2012年5月16日水曜日

What を先に考え How は後で考える



戦略的に考えるって言う時の「戦略」とは、単なるゴールまでの道筋のことだから、ゴールが無ければ戦略は立てられないということになりますねぇ。それで、ゴールってある意味「大風呂敷」だから、とりあえず広げてみる。(笑)そうすると戦略がいくつか浮かんでくる。

 もちろん、最近は複雑系とか使って多面的に、何かが創発しないと達成できないゴールを設定することも多いから、必然的に戦略もノンリニア-&多次元になってきてプロマネは並行複発酵を見守る杜氏みたいになってきますけれどねぇ。でも面白いもので、広げた「大風呂敷」をたたみたいと思っている人が寄ってきてくれれば自然に事は為されますからねぇ。(笑)まぁ、これがプロジェクトってものでしょう。

独り言


今日は、「What を先に考え How は後で考える」について書いておきましょう。

得たい結果をWhatから先に考え、そこに至る方法は後で考える

 ハイテクを駆使した新製品の開発プロジェクトなどでは良くあると思いますが、現在手に入る技術では出来ないことをプロジェクトとして開始しなければならないことがあります。

 例えば、1970年に米国で自動車の排気ガスを規制するマスキー法が成立しましたが、当時、ほとんどの自動車会社はこの排ガス規制をどのような技術を使って、どのようにクリアするかどうか?分かっていなかったというわけです。

 この排ガス規制をクリアする技術を最初にクリアしたのがホンダのCVCC方式[1]のエンジンということになるわけですが、当然、マスキー法が成立した時点ではこれをクリアする技術をホンダは持っておらず、「マスキー法をクリアする」との本田宗一郎の一声での開発プロジェクトの見切り発車ということになったわけです。

 1962年ライス大学でのJ.F.Kの有名な演説があります。「10年以内に人類を月へ送り込む」

 これもプロジェクトとしては見切り発車ですが、実際に有人飛行で月の周回軌道を回るのが1968年のアポロ8号、人類が月面に立つのが1969年のアポロ11号となるわけです。もちろん、酒の席では「アポロは月へ行ってない」[2]の陰謀論について語るのも良いのでしょうが、ここではそれは本質ではないので無視して考えることにします。

 それで、やはりこういったプロジェクトに共通していることは、現状の視点で How の積み上げを考えるのではなくて、まずは将来の結果から What を出来るだけリアリティを持って考えてみる、ということになります。もちろん、ここで以下で書いたゴール設定のガイドラインを思い出してみると、将来に起こる現実を確信を持って感じることの出来ることがリーダーのひとつの特質ということになるのでしょうけれども・・・


さて、そこで思い出すのは以下のリンクで書いた心理療法家のミルトン・エリクソンの言語上のレトリックというわけです。



I dont know how I get .        ., I only know I do now and I am fulfilled.


ここで面白いのは、ひとまず、どのようにしてそれが得られたのか?の具体的なプロセスは保留しておいて、それが得られた場面を、心身状態を伴ってありありとイメージさせて、何かよくわからないのだけれど、そこからアブダクティブに起動される暗黙知による知恵に期待が寄せられているというわけです。

このあたりは現在、プロジェクトマネジメントの体系であるPMBOKの中にも含まれているTOC-CCPM法の中のバックワード・スケジューリング[3]と同じ考え方なのですが、


まずは、What (対象となるゴール)を考えて、それから How (実現手段やプロセス)を考えましょうという順番になってきます。

さらに、ミルトン・エリクソンが最終的なゴールが大きい場合、そのゴールをスプリット&リンキング、あるいはパーティショニングで細かくつないで一つ一つにアナロジカル・マーキングを設定するのはTOCの前提条件ツリーを書くのとまったく同じ理屈で行なっていることになります。


それで、もちろんバックワード・スケジューリングだけが万能ではないと思いますが、フォーワード・スケジューリングも引いて、バックワード・スケジューリングとの矛盾があるとしたら、これはこれはこれで自分が今持っている枠組みをとび出すチャンスであるわけですから以下のリンクで書いた方法で解消していけば良いのだろうなと考えています。

 
(つづく)

文献
[3] http://ebiz.uoregon.edu/poms2008/FullPapers/008-0203.pdf


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