2012年4月5日木曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その3



 人は強調されているところに注意を向けてしまうと、その背景にある隠れた前提についてはあまり考えずに、当たり前のものだと無意識に受け入れている傾向があるように思ってきます。

 まぁ、ドラマで言う、何回も見ることでやっと意識に浮かび上がってくる伏線みたいなものでしょうかねぇ。

 独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その3」について書いておきましょう。

存在と関係性を含む前提

 今日は完全な前提 (Complete Presupposition)の続きについて書いておきましょう。 

ここで、複合的な前提と呼んでいる理由は、その文に登場する要素の存在だけではなく、何らかの因果関係、相関関係を含んでいるためにこう呼んでいます。

 エリクソンが用いた複合的な前提については、シンタクスの視点から「Patterns of Hypnotic Techniques of Milton Erickson ,M.D. vol.1[1]の付録に24の前提が取り出されています。

今日は、そのうち4~6の3つについて書いておきましょう。

l       その4、擬似分裂文( Pseudo cleft)


 " What John didnt know is the end of the story.
(意訳) ジョンが知らなかったことは、その物語の結末だ

 
「擬似分裂文」については Wikipediaの「分裂文」を参照。[2]

日本語だと擬似分裂文と分裂文の区别が無いようですのでそれほど気にすることはないと思いますが、What(sentence) is (sentence).の形式で後の文節を強調するために用いるのがこのパターンです。

 ここでのポイントは、「その物語の結末だ。」というところが強調されていて、ここに注意が向くようになっていますが、逆の言い方をすれば、ジョンという人物が存在している、また、彼が知らないことがある。といった注意が向けられていないことについては、暗黙の前提としてあまり疑われることなく相手の思考フレームとしてセットされることを意図しているように思ってきます。

l       その5、強調文( Stressed Sentences)


 " If it was THE POLICE Margaret talked to , were finished
(意訳)もし、マーガレットが話しかけているのが警察だったら、俺達は一巻の終わりだった。

 
 ここでは、話し手の言葉として「警察」が強調されており、そこに焦点が当たるようになっていますが、焦点が当たっていない前提として「マーガレットが誰かに話しかけていた」が暗黙の前提として相手の思考フレームにセットされるような格好になっています。

l       その6、複合形容詞( Complex Adjective)


 " If John wares his new ring , Ill be blown away.
(意訳)もし、ジョンが新しい指輪をつけていたら、私はたまげるだろう。

 
 複合的形容詞は、old , new ,previous , former などの新旧のように対で用いられることの多い形容詞のことを言います。

 ここで、「ジョンが新しい指輪をつけていたら」と言葉にされていますが、ここでは新しい指輪があるということは、当然、古い指輪を持っている、あるいは、つけていたということが暗黙の前提として示されている形式になっています。

(つづく)

文献

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