2012年8月15日水曜日

組織の問題解決のためのリフレーミング(番外編)




リフレーミングのゴールは、例えば、葛藤や対立が解消される、あるいは解消できそうな案が出て、身体感覚を伴って腑に落ちるというところにいくのだと思います。

もちろん、ここでリフレーミングされる「自己」って何?って考えると非常に哲学的な話になってくるわけですが・・・(笑)

独り言


今日は、「組織の問題解決のためのリフレーミング(番外編)」について書いておきましょう。

葛藤を解消するプロセス

今日は、リフレーミングとも非常に関係が深いのですが、少し寄り道して「仏教瞑想による対立、葛藤の解消」について書いておきましょう。

リフレーミングと言うと、ネットなどにも多くの記事があふれていて単に「ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えれば良い」というような誤ったことが書いてあることも少なくありません。

リフレーミングということですから、あくまでも実体を見ている認識の枠組みが変化しなければ意味がないことだと思います。 

また結構安易に使われている、ポジティブ、ネガティブという言葉ですが、リフレーミングするほうの視点ではそうでも、リフレーミングされるほうの立場からするとそれがポジティブ、ネガティブであるかどうかは分からないというところもリフレーミングを難しくしているところでしょう。

つまり、リフレーミングするほうの視点でリフレーミングされるほうの言葉尻を捉えて言葉の言い換え(パラフレーズ)を行なっても認識の枠組みが変化するわけではない、ということになります。

もちろん、「組織の問題解決のためのリフレーミング(その1-その16)」まで書いてきたことは、禅問答ではないのですが、仕事や日常の場面で起こっている認識主体から見た二項対立のパターンをモデル化し、その対立をつくっている認識の枠組みからとび出すということを主眼においた方法をご説明してきたというわけです。

それで今日ご紹介するのは香港大学に提出された「仏教瞑想をつかった対立、葛藤の解消」と書かれた博士論文です。


もちろん、仏教瞑想と書いてあっても博士論文の形態を取っているため、心理療法や認知科学の知見を駆使して一般的に暗黙知の塊である、仏教の瞑想をなんとか形式知化しようという試みが非常に面白いところだと思います。

また、論文の最初のほうで、この著者は元々弁護士だったけれど、(そういう職業があるのがどうかは不明ですが)プロの交渉人にキャリアを変更した時の経験に基づいて書かれている云々と書かれていて博論でありながら空理空論ではなくて非常に実践的であることを感じさせます。

仕事の合間に読んでみたわけですが、流石に博論だけあって、仏教瞑想のプロセスに踏み込んで、自分自身、もしくは自分と相手の対立、葛藤をどのように解消したら良いのか?それが具体的なプロセスとして書かれているところもポイントが高い点です。

それで、リフレーミングということについて言えば、瞑想を通じて、仏教の概念である五蘊(Five Aggregates)[1]の関係性をリフレーミングするFive Aggregates Reframing Model (Five ARM)というモデルが中々素敵に思えてきます。

仏教の発見の一つとしては、結局、五蘊に自己は見つからない、つまり実体は無い、けれども、結局、自己、あるいは自己認識は何らかの関係性が縁起して成立しているわけだから、自己認識を変えるには、この関係性に働きかける必要がある・・・というのは、至極納得できる考え方のように思えてきます。


 もっとも、この論文ではグレゴリー・ベイトソンのフレーム(Frame)、もしくは間主観的なフレーム(Intersubjective Frame)を瞑想のASC(Altered State of Consciousness)の中でリフレーミングすることで自己認識を変えましょうというところがミソなのでしょう。 もっとも、この概念は心理療法家のミルトン・エリクソンの心理療法そのもののように思えてくるのも面白いところなのでしょう。


 それで、この論文の結論は、

1. 十二縁起のモデルより五蘊に働きかける方法は優れているでしょう・・・

2. Five ARM モデルは、構成主義者的な視点から個人の変容や対立の解消を提供するでしょう・・・

3. 課題としては、Mindfulness (三昧)のコンセプトを統合しなくては・・・

となっていますが、ある意味やっていることはミルトン・エリクソンの心理療法と非常に共通点が多いようにも思ってきます。もちろん最近は認知行動療法にもマインドフルネスのコンセプトが取り入れられていてなぜかアメリカ人がマインドフルネスと声高に言われているような気がしていると思ったりもしているのですが・・・・

(つづく)

文献

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