2012年11月18日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編11)ミラクル・クエスチョン:二重記述と三方良し、の構図

                               


ベイトソンさん、ごめんなさい。あなたの言っている、二重記述、多重記述の効力が仕事や日常生活の場面でこんなに強力な力を発揮するものだとは思わず、これまで舐めていたところがありました・・・・

 ソリューション・フォーカスト・アプローチはやはり人類学者のグレゴリー・ベイトソンの研究がベースになっていて、色々な技法の裏にベイトソンの考え方が取り入れられているのが分かるのが面白いですねぇ。

それで、ミラクル・クエスチョンについては二重記述/多重記述あたりですかねぇ。「精神と自然」や「精神の生態学」を読んでいれば自ずと分かってくるように思ってきます(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編11)ミラクル・クエスチョン:二重記述と三方良し、の構図」について書いておきましょう。

ミラクル・クエスチョンと二重記述

 人類学者のグレゴリー・ベイトソンは、情報を「A difference that makes a difference.」(違いが生み出す違い)と定義しました。

 もちろん、ここで、サイバネティックス的に「見るものと見られるもの」つまり、見られる対象と見ている観察者のループを考える必要があると思います。要は、日本語の「お互い様」という視点が科学に持ち込まれたというわけです。(笑)

もっとも、この2つから考えると、「同じ対象を見ている場合にも、異なる2つの視点から見れば、そこに情報が生じる(人の場合は気づきが生じる)」という言い換えにも思えてくるわけです。

 それで、ベイトソンは異なる視点からある対象を観察し、そして記述するやり方について、視点が2つの場合は二重記述(Double Description)、多数の場合は多重記述(Multiple Description)という概念で表しています。[1]

 もちろん、これが日常生活や仕事にどのように役に立つの?と即物的な質問をされると少し困ることになるわけですが、例えば、ソリューション・フォーカスト・アプローチのミラクル・クエスチョンにこの考え方が取り入れられていて、誰でも手順どおりに五感に焦点を当てて二重記述を行えば、問題の解決などについてなんらかの気づきが得られるということになってきます。

 これについて少し考えてみましょう。ミラクル・クエスチョンは、おおよそ以下のような形式の質問です。

「あなたが眠っている間に奇跡が起きたとします。その奇跡とは、この面説で相談しようとしていた問題が解決するということです。でも奇跡は眠っている間に起きたので、あなたは奇跡が起きたことに気付きません。さて、次の朝、あなたはどうやって奇跡が起きたと気づくでしょうか?」

もちろん、この質問が少し誤解されているところもあるのですが、仮に奇跡が起こったとして、自分の視点でどのように感じるのか?といった当事者の視点だけでイメージを引き出す質問しかしていないとしたら、この質問はほんの少しの能力しか発揮していないことになります。

つまり、本当の意味でのミラクル・クエスチョンは、問題が解決して奇跡が起こっている場面を、

·        自分の視点
·        相手の視点
·        メタの視点:そのコンテクストから抜けだして、その場面をまるで映画の観客のように見ている視点

それぞれの視点でイメージして観察し、さらにそれぞれのイメージを What else ? (他に何に気づきますか?)で広げ、臨場感を高めた後で、そのうち最低2つを使って二重あるいは多重に記述することで、そこから生まれる何らかの情報を気づきとして受け取ってこそ、その真価が発揮される質問ということになります。もちろん、この視点は、近江商人の言っている「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方良し、をチェックしている視点と考えても良いでしょう。[2]


余談ですが、相手の視点を想定した自分を観察することについては以下で書いたようにもうすこし別のロジックがあるのですが・・・




それで、一般的なソリューション・フォーカスト・アプローチには、メタ視点は明示されていませんが、ゲシュタルト療法のエンプティ・チェア技法[3]と同じように、知覚に焦点を当てて自分の視点と相手の視点を行き来していると、アブダクティブなロジックのもと、いつの間にか視点がそのコンテクストの枠組の外、つまりメタ視点に出ているということになります。

もっともメタ視点の何が良いのか?というと以下で書いた問題に対する外在的思考に近づいている、あるいは外在的思考が出来ていることで問題に冷静に対処できるようになっています。

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/10/blog-post_12.html

それで、こういった視点の切り替えを明示したミラクル・クエスチョンの流れは以下に示しています。



一般的にはミラクル・クエスチョンは問題や悩みから始めることになりますが、いくつかの視点を行き来することで、このセッションを行った後、最初に設定した、問題や悩みに対する印象や感じ方をチェックするようなプロセスになっています。

もちろん、ミラクル・クエスチョンのセッションを通して認識の枠組が超えられていれば、当初の問題や悩みに対する印象や感じ方は良い意味で随分変化していることになると思います。

余談ですが、ミラクル・クエスチョン+視点の切り替えは、日常生活のちょっとした問題解決から仕事上の問題解決に結構使い勝手が良いフォーマットだと思っています。プロジェクト・マネジメントのステークホルダー・マネジメントなどにも良いですねぇ。

ちなみに部屋の片付けとかやる前にミラクル・クエスチョンのセションをやってイメージをつくってやると体が勝手に片付けるような感じで部屋が綺麗になってますねぇ。(笑)

(関連リンク)

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/11/blog-post_17.html

(つづく)

 文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿