2012年10月17日水曜日

ミニマリストのためのプリシジョン・モデル


                                     

世の中、物事を発散思考でやたら複雑に考える人と、収束思考でやたら単純に考える人の2種類がいるような気がする。

もっとも、一概にどちらが良いとも言えないのだろうけれどねぇ。(笑)

独り言


今日は、「ミニマリストのためのプリシジョン・モデル」について書いておきましょう。

 最小限の言語パターンとモデルでコーチングを行ったら?

個人的にNLP(Neuro-Linguistic Programming)はエビデンスがないので眉唾のところもあるのですが、この中でも特にビジネス用にカリカリにチューニングされた「プリシジョン・モデル(Precision Model)[1]は結構使えるかな?と思っているので、これをちょっと紹介しておきましょう。

時間がないビジネス・パーソンな人にメタ・モデルを覚えてもらうものちょっと時間の無駄かなぁと思う時に、言語学者としてミニマリスト的発想を突き詰めているグリンダー博士の「プリシジョン・モデル」について考えてみると、その天才的な部分を垣間見ることができると個人的には考えています。まぁ、UCサンディエゴの正規のPh.Dもお持ちだしねぇ(笑)

 もっとも、ぶっちゃけ、エビデンスのあるソリューション・フォーカスの質問とあまり変わらないようにも思えてくるわけですが・・・・(人の認識でベイトソンが言っているクレアトゥーラの世界になるので)変に過去の状況に退行させて原因分析をしない・・・というところには着目する必要があるように思ってきます。

それで、プリシジョン・モデルの具体的な内容として、元々認識論(Epistemology)をベースにしているので、認識の対象として何をどのように認識しているのか?に焦点を当ててもらって認知バイアスを補正するような形式の5つの言語パターン+3つのフレームからなります

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/01/blog-post_14.html

想定している状況は、ビジネス上のコミュニケーションで曖昧な部分を確認していってお互いが明示的に話していない暗黙の前提までを共有するために使うというような場合に威力を発揮すると思われます。もちろん、この目的のために使用するのが5つの言語パターンと3つのフレームというわけです。それで、始めは相手の話しているコトバがこのパターンに当てはまっていないかどうか?を聞き分けるところから始めます。(情報の入力)

個人的には、コーチングの練習なども、あまり難しいことを考えずに、まずはコトバのキャッチ・ボールだと思って使用出来る技法を「プリシジョン・モデル」だけに絞って初めてみるのは良いアイディアだと考えています。もちろん、普段自分が使っている思考のフレームが、過去ばかりにあるといった人だと発想の転換が必要かもしれませんが・・・

それで、具体的な「プリシジョン・モデル」は以下になります。

プリシジョン・モデル
ポインター(話し手からの起点となる情報)
(聞き手の)応答例
質問の方向性
不特定名詞
特定されない名詞や目的語
:人は私を軽くみている。
具体的に誰が軽くみているのか?
名詞や目的語を具体化する方向
不特定の行動
特定されない行動や関係性
:コトバでコミュニケーションするのは苦手なんです。
具体的にどのようなところが苦手だと思っているのですか?(どのようなコンテクスト?どのような知覚、認識プロセスで苦手だと思っているのか?) 
問題の状況を行動や関係性の点から明確に定義する。(陥りがちなパターン)
普遍性
過度の一般化
:彼女はいつも文句ばかり言っている
いつもそうなのですか? そうでなかったこと(例外)は一度もないのですか?度どいかんションル Model)tic Programming)------------
------------------------------
一般化にあてはまらない例外を探す。
バウンダリー
行動を制限しているルールや制限を明示する
(1)    必要性 (~なければならない、~する必要がある・・・)例:上司の許可無く質問するべきではない
(2)    可能性(~は無理だ、~出来ない・・・)例:私は彼とうまくやってくるのは無理だ。

「もし、質問したら何が起こるのでしょうか?」

「何が彼と上手くやっていくのを止めているのでしょうか?」

行動を制限するルールを明確にする。

行動を制限する原因となっている(認識の中にある)ルール、考え方、考え方の枠組みを明確にする。
比較
表明されていない比較対象(~より多い/少ない、良い/悪い・・・)
物事を変えることはあまり良いことではない。
具体的に何に比べて良いことではないのか?
何を比較対象としているのか?比較項目は何か?を明示する。



フレーム(枠組み)
手順
アウトカム・フレーム
ありたい姿ややり取りから得られるゴールを描く
コントラストを付ける
「現状と望ましい姿(ありたい姿)の違いは何でしょうか?」
エビデンス
「望ましい状態に近づいていっているというのは具体的にどのようにして分かりますか?」
AS-IF フレーム
ゴールや望ましい状況を既に達成しているとしてらどのように振る舞うのか?(たら、れば、で考える)
ゴールまでの道筋を見つける
「望ましい状態に至るまでどのようなステップを取れば良いでしょうか?」
既存のしきい値を超える必要性
「もし、その課題が解決できるとしたら、あなたは何をするでしょうか?」
バックトラック・フレーム
ゴール達成に関する情報についてレビューを行う
振り返り 
「これまで話してきたことについての要点は何ですか?」
ミッシング・リンク --- 要素、思考、行動などをゴールに結びつける
「そのことは、ゴールを達成するためにどのように役に立ちますか?」

※ポインターは開発言語であるC、C++で使われているような意味。実体は身体の感覚、その中にある意味であり、それを示している言語という意味でのポインターとしている。

 もちろん、この言語パターンを駆使する時の前提は、ラポールが構築された状態で相手の話をきちんと傾聴しながら活用することが必要です。またこの言語パターンは効果的なタイミングで活用すると相手に「切れ者」であることを印象付けることもできます。(一緒に仕事をしたことのある某西海岸系外資系企業の営業チームがこのモデルのような感じで週次の進捗のマネージメントをしていたように記憶していますが、MBO:Management by Objectives でやるマネージメントとはとても相性が良いように思ってきます。

但し、何事も「過ぎたるは尚及ばざるが如し」で、基本的にこの言語パターンは「現実や事実」に向かい合い、それを(コトバとして)意識し、明示、詳細化する、という方向になるため、使い過ぎると場の雰囲気を壊したり、ラポールを切ったりする恐れがあること、また、あまり使い過ぎると「やたら細かいことが気になる神経質な雰囲気」や「なんとも言えない小物感」が醸し出されるのでそこの部分は注意ということになるでしょう。

もちろん、日本の文化的な背景を考えるとプリシジョン・モデルの方向は山本七平氏の言う「空気」や井沢元彦氏の言う「言霊」に冷水を浴びせ、このような状態を覚ます方向になってくるので、場合によっては上手く機能しない場面も出てくると思います。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html

もちろん、「何の根拠もない大物らしさ」を演出する必要はないと思いますが、こうならないようにするためにどうすれば良いのか?は明日以降に書くことにしたいと思います。


(つづく)

 文献
[1] http://www.amazon.co.jp/dp/1555520499/

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