2012年2月21日火曜日

すれ違いの構造(その5)


 
どのレベルかという問題があるのでしょうが、違いに着目するのか? 相違点に着目するのか?は結構重要なように思えてきます。

もちろん、どうみても違っている中に類似点を見つけることはできるのでしょうし、同じように見えても相違点を見つけることはできるということは、論理階梯で表現されるベイトソンの Theory of Mind からすれば明らかわけですが・・・関心の方向性がいつも同じように固定されてしまうのは問題かなと・・・(笑)

独り言


今日は、「すれ違いの構造 その5」と題して少し書いておきましょう。

相違点と類似点

グレゴリー・ベイトソン曰く「A difference that makes a difference.(違いを生み出す違い)があります。

この言葉は、「情報」の定義にもなっているわけですが、認識主体が観察できる2つの要素の差異から1つの情報が生まれるということを示しており、この2つの要素の違いから生まれる1つの違いが1ビットと定義されていることになります。

もちろん、情報というのは論理的にほとんどコストや物理空間の制約を必要とせずにどこまでも増やせる性質を持っているということになり、情報が情報を呼び、この情報が自己増殖するということでもあります。

それで、私たちは五感の感覚器から情報の元となる刺激を取り込むことになりますが、視覚、聴覚、体感覚、臭覚、味覚それぞれの刺激についての差異に加え、五感のチャネル毎に入ってくる、ある意味冗長な刺激を重ねあわせて、臨場感を伴った表象を構築し、そこから情報を得ているということになります。

これに関連して、五感のチャネルから入力される刺激から構築される情報を意図的に操作すると幽体離脱しているという誤った感覚が容易に作り出されるのは、サイエンティフィック・アメリカンの記事を引いた以下のリンクで書いた通りです。


 それでは、べつの角度としてこれを一般意味論の構造微分で考えて見ることにしましょう。


臨場感を伴った現実感のある表象というのはオブジェクト・レベルということになりますが、このオブジェクト・レベルの要素に言葉を貼付け、この言葉を使って推論を行うことで物事を観察する時に使う「思考の枠組み」が無意識のうちに形成されることになります。


それで、個人的には、これは状況との相互作用で決まる傾向で、青竹を割った二分法で決めることは難しいと思いますが、この一つのフレームとして類似点と相違点について書いておきましょう。[1]

これは関心が類似点にあるのか?相違点にあるのか?の傾向を示しています。


類似点………………相違点


もちろん、この傾向は状況と相互作用する形式で固定された認識ではないので、二値的にどちらが良いと決め付けるには危険があるわけですが、コミュニケーションのコンテクストでこれが合致していないとすれ違いが起こるようにも思ってきます。

例えば、企業のマーケティングを考える上、担当者が差別化ばかりを考えていて相違点にばかり着目して製品を開発したとすると、顧客からは何の類似点もないわけのわからない製品と映るかもしれませんし、逆に、競合の既存製品との類似点ばかりに着目して製品を開発したとすると、顧客からは単なる二番煎じとしてしか映らない可能性があるというような場合です。

もちろん、この場合、単に形が似ているとか色が同じというような一次的なレベルでの相違点-類似点というような見方があるでしょうし、もう少し深い二次的なレベルで、設計思想が似ているとか、コンセプトが違っているといった捉え方もあるでしょう。

その意味では、ベイトソンの Theory of Mind で考えると、状況と自分と対象となる人やモノの視点の相互作用で、この相違点-類似点の判断は変わってくるということになるのでしょうけれども、逆の言い方をすると、どの視点で物事を見ているのか?を探り、相手のことを理解するための決め事としては相違点-類似点という考え方が使えるということにもなってくるように思ってきます。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/08/blog-post_21.html
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文献

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