2012年2月11日土曜日

コンピテンシーの4段階


 
学習という意味では、いつの間にか言葉を覚えて使っていたわけだし、いつの間にか歩けるようになっていたわけだし、マニュアルなんかなくてもいつの間にか自転車に乗れるようになっていたわけだから、意識しなくても、見様見真似で自然に出来るようになっていることは多いねぇ。

独り言


今日は、「コンピテンシーの4段階」と題して少し書いておきましょう。

コンピテンシーの4段階

今日は、人がどのようにして知識を獲得するのか?これについて少し書いておきましょう。

ここでは、知識といっても、母国語以外の言葉が使えるようになるとか、自転車に乗れるようになるとか、ジャグリングが出来るようになるとか、実際に身体を使って何かが出来るようになることをについて扱うことにしましょう。

 英語版のWikipedia を参照すると「Four Stages of Competence 」というタイトで、人が実践知を獲得するときにどのような段階を取るのか?についてのモデルについての説明があります。


 この説明を読むと Noel Burch がアブラハム・マズローを引用して構築したと書かれています。それで具体的には人が実践的な知識を獲得するときに以下の4つの段階を取る仮説が示されています。

  1. Unconscious Incompetence 無意識的無能
The individual does not understand or know how to do something and does not necessarily recognize the deficit.

個人として何かのやり方が分かっていない、あるいは理解できていない、そしてそれが出来ないことを必ずしも意識する必要はない段階。

  1. Conscious Incompetence 意識的無能
Though the individual does not understand or know how to do something, he or she does recognize the deficit, as well as the value of a new skill in addressing the deficit.

個人として何かのやり方が分かっていない、あるいは理解できていない、そしてそれが出来ないことがマズイことを意識している段階

  1. Conscious Competence 意識的有能
The individual understands or knows how to do something. However, demonstrating the skill or knowledge requires concentration.

個人として何かのやり方が分かっている状態。しかし、そのスキルや知識を実演するには集中が必要な状態。

  1. Unconscious Competence 無意識的有能
The individual has had so much practice with a skill that it has become "second nature" and can be performed easily.

個人としてそのスキルを十分に練習した状態、そして意識しなくても容易に出来るようになっている状態。


 
もっとも、個人的にはこれを評価する視点というところが気になるわけで、メタの視点から自分がおかれている状況をメタ認知して、客観的でマクロに見ているのであればこれで問題ないようにも思えます。

例えば、自転車に乗れることになるような状況を考えると。

無意識的無能:自転車に乗れない、しかし乗れなくても特段困った状況にはない。
意識的無能:自転車に乗れない、そして自転車に乗れないとマズイ状況に気づいている。
意識的有能:自転車の乗り方が分かっているし、集中すれば乗れる、しかしそれだけに集中しないと上手く乗れない状態。
無意識的有能:自転車の乗り方を十分練習した状態、そしてまったく意識しなくても自転車に乗れている状態。

のような段階があるわけですが、途中どうやって練習したのかといった具体的なプロセスはよくわからないけれど後から俯瞰的に考えてみると結果として上のような段階を取っていたことが分かるという具合です。

しかし、冷静に考えると意識的無能と意識的有能の間に大きな乖離があるようにも思ってきます。

恐らく、自転車に乗れるようになったことを考えると、マニュアルを見てそれに従って手足を動かした方は皆無で、おそらく人が自転車に乗っているのを見よう見真似で練習するということから始めた方がほとんどでしょう。

そう考えると「Four Stages of Competence 」は後付の説明原理としては使えるけれども実際に実践的な学習を行う場合に活用するには適当なモデルではないということも分かってきます。

実践的知識の獲得の基本は、SECI モデル

では、どのようなモデルを使うのか?

それは、野中郁次郎先生の提唱しているSECIモデルを使う、ということになってきます。


SECIモデルの場合、自分が意識していない、見よう見真似で何かが出来るようになっている暗黙知→暗黙知のプロセスモデリングから始めても良いですし、本などの情報を読んで形式知→暗黙知に落としこんでいくようなところから始めても良いですし、複数の形式知を連結して新しい形式知としても良いので、文字通り自由自在ということになってきます。

もっとも、実際にはこのプロセスを継続して回していくことが重要だということになるように思ってきます。

このモデルを観察すると、実は意識に上がらない無意識にある暗黙知が蓄積される回路と、無意識の一部を意識化してそしてまた無意識に戻していくという2つのループがからみ合って多くの知識を獲得していくことが分かるようになっているのが非常に優れたところだと思います。 

文献
(参考) http://www.amazon.co.jp/dp/4492521828/

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