2012年3月3日土曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その3)非指定参照インデクス


 
相手から、「それ、いいですねぇ」と言われた時に「何が?」とか「どこがどのように?」のような無意味なツッコミをしないのが大人の対応という場面は多いですねぇ。(笑) もっとも、行間を読んであえて、ここにツッコミを入れないといけない場面もあるのでしょうが・・・

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その3)非指定参照インデクス」と題して少し書いておきましょう。

 非特定参照インデクス

非特定参照インデクス(Unspecified referential Index [Indices] )について説明しましょう。

まず、参照インデクス(Referential Index)とは、文中の動詞に明示されている行為の主体、もしくは行為を受けている、人やモノを指します。非特定参照インデックスとはこの主体が指定されていないことを指します。[1]

l       非指定参照インデックス

具体的に非指定参照インデクスを使ったエリクソンの言語パターンを見てみましょう。もちろん、文はそれ単一で意味を持つものではなく、文脈の中で判断する必要があります。


"People can change. "It really can help . This is the way to understanding.

(意訳) 人は変わることができます。それは本当に役に立ちます。これが理解への道です。


上の例文で行くと、まず、「People/It/This」が非指定参照インデクスにあたります。

例えば、「People~」は、登場頻度の高いパターンですが、相手に何か伝えたい時にあえて抽象度の高い People ということを主語にし、あえて曖昧にすることでここに含みを持たせるようになっています。「People can change.」は文面通りに取れば、「人は変わることができます。」ということになるのですが、人という概念に包含される、あなたも変わることができますというメタ・メッセージを包含しており、これを相手に伝えていることになります。

もっとも、これはメタ・メッセージとして伝わっているわけですから、この言動に相手が、自分は違うと反発しても「これは一般的な話で例外はあるかもしれませんねぇ」と言っておけば少なくともカドは立たないという具合です。

ここで「can」が使われていますが、文法的には Modal Logic[2]が使われていることになり、「People can change.」では「人は変わることができる」という少し強い話し手の確信や信念を伝えていることにもなります。

また、「People can change.」のパターンのバリエーションは非常に多く、例えば、このようなパターンも存在します「People can , John , relax easily .」。

文面を読むと、人は誰でも、例えばジョンさんとか、簡単にリラックですます、となります。 しかし、この文には、三単現のsが含まれてないため、人は何を差すのか? ジョンはどこにかかるのか?というような意識にちょっとした混乱が起こり、ここで、メタ・メッセージ(含み)としては、人は、誰でもできるでしょう(もちろんあなたも)ジョンさんもそうだけれど、(リラックしなさい、簡単だから・・・)のような暗黙の命令を伝えていることになります。

さて、今日のまとめとして、日本語でもそうですが、一般的に話し言葉は一部が省略されることが多いのですが、省略があることで、良い意味でも悪い意味でも「含み」が出てくることになります。もっとも、この「含み」をどう活かすのかがミルトン・エリクソン研究の大きなテーマになってくるわけですが、文脈と相互作用するこの「含み」をどう使いこなしているのか?を考え始めると興味が尽きないところでもあるわけです。

文献
[2] http://en.wikipedia.org/wiki/Modal_logic

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