2012年6月13日水曜日

ミルトン・エリクソンの治療戦略を理解する



混じりっけの無いミルトン・エリクソンの技法を簡単に知る方法って実は難しいのかなぁ。 Complete Works を全部読まなくってもという意味で(笑)。

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンの治療戦略を理解する」について書いておきましょう。

純正ミルトン・エリクソンが学びたいなぁと思った時

 個人的には別に心理学大学院で心理療法を勉強したわけでもないので、心理療法を行おうという企ては無いわけですが、コンサルタントという立場で、人の認識と行動に変化をもたらすためにミルトン・エリクソンの技法には、とても興味を持っているという事情があります。


それで、「ミルトン・エリクソンがどのようなやり方で何を行なっていたのか?」これを理解するのは実は結構難しい課題のように思えます。

 もちろん、ミルトン・エリクソンの心理療法は宗教ではないですが、仏教のメタファーで説明すると、仏教には、今現在色々な流派が存在するわけですが、その原典に戻って釈迦は一体何をやっていたのか?と疑問を持つのと同じような構図がここにあることになります。つまり、現在、エリクソンから派生した心理療法は色々な流派があるけれど、その源流であるエリクソンは一体何をやっていたのだろうか?と。

 これについて、例えば、エリクソン関係の良書で邦訳もされているビル・オハンロンの著作「ミルトン・エリクソンの催眠療法入門」[1]を読むという方法があるでしょう。もちろん、エリクソニアンはミルトン・エリクソンのデッド・コピーはエリクソン自身が推奨していないため、厳密に言うと本書は、オハンロンの視点で編集した解決指向のアプローチというオハンロンさんの解釈が入った一つの流派ということになると思います。

 また、MRIはどうか?というとこれもリチャード・フィッシュやポール・ウォツラウィック等の視点から編集されたエリクソンから分岐した心理療法の流派ということになると思います。

 ジェフリー・ザイクの翻訳も何冊かあったけれど・・・・・結構、分厚いのだよなぁ・・・・とか・・・

 それで、無いものねだりのようにも思えますが、1)出来るだけ純正のミルトン・エリクソンについて書かれている著作で、2)難易度は上で紹介したオハンロンの「ミルトン・エリクソンの催眠療法」と同じくらいの内容で、原則が簡潔、かつ体系的に書かれている著作がないだろうか?と考えてみましょう。

 実際そんな都合の良い著作があるのか?と疑問に思うわけですが、個人的にこのイメージに最も近いのが2005年に出版された「Hope & Resiliency: Understanding the Psychotherapeutic Strategies of Milton H. Erickson, MD [2]です。
 
 本書は著者3人のうち2人がエリクソンの次女であるベティ・アリス・エリクソン、三女であるロキサンヌ・エリクソンであるわけですが、ミルトン・エリクソンの技法の原典の部分だけに絞って書いてあるところが良いところなのでしょう。逆の言い方をすると「エリクソニアンと名乗る必要条件として知っておく必要のある知識と技法は何か?」の答えが本書というわけです。スティーブ・ランクトンがフォワードを書いており、推薦人は、ジェフリー・ザイク、アーネスト・ロッシ、ジェイ・ヘイリー、スティーブン・ギリガン・・・マダネス・・・と凄い面子となっています。

 タイトルも「Hope & Resiliency (希望と立ち直る力)」ということで震災から立ち直ろうと踏ん張っている今の日本にこそ必要な著作のようにも思ってきます。個人的には英語で読んだので良いのですけれど、かなり良い本なので誰か翻訳してくれないかなぁ?などと虫の良いことを考えているわけでもあります。

(おまけ)

著者のひとりであるロキサンヌ・エリクソンがミルトン・エリクソンが診療していたフェニックスの実家でインタビューに答えている映像があったのでリンクしておきましょう。彼女は普通にPh.D.持っているし、催眠は科学です・・・と言っているのが印象的ですかねぇ。


それで、ベイトソニアンにとって Pattern が、スターウォーズの Force に当たるとすれば、エリクソニアンにとっては Resources が Forceにあたるわけで、じゃぁ Pattern がResourcesなのか?と考えるとこれが、実はベイトソニアンとエリクソニアンの橋渡しをする非常に重要な概念になってくるように思ってきます。 
追記:ちょっと調べてみたところ、実はミルトン・エリクソンは Resources という言葉は使っておらず、ランクトンやザイクなどネオ・エリクソニアンな人たちによって持ち込まれたようです。


http://ori-japan.blogspot.jp/2012/06/blog-post_02.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/03/11.html


文献
[2] http://www.amazon.co.jp/dp/1904424937/


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