2012年4月22日日曜日

ミルトン・エリクソンの言語パターン(その30)曖昧さ :音韻的曖昧さ




 エリクソンが用いた類音連想(Clang association)は、日本語で言うヲヤヂ・ギャクと言われるものに近似していると考えられる。(笑)もちろん、エリクソンのそれは、一般的なヲヤヂ・ギャクよりもう少し上品なのだけれど。
 
独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの言語パターン(その30)曖昧さ:音韻的曖昧さ」について書いておきましょう。


音韻的曖昧さ

 曖昧さ(Ambiguity)が必ずしも悪いことではない、ということについては昨日書いたわけですが、ミルトン・エリクソンが用いた曖昧さとして後の研究者が分類した4つのカテゴリーの一つとして音韻的曖昧さ(Phonological Ambiguity)があります。[1]

 音韻論的な曖昧さを一言で説明すると同音異義語ということになりますが、エリクソンはこの同音異義語を使って同じ言葉に二重、三重の意味を持たせて活用しています。

 例えば、日本語で「あなたは、たつことができます。」と相手から言われた場合。

 聞き手は、話の文脈等を加味して、「立つことができる」、「断つことができる」、「発つことができる」・・・のうちどれだろうか?と頭の中で無意識に推論を始めることになるわけです。逆に言うと、言葉とイメージの関係性を固定化させない方向で、このような推論を起こすために音韻的な曖昧さを活用していることが考えられます。

 言語学的には、例えば認知言語学のカテゴリー化とプロトタイプの理論を使って、ある言葉からその言葉や文脈をイメージしてどれが適当なのか?特定のカテゴリーに分類されていない、ある意味、「曖昧だ」という心身状態を伴った宙ぶらりんな状態にあると思われます。


 エリクソンの場合は、意図的に文章の一部が省略された言語パターンとあいまって、hare/hair know /no knows/nos/nosedeer /dearboll/bowlclothes/ closeneed/kneadhere/hearbuy /bye nun/none some/sum hi/highなどの同音異義語が発話されて、英語のネイティブ・スピーカでも、文脈からその言葉が一体どちらの意味で使われているのか?推論を始めることになります。 

 また、エリクソンの場合、こういった同音異義語の他に、明らかにその言葉の使用が言語学上は正しくない代りに発音の似た別の用語を活用する場合があります。

 言語学上は類音連想(Clang Association)と呼ばれており、light/ flight/heightf ounder /flounderhold/ fold comber /summersober /somber/ encumber など発音が似た用語をあえて活用する方法です。

 あえて日本語で言えば、例えば、「順風満タン」な人生を送りましょう、というようなオヤジ・ギャク[2]がかった話になってきますが、このあたりは、個人的にはエリクソンのユーモアと考えると非常にしっくり来るように思ってきます。

 (つづく)
 
文献

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