2012年6月23日土曜日

エリクソン催眠の特徴とは何か?



何かを学ぶ場合にとりあえず一度は原典、あるいは原典に近いところにあたるのが一番てっとり早いような気がしていますねぇ。

もちろん、そのものズバリを学習するのに併せて周辺知識をありったけ学ぶというのも、複雑系の視点から周縁を極大化して見たこともない新しいパターンとしての創発を起こすためには必要なのでしょうけれどねぇ。

独り言


今日は、「エリクソン催眠の特徴とは何か?」について書いておきましょう。

エリクソン派催眠の特徴とは何か?

今日は手短に。

Google Scholar 先生にあれこれクエリーを投げていたら見つかった資料をご紹介しておきましょう。


 ドキュメントのタイトルは「Hypnosis in Australia (オーストラリアにおける催眠)」というタイトルの論文集です。

 この論文集は1998年にオーストラリアで開催された臨床催眠の学会で発表された内容をまとめたものでかなり読み応えがあります。

 個人的には、ここに収録されている、エリクソニアンの重鎮先生のお一人であるマイケル・ヤプコ博士の論文「What is Ericksonian Hypnosis ? (エリクソン派催眠とは何か?)」とタイトルの付けられた p.353から始まる論文が結構お薦めです。

 この論文を読むとこのタイトル通りに3つのアプローチである 1) 古典(traditional) 2)標準 (standard ) 3) エリクソニアン(Ericksonian) の3つのアプローチが比較されており、以下のような比較表からエリクソニアン・アプローチがどのようなアプローチであるのか?非常に整理された形式で説明されていることになります。※標準的なプローチは実験として効果を検証する時に使う標準化されたやり方を指します。



比較項目
古典催眠
標準催眠
エリクソン催眠
個人毎にパーソナライズされたアプローチ
NO
NO
Yes
催眠は自然現象で日常でも経験しているという立場
NO
NO
Yes
自然主義的な技法
NO
NO
Yes
ヒプノシストの振舞い
権威的
権威的、もしくは許容的
権威的、もしくは許容的
使用される暗示のスタイル
直接的
直接的
直接的、もしくは間接的
(予め決められた)規則の順守
高い
高い
低い
力関係
ヒプノシストが決める
クライアントが決める
対等
コンテンツ指向か、プロセス指向か?
コンテンツ寄り
コンテンツ寄り
片方、もしくは両方を使う
各技法で定義されている催眠を経験出来る人
一部の人
一部の人
全員
抵抗の原因
個人の内面
個人の内面
個人の内面と対人関係の両方
抵抗への対処
対立、もしくは解釈
対立、もしくは解釈
利用(ユーティライズ)
催眠の深度を強調
Yes
Yes
NO
正式な被暗示性テストを実施
Yes
Yes
NO
施療プロセスの構造
直線的
直線的
モザイク
洞察の相対的価値
低い
低い
低い
症状の原因
個人の内面
個人の内面
個人の内面と対人関係の両方
対処的もしくは、要所をついた対応
片方、もしくは両方
対処的
片方、もしくは両方
二次利得の認識
NO
NO
Yes
無意識の特質
問題を起こす原因
問題を起こす原因
中立(プラスにもなりマイナスにもなる)
無意識の役割
(事後に)反応
(事後に)反応
(事前に)反応

 この表は、個人的にはギリガン博士の著作でもジェフリー・ザイク博士の著作でも読んだ覚えがあるので、このあたりがエリクソン財団の重鎮先生方の「エリクソン催眠って一体何?」ということを説明する時の標準的な回答ということになるのでしょう。

 それで、この表を読むとエリクソン催眠って、ある意味ものすごく格好の良いインタープレイを伴ったJazz の即興演奏のような手法だと思っているわけですし、ラディカル構成主義的でもろポスト・モダンだと感じているわけです。

 その意味ミルトン・エリクソンの技法は奥が深いし、まともに出来るとメチャメチャ格好の良い方法論というか技法だなぁとちょっとため息をついているところもあるわけです。

 文献
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