2012年1月15日日曜日

マーケティング・メタフォリア



新製品の開発のために、アンケートなどで意見を聞くケースがありますが、顧客は自分でも何が欲しいかを表現することが難しいし、自分が何者で自分が本当に欲しいものが何かも分かってないことが多いため、こういったアプローチが役に立つことはほとんどないと思います(笑)。

独り言


今日は、「マーケティング・メタフォリア」と題して少し書いておきましょう。

メタファーに潜む深層

今日は、ハーバード・ビジネス本にジェラルド・ザルツマンの書いた「心脳マーケティング」[1]という著作があります。

本書の解説にあるように、


ハーバード・ビジネススクールのザルツマン教授は、顧客調査とマーケティングに莫大な時間と費用が投じられているにもかかわらず、新製品の約8割が6か月以内に姿を消すか、収益予測を大きく下回る結果になっていると指摘する。

これは「消費者が自分たちの世界について体験し考えていることと、その情報を集めるためにマーケティング担当者が使う手法とのあいだに大きなずれが存在している」ためで、意外でもなんでもないという。ザルツマンは、製品やマーケティング活動に対する消費者の反応の裏に隠された無意識下での価値を探るような、創造的な質問が必要だと主張する。

   最近の興味深い一連の多面的な研究を用いてザルツマンがとくに強調しているのは、顧客の意思決定に関する記憶、隠喩、物語性の重要さ、そしてこうした発見をマーケティング担当者が利用する方法だ。

彼が提唱する調査方法の規模や複雑さを心配するマーケティング担当者も、少数の顧客サンプルに創造的なインタビューを行うことによってターゲットとする市場で共有されている価値観を見いだすための効率的な手法に関する説明を読めば、安心するだろう。

説明では、大きなビジョンと実践的な応用が常にペアになっている。またザルツマンは、市場の考えをうまく測定できるかどうかは、創造的な調査の開発と、集められた情報についての質の高い考察ができるかどうかにかかっていると、やや抽象的に注意を促している。さらに、製品の販促活動の枠組みを決めるにあたっては、その製品の機能と消費者に対する感情的なアピールについて、生き生きと伝えることが重要であるとも指摘している。


簡単に言ってしまうと、複数の選択肢から選んでもらう単純なアンケートや、顧客の声のようなものを真に受けて製品やサービスをつくっても、顧客が心の底から欲しいと思っている製品やサービスはつくれないということを示していることになります。

では、例えば、フォーカル・グループや1対1のインタビューをセットアップしてとして、顧客の本音、もしかすると顧客すら気がついていない無意識の底に潜む、潜在的なニーズやウオンツをどう捉えるのかについてどうすれば分かるのでしょうか?という疑問が起こります。

それで、この答えの一つとして考えられるのが「心脳マーケティング」をさらに発展させて、顧客の深層にあるメタファーからこれを探ろうという試みが、続編にあたる「Marketing Metaphoria[2](マーケティング・メタフォリア)だというわけです。

では、どのような方法を取るのか?というと、Youtubeにもアップロードされていますが、顧客の言葉に潜む7種類のメタファーを深堀りするという方法になります。

そのメタファーとは、



l       Balance (バランスに関するメタファー)
l       Transformation(変容、変化に関するメタファー)
l       Journey (旅に関するメタファー)
l       Container (コンテナ、入れ物に関するメタファー)
l       Connection (関係、結びつきに関するメタファー)
l       Resource (リソース、資源・資質に関するメタファー)
l       Control (コントロール、制御に関するメタファー)

の7つです。 

それで、具体的に顧客からメタファーを引き出すザルツマンの方法論であるZMETは、以下のドキュメントなどを読んでいただきたいと思うわけですが、




[ZMETによるメタファーの引き出し]
[ZMET3G携帯電話を活用する場合の障害を探る]

[ZMETで顧客のメンタルモデルに迫る]

[おまけ]

もっとも、ZMETは日本だと博報堂が提供しているみたいですが、個人的には、MRI(Mental Research Institute) いたジェイ・ヘイリー氏の弟子だったデイビッド・グローブ氏が体系化した Clean Language [2]の質問を使って上で紹介した7つのメタファーを探るような方法を取ると、もっと簡単に顧客ですら気づいていないメンタル・モデルの深層に迫ることができるように考えています。

何れにしても、ベイトソンが、メタファーを無意識の表出と考えていたことからすると、顧客のメンタル・モデルの深層に迫るためにメタファーを使うというアプローチは非常にセンスが良いように思ってきます。


文献



記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿