2012年10月9日火曜日

0.01%のレバレッジ・ポイントへフォーカスする


                                     

 昔、日本でやっていたQC活動って特に欧米でやらなくなった理由は、目的の明確でない活動に社内全体のリソースを振り向けるのを無駄と思うようになったから、というようなことを聞いたことがあるなぁ。

 ちなみに、今時、パレートの法則なんて言っているようでは、焦点化が甘いので、問題の解決は難しいように思えてきますねぇ(笑)。

独り言


今日は、「0.01%のレバレッジ・ポイントへフォーカスする」について書いておきましょう。

 レーザー・ビームのように問題の「おへそ」に焦点化する必要性

 日本でのビジネス・パーソンが読むべき書籍の中にランクインされることの多い、エリアフ・ゴールドラット博士の書いた「ザ・ゴール」[1]があります。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/10/blog-post_30.html

 もちろん、この中で紹介されている手法である TOC (Theory of Constraints)、制約条件の理論は、元々工場のプロセス改善から発展してきているためどこにでも単純に当てはめるわけにはいかないところもあるのはご存知の通りです。

 それでも、プロジェクト・マネジメント、サプライチェーン・マネジメント、工場のプロセス管理、営業プロセスの管理など色々なところに適用することができます。

 もっとも、このあたりの最新の手法がどうなっているのか?は2010年に出版された複数の著者の論文を集めた形式の「Theory of Constraints Handbook[2]に詳しく書かれています。

 この書籍を読んで個人的に面白いなと思ったのは、TOCが言っている「Focus」つまり「解決するべき課題の焦点化」という点です。ここではまず、有名なパレートの法則[3]を比喩として「80%の課題は20%の原因が生み出している」というような形式で紹介されています。

 もちろん、ここでは、俗に言われているパレートの法則では焦点化が甘すぎるというニュアンスで紹介されていることになります。本書によれば、パレートの法則が成り立つ前提条件として要素間の関係性をほとんど考慮していない時に限る・・・ということが書かれています。(個人的にはまだこのあたりが統計的に書かれている論文には当たっていないのですが、ここではそういうものなのだろうかなぁ?と考えておきましょう。)

 それで、これも比喩なのですが、会社で起こる課題の場合、色々な要素が相互に関係していると考えられるために


 Using Paretos vocabulary, one might say tat in organizations 0.1 percent of the elements dictated 99.9 percent of the results. This realization gives new meaning to the word focus.

 ある人はパレートの語彙を使って、0.1%の要素が 99.9%の結果を支配していると言うだろう。これが焦点化という言葉に新しい意味を与える。


 これは比喩で言うと、織田信長が少人数の騎馬兵士を従えて今川義元を打ちとった田楽狭間の戦いのようなことになってきます。

 つまり、企業が抱えている問題解決するためには、そのほとんどの問題の影響を与えている0.1%の要素を見つけ出し、その要素について、全体最適を指向して、これを活用することが肝要である・・・となってきます。上の織田信長の例で言えば、相手が何万人いようが今川義元だけ討ち取れば、相手は負け、そして敗走するというようなことになってきます。

 全体に影響を与える、ほんの少しの要素のことを英語では「レバレッジ・ポイント(Leverage Point)」と言い、日本だと「問題のおへそ」ということになるでしょう。

  つまり、織田信長ではありませんが、多くの企業に取って、打ち手を考え、そして実行するための資源としての人・モノ・金は無限にあるわけではありませんから、できるだけ大きな結果の得られるとことに効果的に投入する必要があるということになります。もちろん、パレートの法則を否定するわけではないのですが、デフレ、グローバル化が進展しているこの時期に「2080の法則」といって焦点化が甘い施策を悠長にやっている時期でもないということになるのでしょう。

 そこでやはり考える必要のあることは、現状を徹底的に観察そしてその背景にあるパターンを見て、問題のシステムの中でそこがレバレッジ・ポイントになるのか?徹底的に考えぬくという態度が必要でしょう。

 また、施策を打つ場合にも、他の要素を支配している0.01%の要素は何か?それを見抜く力が必要となってきます。(おそらくほとんどの場合は物理的な何かに縛りをかけている論理的なルールや規則ということになると思います・・・・)

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/09/12.html

 もちろん、これを見つけるためにコンサルタントの支援を仰ぐ必要があるのでしょうが、やはりこの0.01%の要素を的確に特定して、この要素をどのように使いこなすのか?を提案できるコンサルタントが良いコンサルタントのようにも思ってくるわけです。逆にこの発想がないと、あまりスジのよくない施策に大金を投じる可能性が多くなるのだと思います。
 
(つづく)

 文献

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