2012年3月6日火曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その6)マインド・リーディング



この手の話をはじめると、超能力で人のこころが読めるとかいった、とっても勘違いした変な人が出てくるのは困ったものだと思います。

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その6)マインド・リーディング」と題して少し書いておきましょう。

 マインド・リーディング

今日は、マインド・リーディングについて書いておきましょう。

マインド・リーディングとは元々ミルトン・エリクソンがおこなっていた心理療法のコンテクストで活用されていた言語パターンの一つで、セラピストがクライアントの経験における主観的な解釈や気持ちを、まるで知っているかのように話すパターンです。[1]


もちろん、この言語パターンのポイントは「まるで知っているかのように話す」というとことであり、実際に知っているということを意味しているわけではありません。

このパターンはコーチングなどでも行われるフィード・バックと非常に関係があります。

フィード・バックとは元々サイバネティックスに由来する言葉ですが、コーチングにおける厳密な意味でのフィード・バックとは、1)コーチがクライアントの表情や振る舞いから観察できる事実 2)クライアントの話の内容における、クライアントが事実と認識していること、3)クライアントが設定した目標-現状のギャップについて、言葉、あるいは質問としてクライアントに返すことです。


http://ori-japan.blogspot.com/2011/10/blog-post_18.html

例えば、コーチがクライアントに「◯◯のことについてお話されていた時に、話のピッチが早くなって、少し声が大きくなったように思ったのですが・・・これは何か理由がありますか?」とか「お話のその場面では登場人物が3人出てきますが、他にどなたかいらっしゃいませんでしたか?」、「それを完了するために、あと何日かかると思いますか?」・・・というようにあくまでも事実に基づいた質問を行うなり確認を行うことをフィード・バックと呼びます。

もちろん、もう少し大局的な視点からこのフィード・バックについて語ると、以下のリンクでも書いたように短期・戦略療法や一般意味論で言われている「地図とそれがしめす領土」の区别をつけるという意味で行われます。


つまり、クライアントが知覚・認識している事実と、それに対する解釈との区别を付けてもらうためにフィード・バックを行うということになってきます。

それで、これをロジカル・シンキングのような格好で機械的にやっていくと困ったことが起こります。

それは、お互い何の共感もないような無機質の関係が構築されてしまって、ラポールが切れてしまうこと。 つまり、クライアントからすれば「このコーチは自分の気持ちなんてまったく分かってくれていないなぁ」という感覚が芽生えてしまうことになります。

そこで登場するのがエリクソンが活用していたマインド・リーディングの言語パターンとなります。

l       マインド・リーディングの言語パターン

具体的にマインド・リーディングを使ったエリクソンの言語パターンを見てみましょう。[1]もちろん、文はそれ単一で意味を持つものではなく、文脈の中で判断する必要があります。
 

Youre probably feeling a little nervous , now Youre curious about what were doing .
(意訳)あなたは今、神経質になっておられるようだ。あなたは、私たちがやっていることに興味を持っています


ここではクライアント外見を観察して、クライアントに自分の解釈を伝えている格好になっているのがマインド・リーディングのパターンとなっています。

もちろん、ここでクライアントが思っている気持ちと上手く合致すれば、クライアントは「自分のことをよく分かってくれているじゃないか」ということになりますし、それ以外の場合は「何も分かってくれていないなぁ」となるためその使用には細心の注意が必要であることには違いありません。

 もっとも、エリクソンはこのパターンを使う時に「I wonder」とか「Probably」という言葉を付けて、これがあくまでも推測であることが分かるように使っているのがポイントなのでしょう。

 何れにしても、「地図はそれが示す領土にあらず」というコージブスキーの言葉からすれば、クライアントが認識している事実である領土を確認すること、そして、クライアントの解釈から発生する意味や解釈としての地図を確認すること、そしてそれらを区别する、というこの3つのことが非常に重要だということが分かってくるわけです。

 もっとも、これがエリクソンを研究して導き出された短期・戦略療法の本質の一つであることには違いないのでしょうけれども。

文献
 [1]http://www.amazon.co.jp/dp/1904424910/

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