2012年7月30日月曜日

組織の問題解決のためのリフレーミング(その1)

                                     

ロジカル・シンキングっていうけれど、だれしも何らかの暗黙の前提をおいてロジカル・シンキングを行なっていて、ある意味バイアスがかかった状態で考えているのですよねぇ。

 これがいい意味で、検討に値することだけを考えるという卓越性にもなれば、悪い意味での盲点をつくる思考法にもなるのですけれどねぇ。


 もちろん、ここでその違いは何か?を探求するのがベイトソン流というわけなのですけれどね。(笑)

独り言


今日は、「組織の問題解決のためのリフレーミング」について書いておきましょう。

ひとは案外自分の認知バイアスに気がついていない

少し前のことですが、総務省の高度ITの人材育成プロジェクトにプログラム・マネージャとして従事したことがあり、ここでいくつか、といってもかなりの数のカリキュラム(のべ100日程度の講座)を開発して講座として提供してことがあります。

それで、このうちの一つがロジカル・シンキング[1]の講座だったわけですが、次期の経営幹部を含む中堅の社会人で、それぞれ勤務する会社の違う受講生の方々を対象にこの講座を提供していて面白いことに気がついたことがあります。


一般的にロジカル・シンキングは事実(領土)と推論(地図)を区别し、事実と事実の因果関係や相関関係を演繹法を使って正しく推論するということで成り立っていると思います。もちろん一部は帰納法を使って事実から法則を探すということになりますけれど・・・

それで、この時は、ロジカル・シンキングで考えてくださいと指示しても、多くの方は、演繹法や帰納法を行うプロセスにおいて、

l       個々人の経験からくる暗黙の前提で認知バイアス[2]がかかった状態で考えてしまう。
l       勤務する会社や業界の文化が暗黙の前提になって認知バイアスがかかってしまう。
l       ほとんどの方々は自分の認知バイアスつまり暗黙の前提に慣れ親しんでいて気づいていない。

というような状態でロジカル・シンキングを行なっていたことが分かったというわけです。つまり、演繹法の明示的な前提の奥に潜む暗黙の前提が思考プロセスや行動に大きな影響を及ぼしていたということになります。


それで余談ですが、以下に一般意味論の構造微分のモデルを使った知覚・思考プロセス、つまり五感の感覚と言葉を使った推論がどのようになっているのか?についての概要を示しておきます。




一般意味論的な人の情報処理のモデル(概要)
※ここで示すのはモデルであり一般的に人は直線的でシーケンシャルな思考をしているわけではありません。

    外的世界の出来事が存在する(Event Level
    外的な出来事の情報を五感から取り込み表象する(Object Level)
    上の情報について言葉によるラベリングを行う(Descriptive Level)
    認知言語学的には言葉の語彙から適切な言語を探す(プロトタイプ、カテゴリー化)
    言葉を使って記号操作としての推論を行う、この場合、経験から構築された思考の枠組み(フレームの)の元、演繹法、帰納法、アブダクションにのロジックを使う(Inference1 Inference2 etc )

上のプロセスを行うことで質感を伴った五感情報は削除され、言語、記号へと情報は抽象度を増す方向へ処理される。もちろん、この反対に言葉を聞いて五感情報を伴った形式で思い起こすことも可能です。この場合、削除された情報が具体化される方向になります。 また、記号・言葉で行う推論と身体感覚は相互に影響を及ぼす関係にあります。言葉や記号で推論した意味が身体に影響を及ぼし( Nuro-Semantic Feedback) 言葉や記号で推論した語感が身体に影響を及ぼす(Neuro-Linguistic Feed Back)ことになります。

話を元に戻して・・・


例えば、ロジック・ツリー(イッシュー・ツリー)を書いて問題の構造を整理してくださいという問題になった場合、知らないうちに自分でも気づいていない暗黙の前提をおいて考えてしまっていて、自分の会社や業界では常識でも、他の会社や業界からするとヌケモレのあるMECEになっていないロジック・ツリーになっているという具合になっていたという具合です。

もちろん、自分が少し恥ずかしい思いをするという実害のないお遊びの演習の場合は多少間違っていても問題ないと思いますが、一歩間違えば会社の命運を決するような大きな決断を行う場合、自分や会社の持っている文化のような認知バイアスがかかった状態で盲点に気づかず意思決定してしまうと大変なことになってしまう場合があるというわけです。

これは、市場環境が変化しているにもかかわらず、過去の成功体験の延長でものごとを考えているような場合もこの認知バイアスがかかった状態に入るでしょう。もちろん、日本の大手の会社のうちでもこのような意志決定をおこない経営が立ちゆかなくなっている企業も少なくないでしょう。

それで、メタファーなのですが、計測器などをつかって何かを定量的に測定する場合、その計測器自体に誤差がないかどうかを調整する必要がありますが、人が何かを観察して、物事を主に推論によって考える場合にも、人の認識が持っているバイアスを調整するような方法を考えておかなければならないと考えるに至った背景がここにあるわけです。

それでこの認知バイアスは家族療法などで活用されるリフレーミングを使って調整することが可能ですが、今日から何日かかけてこのリフレーミングを具体的にどのように行うかを書いていくことにしたいと思います。


(参考リンク)
http://ori-japan.blogspot.jp/2011/08/blog-post_30.html

(つづく)

 文献

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