2011年12月18日日曜日

コーチングのフィードバックについて



フィードバックは基本的に相手に事実を返すものだけれども、それよりどんな意図や目的でフィードバックを行うのかというのがそれ以上に大切だなぁと思っているわけです。

独り言


今日は、「コーチングのフィードバックについて」と題して少し書いておきましょう。

そもそもフィードバックって?

日常生活や仕事の場面での人と人との対話でも相手に何かの情報を返すという意味でフィードバックという言葉が用いられています。

上司から同僚からフィードバックを受ける、あるいは業績の査定として360° フィードバックと称して主だった関係各所からフィードバックを受けることを課している会社まであったりするわけです。

それにしてもここで疑問に思うのは「そもそもフィードバックって何?」ということになるわけです。

フィードバックを行なっているからには、そこに何らかの意図や目的があるわけでしょうし、多少主観的になるのかもしれませんが、「良いフィードバック」を行うためのやり方があるとしたらそれはどんなやり方なのだろう?と疑問に思うのは世の常というわけです。

フィードバックについて考える

元々フィードバック[1]というのはサイバネティックスに由来する言葉ですが、本来の意味は、「ある系の出力(結果)を入力(原因)側に戻す操作のこと。」と定義されています。

もう少し分かりやすく考えてみましょう。例えば、操縦士が飛行機を操縦して空を飛んでいる時のことを考えます。 

1.      操縦士が、エンジンの出力を絞るとします(原因)。
2.      速度計を見ると飛行機の速度が低下しています(結果)。
3.      ある速度より低下すると、飛行機は失速して墜落してしまう怖れがあります。
4.      そのため、基準になる速度より遅くなった場合、操縦士は再びエンジンの出力を上げます(原因)。
5.      その結果、速度が増加し基準の範囲に戻ります(結果)。
6.      そのままにしておくと、また速度が基準より早くなります。1.の操作に戻ります。

というようなことになります。もっとも、ここでは第一世代のサイバネティックスのように機械制御の話をしていますし、基本的には、事実に基づいた定量的な情報を使い、基準から外れているので基準に収束するように操作しなさいというようなネガティブ・フィードバックになっています。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/12/blog-post_12.html


コーチングのフィードバックについて考える

それで、コーチングのコンテクストにおいてのフィードバックということについて少し考えてみましょう。以下のリンクでも書いたわけですが、


http://ori-japan.blogspot.com/2011/10/blog-post_18.html

人間は機械のように杓子定規に情報を受取り、杓子定規に反応するわけではありません。当然、気持ちや情といったものがありますから、あまり仲良くない人から事実に基づいたフィードバックをもらっても、困惑するということが起こることになります。

細かい話をすると、ここでサイバネティックスの考え方を生物に適用した第2次サイバネティックス[2]の話になってきますが、ここではこれだけに留めておきます。

そこで、コーチングに限らず、仕事や日常生活の場面でも相手とまずはラポール[3]を築くということが重要になってきます、もっともここではラポールのとり方についてはくどくど書くことはしません。

それで、最も重要な、相手にフィードバックを行う目的や意図ですが、個人的にはベイトソンから始まるブリーフ・セラピーの原則から考えて以下のように考えています。


l       地図とそれが示す領土の区別をつけてもらう

つまり、クライアントさんが知覚、認識している客観的な事実とそれに対する主観的な解釈や意味の区別をつけてもらう意図を持ってフィードバックを行うという具合です。


 もっとも、その事実がどのようなプロセスで起きているのかというように固定化されたものを流動化して見ることが出来る支援も必要なのでしょうが、まずは地図と領土の区別をつけてもらうということが重要だというわけです。


 また、このプロセスでクライアントが見たくない事実に直面する可能性も大いにありますから、コーチとクライアントの間でラポールを維持しながら、ここに目を向けてもらう努力も大切だと思います。


それで、このあたりのプロセスは以下を参考にしてみてください。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/10/blog-post_14.html

l       客観的事実に対する、主観的な解釈や意味の再結合

次に、クライアントさんが冷徹に客観的事実を把握することが出来た後に、それについての新しい解釈、あるいは意味をつくっていくための補助線としてのフィードバックを行なっていくことになります。 

ここでは必ずしも事実に即したフィードバックとならない可能性がありますが、基本的にはクライアントが新しい解釈や意味を見つけるプロセスを保持するように務めることになるでしょう。

基本的には、ここで見出す新しい意味や解釈はクライアントをエンパワーするようなものであることが望ましいと思います。

また、ベイトソンのマインドの理論からすると、この意味や解釈について、マインドの論理階型のより上位にあるもののほうが、インパクトが強いということになります。


それで、個人的には、フィードバックは、上の2つの項目の目的を達成する手段でしかないので、スタイルとしては社会常識を逸脱するもので無ければ色々のスタイルがあっても良いのではないかと考えているわけです。


 もっとも余談ですが、上のガイドラインはあくまでも相手の自律性とか自発性を最大限引き出して、それを活かそうという大前提があるので、相手に命令してやろうとか、相手に言うことを聞かせてやろうと思うときっと上手くいきませんねぇ。(笑)

文献

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