2012年10月31日水曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その10)リレーションシップ・クエスチョン


                                     

こんなことを言うと怒られるかもしれないけれど、ソリューション・フォーカスト・アプローチは、普通の人への「普及のし易さ」「理解のし易さ」に主眼をおいてつくられているように思うなぁ。

この手法の元になっているのはミルトン・エリクソン、で、エリクソンの技法を学ぶには暗黙知を暗黙知として密教的なところを学ぶ必要があるし、普通の人には難しく、機能主義や要素還元主義、直線的な因果関係では理解できないため、ともするとスピリチュアルなどの不思議系に陥ってしまうように思います。

また、エリクソンの暗黙知を形式知化したMRI (Mental Research Institute)のほうは、結構、学術的で論文をワシワシ読まないといけないので、一般人や企業対象の研修でちょこっと教えるというようなわけにもいかないように思います。

で、エビデンスがあって手法自体は難しくないのは何?・・・と考えるとソリューション・フォーカスト・アプローチあたりが適当かなぁ・・・と思うわけです。もちろんこの手法の先生でもやろうと思ったら、理論や技法の根幹を知るために、エリクソンもMRIも勉強しないといけないのだろうけれどねぇ、と思っているわけですが・・・(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その10)リレーションシップ・クエスチョン」について書いておきましょう。

 技法その10:リレーションシップ・クエスチョン

 心理療法家のミルトン・エリクソンの全集的な著作である「Complete Works」に書いてあった記憶があります。

エリクソンは、クライントの首から上は覚めていて、首から下をトランス状態に誘導することができたことです。おそらく、このような状態になると普段クライアントが恐怖心を持つ場面を想像しても体はトランス状態で恐怖を感じるという反応が出来なくなっているように思います。つまり、宙ぶらりんの視点だけそこにあることで、普段、その状況で恐怖を感じているという反応は自分が作り出しているわけであり、それ以外の反応も選ぶことができるということに気がつくことを期待されている状態だというわけです。

 もちろん、普通の人がエリクソンのような神業的な技法を簡単にマスターして使えるわけもないですし、出来たとしても企業研修などで使うと非常に怪しいということになるので、エリクソンが行ったことを質問か何かに還元して、もっと簡単に行うことはできないか?というとても虫の良い考えがここでのテーマとなります。

 個人的には、エリクソンが使った上のような技法は以下で書いた風姿花伝に書かれている「離見の見」、


つまり、主体が舞台上で自分が能を舞っているという心身状態の感覚を持ちながら、同時に、舞台の後ろから舞台に居る自分を冷静に見つめているまなざしを持つというようなメタ認知を行なっている状態が共存している状態を引き起こしているのではないかと考えています。

もちろん、舞台の後ろに居るのはどのような視点なのか?ファンなのか?厳しい評論家なのか?あるいは単純に動作などを冷静にチェックしているだけの人なのか?についての議論はあると思いますが、ここでは単純に事実だけを見つめてフィードバックをくれる冷静なまなざし、としておきましょう。

 そこで、今日のテーマである「リレーションシップ・クエスチョン」[1]ということになります。ソリューション・フォーカスト・アプローチを創始したスティーブ・ド・シェザーは、MRIのリチャード・フィッシュと交流していたと思いますが、この「リレーションシップ・クエスチョン」の理論的背景にあるのは、同じMRIの研究員であったポール・ウォツラウィックの書いている囚人の話のように思えてきます。

 
 もちろん、「リレーションシップ・クエスチョン」自体は難しいものではなく、単純に「友人、上司、妻、夫、など」の視点になってあなたを見たら(事実として)どう見える?と尋ねる質問です。

 例えば、

    あなたが非常に落ち着いた気持になった時、あなたの一番仲の良い友だちはあなたのその様子をどのように表現すると思いますか?
    あなたがそれに成功した時、友だちはあなたのどんなところが違っていると指摘すると思いますか?

もちろん、以下のリンクで書いたようにミラクル・クエスチョンなどの質問と併せて使うことが出来ます。


 (つづく)

 文献

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