2012年2月17日金曜日

すれ違いの構造(その1)


 
東京都って水道のようなインフラを他の国に販売して収益をあげようと自治体らしからぬことを考えているけれども、他の自治体に、同じ事をやろうねぇ、といってもすぐには難しいのでしょうねぇ。元々そういう発想を養ってこなかったから。

独り言


今日は、「すれ違い構造(その1)」と題して少し書いておきましょう。

対立に潜む認識論的な傾向

仕事や日常生活の場面でも良いですし、テレビの討論番組のような場面を想定しても良いのですが、ある人とある人の意見が対立して収拾がつかなくなるようなことがあります。

例えば、「朝まで生テレビ」のような討論番組で、イデオロギー論争、つまりどちらの論客が言っていることが正しいのか?という場面になって議論が紛糾するような場面を思い描いてもらえば良いでしょう。

もちろん、「朝生」の場合は、このような場面になると必ず田原総一朗氏のキラー・クエスチョンである「では、具体的にどうしたら良い?」という認識の抽象度を下げる質問が論客に浴びせられ、

1)     実務家として具体的に回答して、普段から問題意識としてそのことを考えていることが分かる。
2)     具体策を何にも考えていないことがバレて、単なる一般解に終始し、場合によってはしどろもどろになる。

のどちらかの状況が生まれ、視聴者がその論客がどこまでマジメにその問題に取り組んでいるのかが分かるという場面がやってくることになります。


もちろん、ここでどちらがその課題、問題に対してマジメに取り組んでいるように思えるか?と判断するのは視聴者ということになるわけですが、ある意味、抽象的だと思われる論争を具体論に展開することでその論客がどこまで真剣に考えぬいているか、つまり概念といった抽象的なレベルから具体的なアクションまで広範囲に注意を向けているということが分かってくるということになるわけです。

ここでは話の内容ではなくて、その話の内容の背景に潜む認識論的な焦点がどこにあたっているのか?の話しなのですが、自分の思考や行動をどのレベルで捉えているのか?に絶えず注意しておかないと思わぬ所で足をすくわれることになってくるわけです。


上の例で行くと、以下のようなパターン、傾向に還元することが出来るでしょう。



抽象的に考える………………..具体的に考える


それで、もっとも良いのは、抽象的にも、そして具体的にも考え、そして行動することができるということなのですが、これに気が付かないと、いつも物事を抽象的にだけ考える、具体的なのだけれど全体を見ていない、・・・といった偏りが現れてくることになります。


もちろん、認識主体が自分自身の認識論的な傾向をメタ認知しておけばこの偏りを補正することが可能になるわけですし、相手の傾向が偏っていることを認識しながらお互いに齟齬を最小限するということもできるというわけです。


それで、今日からこの傾向について少し書いておきましょう。

パターンその1



1.肯定的な結果に向かう ………………..否定的な結果から逃げる


まず、これは二元論的に分けられるものではなく、状況によっても異なるという前提がありますが、認識主体が向いている認知科学的な注意がどちらに向いているのか?一般的には上のような傾向を観察することになります。[1]

もちろん、ここで「肯定的」、「否定的」といっている背景には、「何を持って肯定と決めているのか?」「何を持って否定と言っているのか?」のように、ある事象を二値的に分けている、暗黙の前提とも言っている普段は意識に登っていない判断基準が隠れていることにも注意することが必要でしょう。


それで、この枠組ですぐに思いつくのは、営利企業の立場で公共事業のようなお役所の事業に関わるようなケースです。

個々人の問題ではなく、評価のシステム自体が大きく関連していることになると思いますが、営利企業に所属するメンバーは、収益についての目標や品質目標を設定し、そこに向かって仕事を進めるということになりますが、お役所に所属するメンバーは、設定された日時から遅れないように振る舞う、できるだけ失敗をしないように振る舞うというようなことが起こります。

もちろん、これは企業でも、プロフィット・センターに所属している人は、目標を立て、とにかく売上を上げるためには何でも試してみるということを考え、そして実行することになるのでしょうが、コストセンターに所属している人は、コストを削減するから始まって、手順から外れないとか失敗しないということを第一に考えるようになるでしょう。

もちろん、こういった傾向を何も疑問ももたないようになると、1)肯定的な結果に向かう、2)否定的な結果から逃げる、とうような物事の見方が固定されていくようなことが起こります。

そこで、頭に入れておかなければならないのは、他の企業、団体や別の部署と話をする場合の上で書いたような認識論的な傾向ということになってきます。

この傾向を頭に入れて、相手の傾向に併せて話をしないと、全く噛み合わないことになってきます。

(つづく)
  
文献

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