2011年12月9日金曜日

詭弁を明らかにする質問力(その2 version 0.9)



Seeing is Believing.

百聞は一見にしかず。


今日は、「詭弁を明らかにする質問力(その2 version 0.9 )」と題して少し書いておきましょう。

昨日の続き

 今日は昨日の続きで、インターネットでは有名な「詭弁のガイドライン」に対してメタ・モデル他を使ってそれを明らかにする例を示しておきましょう。

 
例:「犬ははたして哺乳類か」という議論をしている場合  

あなたが「犬は哺乳類としての条件を満たしている」と言ったのに対して否定論者が
11.レッテル貼りをする
 

例文
 「犬が哺乳類だなんて過去の概念にしがみつく右翼はイタイね」
質問例(あくまでも一例)
「過去の概念にしがみつくことが、どのようにして右翼になるのでしょうか?」( Meta-Model Nominalization への対処、あるいは Complex Equivalence への対処。
解説
レッテル貼りは、動的出来事にラベリングを行なって静的な状態に固める名詞化。 基本的な方針は「右翼」についての名詞化を解く方向、もしくは、過去の概念にしがみつく=右翼の Complex Equivalence を解く方向。
 
12.決着した話について経緯を無視して蒸し返す
 
例文
「ところで、犬がどうやったら哺乳類の条件をみたすんだ?」
質問例(あくまでも一例)
「それはさっき合意したでしょう?」・・・と証拠を示す。
解説
これは、議事録を取るなり、ホワイト・ボードに合意事項を書くなどのファシリテーションで回避するしかないでしょう・・・・
 
13.勝利宣言をする
 
例文
「犬が哺乳類だという論はすでに何年も前に論破されている事なのだが」
質問例(あくまでも一例)
「いつ、だれが、どのように論破したのですか? その証拠は?」(Meta-Model: Unspecified Referential Index )
解説
根拠、引用元を明らかにする方向で。
  
14.細かい部分のミスを指摘し相手を無知と認識させる
 
例文
「犬って言っても大型犬から小型犬までいる。もっと勉強しろよ」
質問例(あくまでも一例)
大型犬でも、小型犬でも犬は犬なんじゃないですか?」
解説
相手は、犬というカテゴリーをチャンクダウンして視点を変えさせることでこちらの認識のカテゴリー変えようとしている(Sleight of Mouth: Chunk down ) → チャンクダウンしても犬というカテゴリー(あるいは、そのカテゴリーと目的との結びつき)は変わらないことを問う。

このパターンの出展は、「白い馬は馬にあらず」といって門番を言いくるめて門を通った中国の故事にちなむ。

 ※もっともタイトルからするとこちらが何らかのミスをしたことを前提としてそこを責められているという前提になっている。 これからすると、細かいミスは瑣末なことで議論の目的には影響しない・・・ということを示すということになると考えられる。 
  
15.新しい概念が全て正しいのだとミスリードする
 
例文
「犬が哺乳類ではないと認めない限り生物学に進歩はない」
質問例(あくまでも一例)
「どのようにすれば、犬が哺乳類でないと認めることが、生物学が進歩することに繋がるのですか?」(Complex Equivalence)
解説
犬が哺乳類ではないと認める=生物学が進歩するという Complex Equivalence を主張しているのでこれが同値であるとするプロセスを細かく問う。
 
16.全てか無かで途中を認めないか、あえて無視する。
 
例文
「全ての犬が哺乳類としての条件を満たしているか検査するのは不可能だ(だから、哺乳類ではない)」 
質問例(あくまでも一例)
「全ての犬は、イヌ科に含まれており、イヌ科は哺乳網に含まれているから検査する必要はないのでは?」
解説
ロジックとしては、全件検査していないので例外があるかもしれないというところを突かれているので少々複雑。  

この例文の場合は、タクソノミー[1]の定義を使うことで回避したいところであるが、タクソノミーに当てはまらず、お互いが独自の分類方法を持っている場合は、この分類方法をきちんと比較検討しないと、アキレスと亀のような屁理屈になってしまうよう可能性も否定できない。 
 
17。勝手に極論化して、結論の正当性に疑問を呈する。
 
例文
 「確かに犬は哺乳類と言えるかもしれない、しかしだからといって哺乳類としての条件を全て持っているというのは早計に過ぎないか」
質問例(あくまでも一例)
「哺乳類である条件と、犬が満たしているその条件はどうなっていましたっけ?」
解説
某朝日新聞が良く使うインチキロジック。基本的な方向は、条件を全て明示して事実確認を行うしかない・・・と思う。
 
18。自分で話をずらしておいて、「話をずらすな」と相手を批難する。
 
例文
 「現在問題なのは犬の広義の非哺乳類性であり、哺乳類であるかどうかは問題ではない。話をそらすな」
質問例(あくまでも一例)
「今、問題にしているのは犬が哺乳類であるかどうか?ではありませんでしたか?」
解説
ゲシュタルト心理学的に、相手が地と図を逆転させ、焦点を地に向けるリフレーミングを仕掛けてきているので、この反転をもとに戻す方向で考える。
 
19。より重要な課題を急に持ち出し、今までの議論をなかったことにする。
 

例文
「ネコが哺乳類かどうかの方がより重要な課題であり、犬の哺乳類性の話など、この際どうでも良い(or誰もしていない)」
質問例(あくまでも一例)
「ネコが哺乳類かどうかの方がより重要だということは、どのようにして分かるのでしょうか?そう考える基準は何なのでしょうか?」(Meta-Model: Comparative Deletion)
解説
比較におけるクライテリア(基準)を明示する方向で。
 
20。電波を発する。
 
例文
「犬が哺乳類だと言うならおまえが犬になってみろ」
質問例(あくまでも一例)
「あなたが猫になってくれたら、私は犬になっても良いよ。」(NLP Sleight of Mouth Apply to Self )
解説
タイトルが「電波を発する」で、実際には例文のパターンに収まるのかは定かではないが、この例文の場合はApply to Self のリフレーミングが可能と想定した。一休さんの虎退治のパターン

とこんな具合です。

もっとも、相手がこちらの認識を混乱させたい、といった悪意を持って詭弁を使っている場合と、悪意はないけれども自分で言っているロジックがどうなっているか分からなくなっている場合とでは対処も違ってくると思われます。

 もっとも、状況によっては自分の勘違いということも考えられるため、何れの場合も、相手と自分のコミュニケーションの齟齬を擦り合わせるには、やはりラポールを確立してからニコニコしながら反駁するほうが良いと思ってきます。

 これは、ネットでマスコミが変な論調を展開すると多くの人が揚げ足をとってボコボコされて炎上している場面が良く観察されるわけですが、ある意味論が立つ人に議論を吹きかけると、天に唾するモードで議論をふっかけた人自身が自分で自分にパンチを浴びせるというような感じでボコボコになるということもあるのでしょうけれども。

 何れにしても、それが詭弁かどうかを確認することは、「言葉で語られていることについて、可能な限り事実に当たってよく観察してみましょう」ということになってくるわけです。

 このあたりからするとやはりコンサルタントなどが事実(FACT)を集めるために躍起になっている理由、あるいは、いわゆる一次情報が重視される理由ということわかってくるように思ってきます。

   
文献

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