、このギャップをどう埋めていくのか?考えることになります。

それでこのギャップを埋めるために認識主体で回すアルゴリズムが以下となります。基本的には目標、もしくは中間目標を定め、その目標にロックインした形式で、その目標を達成するために比較的自由度を持って手段を行使することになります。


この図では、認識主体が外的に存在するステレオの音を知覚、認識しています。 それで、自身の知覚、認知を拠り所に、心地の良い音量をゴールとしてボリュームを調整するという行動を起こすことになります。

ここでは、認識主体の認知-行動が、ネガティブ・フィードバックを基調として、知覚のインプットをセンサー、行動アウトプットとして実装されています。 
 
これを一歩進めて、このモデルがコーチングに活用出来るように質問に還元すると以下のようになります。[4]



ここまで書いたところの注意点ですが、人は航空機などの機械と異なり、ゴールを決めてもそこまで直線的に到達するわけではないと思います。

 つまり、ゴルフのメタファーで言うと途中にバンカーあり、草むらあり、海超えあり、OBありと数々の障害が用意されており、あくまでもピンを目標にしてこれらの障害を克服しながら進む必要があるということになってくるでしょう。


 それで、ゴルフを行なっている時の人の認知-行動をネストしたT.O.T.E.で表現すると以下のようになると思いますが、あくまでもピンをターゲットとしてロックオン少しでもピンに近づくように知覚を働かせて、行動していくこと自体が「戦略思考」であるというように思ってくるわけです。
 それで、このT.O.T.E.モデルは時系列的に現在→未来を向いている時に活用することになるわけですから、基本的にはFRTもしくはTTを使う場合に活用出来ると考えています。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/11/toc.html


 また、余談ですが、この戦略自体を実行したくなるモチベーションを持っている必要があるということが前提にあるわけですが、これについてはまた別の機会に書こうと考えています。
   
文献


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