2012年2月3日金曜日

情報が意識にのぼる時


 
今、目の前にある事実をもとに色々検討するのも良いけれど、その事実はもう少し別の事実と比べてみると、もっと良いような気がしますねぇ。

もっとも、その事実を言葉にした瞬間から質的な情報は失われ、認知バイアスがかかってしまうのでしょうけれどねぇ。

独り言


今日は、「情報が意識にのぼる時」と題して少し書いておきましょう。

言語化で注意する4つの認知的な視点

人が、基本的に外的な出来事を起点にして、それをどう認識しているか?という人の情報処理を考えると、個人的には一般意味論の構造微分(Structural Differential)で説明したくなります。

このモデルは、人が五感からどのように情報を取り込んで、そして取り込んだ要素について自分の持っている概念データベースと突き合わせ、そして言葉のラベリングを行い、そしてその言葉(記号)を操作することによって思考を行うというような形式になっています。


それでここでもう少し詳しく書いておくと、以下のようなレベルを行ったり来たり、つまり、五感レベルの質感を伴う非常に具体的な情報から、言葉(記号)だけの非常に抽象的な情報の間を行ったり来たりすることで情報処理を行うようなモデルになっているというわけです。

構造微分のレベル
説明
イベント(Event)
外的世界で起こった出来事
オブジェクトObject
外的出来事を知覚し表象された、主客分離の前の純粋経験
記述(Description)
外的出来事、あるいは要素を概念データベースと突合して言語のラベルを付ける
推論(inference)
言語、記号を操作して思考、推論を行う
汎化Generalization
推論で出た思考の汎化Generalization)を行う (本によってこのレベルが明示してあるものと明示してないものがある)
その他(Etc.)
それ以外の推論、それ以外の解釈、未だ検討されていない未知の部分、一般意味論では、この隙間広げることが重要だとされる。

それで、今日の話は、オブジェクト・レベル→記述レベルに変換されるあたりになります。

ここで、まず思い出されるのがジョージ・ミラーの「魔法の数字7±2」です。[1]

一般意味論で説明するならば、私たちは認識した物事に言葉のラベルを貼りつけていくわけですが、言葉のラベルを貼りつけた要素、は意識で認識していることになります。それで、ミラーによれば、意識で同時に認識できる要素が7±2の情報のチャンク(かたまり)になるというのがこの趣旨です。

それで、個人的には、この法則はジョン・バートン博士の著作「Understanding Advanced Hypnotic Language Patterns A Comprehensive Guide[2]にこのあたりのことが書かれているわけですが、人は認識した要素にラベリングを行った後、それぞれの要素を以下の視点から半分無意識に情報処理を行なっているようです。


1.  正規化(Nominalization) それがあるかないか?の判断、言葉のラベリング、一般意味論の記述レベルに相当。
2.  序列(Ordinal) 認識された情報だけを使って序列を決める。上下、重要か否か。
3.  インターバル(Interval) 要素と要素の間隔、要素と要素の関係性を見る。
4.  割合(Ratio) 認識された情報の割合を見る。



上の4つの項目は当然、人によって偏りがあると思われますが、人はどうも放おっておくと、現在認識された情報の範囲で、上だ下だ、重要か否か、白か黒か、ということを決めてしまいがちになるようです。

したがって、物事を冷静に見る場合は、序列を決めるもっと大きな枠組はないのか?とか、要素と要素の関係性をよく検討したか? その量は何に対して大きいのか?小さいのか? といったことを一呼吸おいて検討することがあるように思ってきます。

例えば、テレビを視聴すると、日本の政府の借金を国民一人あたりの負債と誤った報道をしていたり(正規化)、借金が1000億円を突破したと大騒ぎしている(序列)わけですが、何に対して借金というのか?とかバランスシートで見たら資産に比べて借金がどうなのか?(割合)とか非常に冷静な視点で眺めることが出来るようになってくるというわけです。

ある意味、こういった報道は、人の認識の弱点を突いた詐欺のようにも思ってくるのですが、日常生活でも少し冷静になって、認知バイアスを起こしやすい今日の4項目についてメタ視点を取って考えてみると良いように思ってきます。 
 
文献

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