2012年4月4日水曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その2



 なんか英文法の復習みたいになってきた。(笑)


  逆に言うと、日本語は含みが多いし、主語は省略されるし、なんだかナチュラルに催眠言語のように思えてきた。

 独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その2」について書いておきましょう。

存在と関係性を含む前提

 今日は完全な前提 (Complete Presupposition)について書いておきましょう。 

言葉はある意味、意識による思考と考えることができます。これを、一般意味論的に考えると言葉は経験したことに対して、記号によるインデックスを設定した格好になっていると考えられます。

 また、言葉は経験のうち、基本的に意識して焦点を当てているところだけが表現されているような格好になっているわけであり、逆にいうと多くの質的情報が落ちてしまうという性質を持っているように思ってきます。
 
言葉で記述できない反対の面について考えると、マイケル・ポランニーが「人はつねに言葉にできることよりも多くを知ることができる」と言っていたり、ウィトゲンシュタインが「われわれは語り得るものしか語ることができない」と言っていたりするように、暗黙知的なところを考えることになるでしょう。

もちろん、今日の話題は、言葉にはなっているものの、言葉の中に隠れている前提、特に完全な前提について書いておきましょう。

 それで、エリクソンが用いた複合的な前提については、シンタクスの視点から「Patterns of Hypnotic Techniques of Milton Erickson ,M.D. vol.1[1]の付録に24の前提が取り出されています。

ここで、完全な前提と呼んでいる理由は、その文に登場する要素の存在だけではなく、その裏に暗黙的に何らかの因果関係、相関関係を含んでいるためにこう呼んでいます。

今日は、そのうち3つについて書いておきましょう。

l       その1、関係節(Relative Clauses)


 " Naoto has a friend who lives in Sydney.
(意訳) ナオトは、シドニーに住んでいる友だちがいる。

 
「関係節」については Wikipediaの「関係詞」を参照。[2]

それで、ここでの要点は、ナオトとある人 whoが存在しており、その関係が友人関係であることです。

要素と要素の関係は極論すると is-a もしくは has-a の関係で表現することが可能ですが、[3]ここでは、ナオトと whoの関係について考えると、後者の has-a の関係となるでしょう。 これをもう少し認識論的に書くと、おそらくナオトの持つ認識的なカテゴリー「友人」、あるいは「友人」クラスに、そのシドニー在住の人が集合的な観点から含まれているということを表しています。

l        その2,時間の従属節(Subordinate Clause of Time)


"If I had been here when she was , this  wouldnt had occurred "

(意訳) 彼女がいた時、私がそこに居続けていたら、それは起こることはなかっただろう。


従属節は、主節に対して従属的にかかっている節を言います。ここでは時間に関する接続詞を伴う従属節を「時間の従属節」としています。[4]

文法的には受験英語でありがちな仮定法過去完了になるわけですが、ここでの要旨は、私と彼女が存在したということと、私がそこに居続けることができなかったため、それが起こったという因果関係を含んだ形式になっています。

l       その3、分裂文(Cleft Sentences)


 " It was his honesty that won the day.
(意訳) 正直さで彼は勝利した。


 
分裂文は It was /is で始まる文です。[5]
 
この例文の場合は、ある人が存在し、その人が選挙や試合に勝ったという事実が書かれている文です。 

また、この原因は正直さだというところが、事実かどうかは不明な点があるのですが、強調されているような形式で書かれています。つまり、事実かどうかは分からないのだけれども正直さが原因となって勝利をもたらしたという因果関係が含まれていることになります。

(つづく)

文献
[5] http://en.wikipedia.org/wiki/Cleft_sentence


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