2012年4月2日月曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その25)その他暗示―含み



一見簡単な言葉の中に深い含みを込めてコミュニケーションを行うというのは非常に重要なことのように思ってきます。

もっとも、簡単な言葉で物事がよりきちんと伝わることもあれば、難しい言葉を使って、言葉が上滑りすることもあるわけで、このあたりがコミュニケーションの難しさなのでしょう。 

 独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その25)その他暗示―含み」について書いておきましょう。

その他暗示―含み

日常、「あの人の話は含蓄がある」とか「あの人の話は深い」と言ったりしますが、わたしたちは、話された言葉の深いところにある意味を受け取ることがあります。

ミルトン・エリクソンの言語パターンの中にも、このように「含み(Implications)」を持たせて話すやり方ということが存在します。

もちろん、話している言葉に「含み」を見出すのかどうか?は、「話し手」、「聞き手」、「状況(コンテクスト)」の相互作用で決まるため、こうすれば、必ずこう解釈されるということはないという点は考慮する必要があると思われます。

さて、スティーブ・アンドレアス著「Six Blind Elephants[1]を読むと「含み」について以下のような定義が見つかります。


Implication is communicating in a way that a listener is likely to infer a meaning, based on their assumptions and world-view, the art of gracefully communicating something without saying it.

「含み」は、聞き手が意味を推論するようなコミュニケーションで、聞き手の仮定、世界観に基づいて行われ、「それを言わず」に伝える技法です。


ここで非常に複雑なメタファーで説明しておきますが、インターネットのプロトコルにRPC (Remote Procedure Call)というのが存在します。


個人的には、オラクルに買収されたサン・マイクロシステムズの実装より、HPに買収されたアポロ・コンピュータのほうの実装であるNCSの実装のほうが馴染みが深いわけですが。

それで、RPCとは、呼び出し元のコンピュータは呼び出し先のコンピュータにそのルーティーンを呼び出してもらいたい指示だけを行い、実際の処理は呼び出し先のコンピュータで行われるというような格好になっているという具合です。

それで、ミルトン・エリクソンの言語パターンである含み(Implications)もまったくRPCと同じ格好になっているわけですが、エリクソンはごく簡単な言葉を発するだけで、実際にその言葉をどのように表象し、どのように解釈し、そしてどのような心身状態を呼び起こすのか?はクライアント側に任されているということになります。また、これは間接的な表現でクライアントに伝えられることになります。

実際には、この言語パターンは、1)一般意味論のタイム・バインディングを含む 2)間接的な暗示を含む 3) 身体的な反応を含む、という形式で使われることになります。[2]

l       使用例その1


 ""Now l am trying to map out some things you can learn.
(意訳) 今ここで、私は、あなたが学ぶことができる、何かを綿密に計画しようとしています。

 
 Now は以下で書いた言語パターン。
 

 綿密に計画しようとすること=学ぶこと、といった暗示を使っており、ここでの can は以下で書いた様相演算子の言語パターン。


l       使用例その2


""And when you have completed,… you will awaken and tell us only these things that you are willing to share."

(意訳) あなたが、やり遂げた時・・・あなたは、目覚めて、あなたの共有したいことだけを私たちに告げることになるでしょう。


 この言語パターンも completed は、以下のリンクに書いた非指定動詞


 また、And の接続詞を使い、クライアントが何かをやり遂げたと判断したら、トランスから目覚めて自分の共有したことだけを告げるという暗示を行なっている形式になっています。
 
文献

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