2012年7月9日月曜日

ミルトン・エリクソンとビル・エヴァンス


                                     

ビル・エヴァンス・トリオが「インタープレイ」と呼ばれるスタイルで Jazzの歴史を変えたのと同じでミルトン・エリクソンは「ユーティライゼーション」とスタイルで心理療法の歴史の流れを変えたようにも思えてきますねぇ。 もっともこの根底にあるのは同じ思想のように思えてきますけれど。

独り言


今日は、「ミルトン・エリクソンとビル・エヴァンス」について書いておきましょう。


 ビル・エヴァンスより前のピアノトリオでは、ピアノがソロを取る時は、ドラムとベースはひたすらリズムをキープするだけで余計なことはしないというスタイルがあたりまえだったわけですが、ビル・エヴァンスが登場するとピアノがソロを取っていても相手の音を聴きながら対等に演奏に絡んでいくというスタイルに変わっていったという歴史的な事実があります。

 それで、心理療法家のミルトン・エリクソンもそれまである意味心理療法家が主導権を取る手法、あるいはクライアントに合わせるという手法からある意味対等な立場で対話をするという手法への転換があるように思ってきます。


 それで、これを裏付けるかのように、American Journal of Clinical Hypnosis 2004年に寄稿された論文がこれを裏付けるかのように、それまでの「正式な催眠」から相互作用を重視した「催眠的な対話」への転換がどのように行われたのか?についてまとめられており個人的には非常に興味を惹く内容になっています。


 この論文を読むと、著者はシステム論としてオートポイエーシスを引用しており、療法家とクライアントの間に生まれる対話を含むシステムを生き物として見ていることが分かってきます。

 もちろんここではマトゥラーナとヴァレラの共著「知恵の樹」のレベルのオートポイエーシスということになり、ニクラス・ルーマンの社会システム論のオートポイエーシスではないと考えられますが、何れにしてもそれまで療法家とクライアントの関係が固定的で予定調和的だったものから、ある意味相互作用から生まれる予測のつかない創発を使ってみようという方向に変わった様子は見て取れると思います。

(つづく)

 文献
N/A

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com


0 件のコメント:

コメントを投稿