2012年3月5日月曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その5)因果関係



統計的に証明された形式で因果関係が存在するということを示すのは、結構難しいねぇ。

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その5)因果関係」と題して少し書いておきましょう。

 因果関係

因果関係(Causal Connection )について説明しましょう。

因果関係は、XYの間に因果関係があり Yが起こった原因はXであるということになりますが、実は因果関係が存在することを統計的に証明することは非常に難しいといっても良いでしょう。[1]

科学的な視点から因果関係を検証する場合、肉体も感情ももたない純粋な観察者という視点を設け、そして、外的な出来事として起こった XYの間に因果関係があるか? つまり、Yを起こすための十分条件としての原因がXにあるのか?を調べるということになるでしょう。もちろん、ここで因果関係が存在するのか? あるいは相関関係が存在するのか? もしくは、そういった関係は存在しないのか?という話になってくるのでしょうが・・・。

もっとも、今回取り上げるミルトン・エリクソンの言語パターンとしての因果は、あくまでも言語においての因果であり、この言葉が示す実体に対して厳密な因果関係が存在しているのか?ということは問題にしていません。

もっと言うと、肉体も感情も持った観察者の視点から、何らかの事象を観察し、ある外的出来事が原因となって、ある感情が起こったとか、ある行動につながったというように、エリクソンの言語パターンで言う因果関係は普遍的なものではなく、その人の主観的な世界観でのみ成立つ因果関係といっても良いでしょう。

例えば、ある人が、高い所に登ったので→膝がガクガクして、冷や汗をかいた。と言えば、その人の主観的世界観の中では、膝がガクガクして、冷や汗をかいた原因は、高いところへ登ったから、ということが成立つということになります。

もちろんこれは主観的な因果関係ですから、高いところに登ったので→気持ちが高揚して、ワクワクしてきた。という人もいるわけで、この場合、その人の主観的な世界観の中では、気持ちが高揚して、ワクワクしてきた原因は高い所へ登ったから、ということが成立つということになっています。 

もちろん、上のような例の場合は、あることがその結果を起こすための十分条件としての原因なのか?ということも考慮されていません。要はこれを一言で言うと「私がオムレツを焼くと、必ず雨が降る。」、「マイナスイオンは健康に良い。」といった類の、その人の認識の中でのみ成立つ因果関係というわけです。

l       因果関係

具体的に因果関係を使ったエリクソンの言語パターンを見てみましょう。もちろん、文はそれ単一で意味を持つものではなく、文脈の中で判断する必要があります。

 また、エリクソンを語る上で忘れてはいけないことは、この因果関係の強さ、もちろん実体に即した強さというわけではなく、言葉から示唆される因果関係ということになりますが、大まかにいって3段階の因果関係についての示唆を使い分けています。[2]


第一段階の因果関係(ANDXをするとYになるという示唆を行うパターン)
1.You are paying attention on your breathing ,and you becoming even more comfortable.

第二段階の因果関係 (When , while など時間を明示した示唆を行うパターン)
2. As You pay attention to your breathing , your eyes become more tired.

第三段階の因果関係 ( make , cause など明示的に因果を示唆するパターン)
3. As you breathing slowly , if forces you to become more comfortable.



それで、こういった言語パターンを意識をピリピリさせた状態、つまりクリティカル・シンキングのモードで聞くと、例えば、上の1.の例について「なんで、呼吸に焦点を合わせると、より気持よくなるのか?、そんなわけないだろう・・・」、「だってそこに科学的な意味での因果関係なんて存在しないのだから・・・」となってしまうわけです。

それでも、相手とラポールが出来た状態で、上のようなクリティカル・シンキングのモードを止めて、この言語パターンを聞くと、不思議なことに、「呼吸に焦点を合わせると、非常に気持ちがよくなってくる」というところが催眠言語パターンの面白いところなのでしょう。

 もちろん、クリティカル・シンキングのモードを止めてしまうと、本来因果関係が存在しないものについて、自分の主観的な世界観では、因果関係が存在していると勘違いしてしまうことがあるのは明白なので、日常生活のモードでクリティカルに因果関係があるのか?もしくは相関関係なのか?あるいはそういった関係は存在しないのか?を考えるのは重要なことのようにも思えてきます。

 これに関して、昔DHMO騒ぎというのがあったのを思い出したのですが、これもきちんと因果関係、相関関係かそれとも関係がないのかを意識しておけばダマされることはないと思うわけです。


文献
[2]http://www.amazon.co.jp/dp/1904424910/

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