2012年4月11日水曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その8



催眠を全面に押し出しているセラピストもどきの人って治療家やコミュニケーターとしては三流な人が多いのはなぜだろうなぁ、まぁ、催眠って手段であって目的ではないですからねぇ(笑)。

 独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その26)前提その8」について書いておきましょう。

存在と関係性を含む前提

 今日は、話題を元に戻して、完全な前提 (Complete Presupposition)の続きについて書いておきましょう。 

ここで、複合的な前提と呼んでいる理由は、その文に登場する要素の存在だけではなく、何らかの因果関係、相関関係を含んでいるためにこう呼んでいます。

 エリクソンが用いた複合的な前提については、シンタクスの視点から「Patterns of Hypnotic Techniques of Milton Erickson ,M.D. vol.1[1]の付録に24の前提が取り出されています。

今日は、そのうち19~21の3つについて書いておきましょう。

l       その19、期待に反すること(Contrary-to-expectation)


 "If only you should pay attention to meI would respond
(意訳)あなたが、私に注意を払ってさえいえれば、私は応えたのに。

 
  期待に反することは、should を伴った表現で、期待に反することを指します。 
 
上の例の場合は、「私の期待に反して、あなたは私に注意を払ってくれなかった」を暗黙の前提として含むことになります。

 この言語パターンの場合、様相演算子の特別な場合だと考えることも可能ですが、言語パターンの中にこういった表現が登場した場合、特に注意する必要があるでしょう。


l       その20、選択の制限( Selectional Restriction)


 " If the dog has puppiesyou can have your pick.
(意訳)この犬に子犬が生まれたら、どれでも好きなのをもらってくれてもいいよ。

 
 選択的制限は、選択肢の裏に含まれる暗黙の前提を表します。

 この例の場合、「この犬はメスだ」が暗黙の前提に含まれることになります。

その21、質問(Questions)


 " Who has the eraser ?
(意訳)消しゴムを持っている人は誰だろう?

 
この場合の質問とは質問されたことが存在していることを暗黙の前提としています。

上の例の場合は「消しゴムを持った誰かがいる」ということになります。

日常生活の場合、「その問題は存在する」というように問題の存在自体の有無を明示的に確認するような場合はそう多くないですが、コンサルティングなどの場面では、認識論と存在論の相互作用する形式で「何かが存在する」ということについては合意を得ておかないと後々、そのこと自体が問題になることも少なくありません。

(つづく)

文献
[1] http://www.amazon.co.jp/dp/091699001X/


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