2012年10月28日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その7)コーピング・クエスチョン


                                     

過去の対処方法を尋ねるというのは「いままで何とかなったんだ!」といった自信を引き出す意味では有効かもしれないけれど、今起こっている課題にその対処方法をそっくりそのまま使えるか?と聞かれるとちょっと難しいところがあるなぁ。(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その7)コーピング・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その7:コーピング・クエスチョン

 余談から、心理療法家であるミルトン・エリクソンの晩年に学んだ弟子でエリクソニアンを代表する一人でありスティーブン・ギリガン著「The Courage to Love」を読んでいたら個人的に興味あるところに出くわしました。その本には以下のような記述があります。


 For example , traditional therapy often focuses on the suffering and pain in a person  and misses the strength , resources and happiness in a clients world. Solution-focused and other contemporary approaches are at the risk of ignoring and rejection the suffering of the person and the world .

  例えば、伝統的なセラピーはしばしば、人の苦悩や痛みに焦点を当て、そして、クライアントの世界における強み、資源や幸福を探しそこねてしまう。ソリューション・フォーカスや現代的なアプローチは人や世界の苦悩を無視したり、拒絶してしまったりするリスクがある。


ミルトン・エリクソンの心理療法は「艱難汝を玉にす」で困難をリソースや強みに転換するところを狙っているところもあり、単純にポジティブ・シンキングを行えば良いといったことではないところには注意が必要だと思います。もちろん、ミルトン・エリクソン→MRI(パロアルト派)→ソリューション・フォーカスト・アプローチ(ミルウォーキー派)と発展してきたソリューション・フォーカスト・アプローチもともすれば単になんでもポジティブに考えれば良いとなってしまう傾向があるところには注意が必要なのでしょう。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html

それで、今日はソリューション・フォーカスト・アプローチのコーピング・クエスチョンについて書いておきましょう。


Coping questions If a client reports that the problem is not better, the therapist may sometimes ask coping questions, such as, for example, "How have you managed to prevent it from getting worse?" or "This sounds hard-how are you managing to cope with this to the degree that 'you are?"

コーピング・クエスチョン:もし、クライアントが問題はよくなっていないと報告したら、セラピストは例えば以下のようなコーピング・クエスチョンを尋ねるかもしれない。「それが悪化することを防ぐために、これまで、どのように対処してきましたか?」もしくは「それは大変ですね、あなたが望んでいる程度まで、それにどのように対処しますか?」


この質問は基本的には問題の要素に当たっている焦点を、ストレスのある辛い状況で、これからどのように解決していくのか?具体的な解決策に切り替えるために使われる質問です。具体的な解決策を見つけるためにエクセプション・クエスチョン(例外探し)と併せて活用されます。[2]

 個人的に考えていることは、過去上手対処できた場合を尋ねるコーピング・クエスチョンの場合、「過去上手く行った対処を現在抱えている問題にたいして適用しても、必ず上手くいくとか限らない」ということです。もちろん、過去上手く行った状況、過去上手くいった具体的なやり方に焦点を向けることで、「自信」や「なんとかなりそうだ」という身体感覚をリソースとして引き出すことはできるでしょう。

 しかし、現在抱えている問題、あるいは将来に解決したい問題についての具体的な方法について、過去の対処方法を持ち込む場合は、コンテクストを丸めた形式で抽象度を上げて一般解として現在、あるいは未来に持ち込む。また、エクセプション・クエスチョンを活用して上手くいかない中にも少しでも上手く行った部分を例外として取り出してくる、というような方法で具体的な対処方法を考える必要があると考えています。

 もちろん、ここでダブル・バインドにハマった場合はお得意の対立解消のプロセスを回すという形式でこの対立を起こしている枠組みを超える対処方法を見つけるということになると思います。


 (つづく)

 文献
[2]http://www.pacwcbt.pitt.edu/Curriculum/301EnggngClntsFrmAStrngthBsdSltnFcsdPrspctv/Hndts/HO9SltnFcsdIntrvwngSklls.pdf


記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿