2011年12月15日木曜日

ゴール設定のガイドライン(その1)



ゴール設定について、ソリューション・フォーカスのガイドラインを使うとします。 そうすると、ゴールは、「何かを終わらせる」ではなく「何かを始める」形式で表す、となるわけですが、ここに何か深い意味があるような気がするわけです。

独り言


今日は、「ゴール設定のガイドライン」と題して少し書いておきましょう。

ウェル・フォームド・ゴール

季節柄、今年も後2週間というところになっています。

この季節は、今年、計画して上手くいったこと、また逆に達成できなかった反省などを踏まえ、新しい年に向けて達成したいゴールを設定するのに適した季節でもあると思います。

余談ですがオックスフォード英英辞典で「Goal」を引くと以下のように定義されています。[1]


2 the object of a persons ambition or effort; an aim or desired result:

 人の野心や努力の目標となるもの:目的もしくは望ましい結果。


また、戦略思考というところで書いていますが、


目的(ねらい)や意図、もしくはゴールを設定し、現状とその間のギャップを埋める道筋を考えることが戦略であるということを示しました。

これからすると、新しい年を迎え、この1年で達成したいことについて考えると、現状をきちんと把握する、ゴールを設定する、そのギャップを埋める道筋を考える、というプロセスでシミュレーションしてみることが非常に重要なことのように思えてきます。

ここで、『2013年の大晦日に何が達成されていれば満足な1年だったと言えるのか?』という質問の答えになる具体的なコンテンツについて考えるために、「ゴール設定をどのように行うと良いのか?」また「ガイドラインがあるとしたらそれは何か?」というようなゴール設定についてのプロセスを回すためのヒントについて少し書いておこうと思います。

個人的には、このヒントの一つがソリューション・フォーカスの「ウェルフォームド・ゴール(Well-formed Goals)であると考えていて、「Brief therapy: myths , methods, and metaphors[2]を参照するとゴール設定について以下のガイドラインが示されています。


1.     They are small rather than large.
2.     They are salient to the client.
3.     They are described in specific , concrete behavioral terms.
4.     They are realistically achievable.
5.     They are perceived as difficult , involving hard work.
6.     They are described as the start of something. NOT the end of something.

1.     ゴールは大きいより小さく。
2.     ゴールは、クライアントからみて際立っていることを。
3.     ゴールは、詳細に具体的な行動として表す。
4.     ゴールは、現実的に達成可能なものを。
5.     ゴールは、困難で努力を伴うと分かっていることを。
6.     ゴールは、「何かを終わらせる」ではなく「何かを始める」形式で表す。


例えば、1.についてはプロジェクト・マネジメントの重要な項目として成果物のスコープ・マネジメントが存在するように、設定されるゴールについて「何をどこまでやるのか?」の答えになるスコープについて、あまり大風呂敷を広げないことの重要性がうたわれているように思ってきます。

2.については、ゴール設定を行なってまでやりたいことでしょうから普段やっていることとは異なる「際立った」ことを設定する必要があるということでしょう。

3.については、ゴールを達成するために具体的に何をするのか?というタスクに落ちていなければならないことが示されています。

4.5.については、現実的に達成可能である、けれども、努力や困難を伴う必要があるということになるでしょう。

これについて「Flow theoryits application to coaching psychology[3]を参照すると、このゴール設定が上手く行くと時間を忘れて一心不乱に物事に取り組む事のできるミハイ・チクセントミハイの提唱している「フロー状態」でゴールを目指したタスクに取り組めることが示されています。

最後の 6.になりますが、「何かを終わらせる」とういう形式ではなく、「何かを始める」という形式で設定するというのは、新しい行動を起こすという意味では非常に重要なことのように思えてきます。 

例えば、このガイドラインに即した形式で「今年はタバコを止める」というような目標をつくるとすると、「今年はタバコを止める」という表現は適切ではなく、タバコを吸っていることにより満たされている、マインドの上位の論理階型に存在する意図や目的を見つけ、そしてこの意図を満たす別の何かを探し、これを始めるということを行わなくてはならなくなります。

また、このゴール設定を応用した例として少年法に抵触した未成年を弁護するために被告となる少年にどのようにインタビューを行えば良いのかに書かれたエッセー[4]が見つかるわけですが、自分の深層にあることを表現することが苦手な青少年からも効果的に情報を引き出しためにこのガイドラインが使われていることを考えると、ある意味、よく出来たガイドラインだということが言えると思います。

追記:参考文献[5]にゴール設定のガイドラインとして「ゴールは複数かつ多様性を持って設定する」というのが書かれていたわけですが、理屈は以下で書いた複雑系の話になってくると思います。
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/9.html

つづく

文献
[4]http://ualr.edu/dysmentoring/uploads/2009/06/Solution%20Focused%20Interviewing%20A%20Strength%20Based%20Method%20For%20Juvenile%20Justice.pdf
[5]http://donpugh.dyndns.org/Psych%20Interests/counselling/brief%20therapy/Introduction%20to%20brief%20therapy.pdf


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿