2012年3月29日木曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その23)オープンエンドの暗示



 抽象度を上げて、曖昧に話すのはそれなりの意図が存在する、と思う。

 独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その23)オープンエンドの暗示」について書いておきましょう。

オープンエンドの暗示

オープンエンドの暗示(Open-ended Suggestions) は、エリクソン&ロッシの「Hypnotic Realities: The Induction of Clinical Hypnosis and Forms of Indirect Suggestion (1976)」で導出された暗示のパターンで、抽象的な暗示を行うことで、クライアントの反応の傾向をつかむために活用されます。[1]

抽象的な言語を使うということは、この中に多くのメタ・メッセージを含むということになり、クライアントの解釈の余地が多いということになります。

それをラポールの構築された状態でクライアントに投げかけると、クライアントはその言葉の行間をあれこれ推論することになり、ここで併せて色々な反応が出てくるということになるわけです。

実際の使用例をみてみましょう。

l       使用例その1


 "Not only are you to learn positive things but you need to learn negative things  
(意訳) よい事からだけではなく、悪い事からも学ぶ必要があります。


 まず、ここで面白いのは、「よい事」、「悪い事」と非常に曖昧な出来事や事象を差す言葉を使っているという点でしょう。 この言葉を活用する前提には、クライアントのこころの中に、何らかの判断の枠組みが存在しており、出来事や事象をその枠組に照らし合わせ、クライアントの主観的な基準で「よい事」、「悪い事」が発生するということになります。

 もちろん、よいか悪いか?の単純な二元論で判断していることを推奨しているわけではないのでしょうが、感情や情動を伴って認識される「よい事」「悪い事」が起きた時に、「よい事」から学ぶのは当たり前のこととして「悪い事」からも学ぶように暗示を行なっているがここでの例となります。

 ちなみにここで need to は以下のリンクで書いた様相演算子となります。



l       使用例その2


"We all have potentials we are unaware of , and we usually don't know how they will be expressed."

(意訳)私たちは、誰でも自分で気づいている潜在力を持っている、そして、それがどのように発揮されることになるのか普通は、知る由もない。


 ここでは、「potentials」というように抽象度の高い曖昧な言葉を使っています。もちろんこれは以下のリンクで書いたように名詞化された言葉にあたります。


 また、この言葉の解釈はクライアントに任せているわけですが、やはり以下で書いた「気づかせる言葉」を使って、その潜在力が発揮された場面をクライアントに想像してもらい、そして身体感覚として気づかせるようにしてもらっています。


 それで、I dont know + how +具体的でいないプロセスは以下のリンクで書いていますが、


 明示的ではない Conscious Unconscious スプリットのパターンとなっています。

 つまり、意識もしくは言葉ではその潜在力がどのように発揮されているのか?形式知としては、説明できないけれど、無意識の身体感覚、つまり暗黙知 としては分かっているということになります。
 
文献

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