2012年11月21日水曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編14)スケーリング・クエスチョン:抽象度の違うものを比較するーつづき


                                  

 スケーリング・クエスチョンってアナログな感覚にデジタルのシンボルをリンクする行為だよねってお話・・・

20年くらい昔ですが、竹村健一氏の著作で「シンボル・アナリストの時代」というのがありました。

これは、UCバークレーの公共政策大学院教授のロバート・ライシュの考え方を竹村氏の解釈で紹介した著作だったと記憶しています。

 それで、いきなり、ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)のスケーリング・クエスチョンの話をします。

適用範囲は随分違いますが、スケーリング・クエスチョンは、「シンボル・アナリストの時代」に書かれていたことと同じ理屈で、アナログな感覚とデジタルなシンボルを結びつけて、デジタルのシンボルを動かすことで、アナログの感覚を動かすということを行なっています。つまり、裏にある発想は同じだなと思ったわけです。

SFAの場合はスケーリング・クエスチョンの数値がシンボルの役割を果たしていることになります。

 それで、こんなことを書くと、広告屋さんとかマーケティング屋さんが喜びそうですが、心理学の世界で「条件付け」とか「アンカリング」と言われていることを意識しないで行う質問ということになるわけですねぇ。(笑)
 
   独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編14)スケーリング・クエスチョン:抽象度の違うもの比較するーつづき」について書いておきましょう。 

主観的だけれど定性的な情報を定量的にあらわす意味

 さて、SFAの技法の中の1つであるスケーリング・クエスチョンについて、昨日に引き続いて再度書いておきましょう。この質問のねらいについて昨日書いていますが、


ここでは、「主観的だけれど定性的な情報を定量的にあらわす意味」に着目しながら読み進めてみることにしましょう。[1] スケーリング・クエスチョンの基本的な使い方は、ゴールを意識しながら現状を聞いて、それを上げた場合(下げた場合)の違いがどう分かるのか?そして、適時それを上げる(下げる)条件や具体的な方法・・・などを質問するという方向で活用します。

現状把握:SFAは、通常のコンサルタントが使う FIT-GAPを使っているところがあるため、まずは現状把握が重要です。但し、この現状は、主観的な定性的な情報を定量的に変換されたような形式で答えられるように質問されます。また、ここでは、原因分析をするようななぜ?は質問しません。

 例えば、ミラクル・クエスチョンの後は、「いままで経験した最悪の問題が1で、奇跡が起こって解決された時が10であらわすとすると、現在はいくつですか?」を質問する形式です。

 答えは、「2」です、とか「5」ですといったことになります。

 答えが、7や8のように高い値は「そのために何をしましたか?」「具体的にどのようにしてその値に高めましたか?」を聞くことになるでしょう。もちろん、この場合もクライアントがゴールに着いていないと思うのであれば、基本的には10を目指して何かを続けてもらう形式になると思います。

変化の認識と方向性:また、現状が2のように低い場合の対処です。その場合は、

「数値が4になったら何が違っていると思いますか?」「数値が5になったら何が違っていると思いますか?」のように質問します。

 そして、「現状の2を1上げるためには具体的に何をしたら良いですか?あるいは何をする必要がありますか?」のように質問します。

変化を起こしたいか?という気持:また場合によって変化を起こしたいのか?そのことを率先してやりたいのか?やる気がどの程度があるのか?を質問することになります。もちろん、基本は現状を聞いて、数値が低ければそれを上げる方法を考えてもらう方向になります。

「やりたくないが0で最高にやりたいが10だとすると、そのタスクをやりたい気持は今どれくらいですか?」

変化に対する自信:また、場合によってはそれを行うことが出来るという自信、あるいはセルフ・エフィカシーを向上する必要があると思いますが、これも現状について聞いて高ければそれを起こすパターンを聞き、低ければ上げる方法を模索する方向になると思います。

「0がまったく自信がなく10が自信満々だとしたら今いくつ?」例えば「8」だとすると、「何があったらそんな高くなるのですか?」というように必要条件などと聞き出す方向になると思います。

 また、逆に低い場合、例えば、「2」だったとすると、「これが3になったとして、それはどこで分かりますか?」「そのためには何が必要ですか?」といった質問になると思います。

 もちろん、根拠の無い自信を高めても仕方がないのですが、ゴール達成についての必要条件が整うことと連動するように、あるいはそれが分かった上で実行できるという確信が自信と連動しているように、支援するという形式になると良いと思います。

関係性を伴う定性的な情報の定量化、もちろん主観的に・・・

 さて、2回目以降のセションでのスケーリング・クエスチョンについても書いておきましょう。

 プロジェクト・マネジメントではないのですが、この質問が効果を発揮するのはやはり進捗や変化の把握です。

初回のセッションでのエクセプション・クエスチョンによる例外探し、つまり当面のゴールや目標をミラクル・クエスチョンでイメージされた状態を達成するために少しでも役に立つことを見つけて利用するように宿題が出ているはずなので、この宿題を真面目にやっていればネガティブ・フィードバックからポジティブ・フィードバックによる情報の収集と活用に慣れているはずだと思います。もちろん、余談ですが、このことは心理療法家のミルトン・エリクソンが利用できることは何でも利用するユーティライゼーションから来ています。

ゴールへの進捗、そして状態:2回目に聞くのは、基本的にはゴールへの進捗と状態です。つまり英語で言えば、最初に口をついて出てくるのは「Whats better ?」ということになります。

例えば、「前回のセッションの終わりを0-10の5とすると、今はいくつですか?」のような質問です。そして、前回から比べて「6」とすると、「今何が起こっていますか?どこが良くなりましたか?」「1ポイント上げるために何をしましたか?」「そのために家族や友人、同僚は何をしてくれましたか?」質問になります。

 もちろん、そこからよりポイントを上げるための良い意味での例外を見つけ、その時の状態、やりたい気持、自信を確認しながら、具体的にゴールへ近づく方法を考えてもらうことになります。

リレーションシップ+スケーリング・クエスチョン:このあたりは家族療法にも活用されているSFAらしいところなのかもしれませんが、相手との関係性においてもスケーリング・クエスチョンを活用することが出来ます。

以下のリンクのミラクル・クエスチョンのところで書きました。ゲシュタルト療法のエンプティ・チェア技法ではないですが、いくつかの視座を変えて、関係性を強化したり、弱くしたり、変化させたりというのは非常に重要なことです。


 もちろん、世の中のほとんどの問題は関係性の中で起きているため、この関係性を強化したり、弱くしたり、あるいは変化させたり出来れば、その問題も変化するということになると思います。

 リレーションシップ・クエスチョンとスケーリング・クエスチョンを併用すると以下のような質問になります。もちろん、この場合、あなたと家族の関係、夫と妻、上司と部下、商品を取り巻く自社と顧客、プロジェクト・マネジメントの利害関係者など色々な関係性で起こる問題の解決について活用することが出来ると思います。

 それで、質問は以下のようなものになると思います。

「あなたが相手に対して抱いている問題を1-10で表すとしたら、今日はどれくらいか?」「相手の視点から、相手に同じことを聞いたら何点と答えるか?」「相手の視点から、相手にあなたの評価を教えたらどのように答えると思うか?」という具合です。もちろん、これは相手の立場であなたを評価するということになりますし、お互いの立場や認識の違いを考えてみるというきっかけにもなっていることになります。

 それで、相手の視点から「それが5から6に1ポイント変化したら、彼らはあなたにのどこが違うことに気がつきますか?」「ゴールを達成した時、あなたに対する関係性がどのようにかわりますか?」というような質問となります。

 また、相手の自信やモチベーションがどの段階にあるのか?と質問することも有効です。「相手はそのこれをどれだけ進んでやりたいと思っているのでしょうか?0-10の何点?」「それを1ポイント上げるには何が必要でしょうか?」「相手が好んで協力してくれるためには何が必要なのでしょうか?」

 という具合です。

 家族療法的に、家族やグループの関係性の中で起こる問題に対してスケーリング・クエスチョンを活用するのは少しコツが居るのかもしれませんが、結構役に立つ技法の一つではないかと思っています。

(つづく)

 文献

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