2012年11月25日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編18)フィードバック


                                  

 コーチングでコーチングがクライアントにきちんと「フィードバック」を行うためには、それが事実の記述だという概念を理解することと、ある程度の練習が必要なのですよねぇ・・・・

事実は自分で選べないけれど、その解釈やそこから起こる気持、あるいは行動というのは選べるものです。

もちろん問題の多くはそのコンテクストで事実と解釈を混同したことで起きているように思ってきます。つまり、そのコンテクストで、それしか解釈がない、それしか取るべき手段がないと考えてしまうこと。それで、この混同をなくすために、一度、事実と解釈の間に線を引いてみるというのもよいのかもしれませんねぇ。

もちろん、一般意味論のアルフレッド・コージブスキーが言った「地図はそれが示す土地と同じではない」あるいは「言葉はものではない」というのは「事実は解釈と同じではない」ということと同義ということになりますし、「地図と土地」の区別をつけてもらうことがブリーフ・セラピーをベースにしている方法論の特徴の一つでもあるわけです。

もちろん、事実と解釈がごった煮になっているところに、コーチが事実が何か?という示唆を与えて、クライアントさんに引き算で自分の解釈に気づいてもらい、そのコンテクストで別選択肢としての解釈や行動がありうることに気づいてもらうことがコーチングのフィードバックのねらいということになるわけですからねぇ。 

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編18)フィードバック」について書いておきましょう。

フィードバックとコンプリメントの違い

一般的なコーチングでフィードバックと言えば、コーチからクライアントへ何らかの情報を返すことですが、そもそも論に立ち返って「フィードバックとは一体何か?」の質問の解答を考えると結構難しい質問をされているように思ってきます。

個人的な理解として、ソリューション・フォーカス・アプローチに基づくコーチングについて考えると、クライアントに客観的な事実を返す、フィードバックと、主観的な気持を表明する労い、承認、賞賛などを含むコンプリメントがあると考えています。もちろん両方とも重要で、フィードバックだけだと何か堅苦しくなりますし、コンプリメントだけだと何か意味もなく褒められていて一体何なんだ、という感じになるようにも思います。

 それで、特にフィードバックとは何か?と考えると、一般意味論の視点からことばの使い方説明した著作「言語力:認知と意味の心理学」[1]に報告文の作り方ということが説明されており、個人的にはこれがフィードバックを行う上で非常に役に立つように思ってきます。

本書によると報告文は以下を満たす必要があることが指摘されています。もちろん、個人的にはコーチングにおけるフィードバックもこれと同じ条件を満たした情報を返すことであると思っています。


    主語を「私は」にする
    時制は「過去形」にする
    ビデオ映像で示せるように、行動の言葉で記述する
    形容詞、形容動詞を使わない
    引用をしない


このガイドラインに従ってフィードバックのための報告文をつくってみましょう。

それで、はじめに、あえてこれに違反した報告文になっていない文をつくってみましょう。


私は、昨日の夕方電車に乗りました。車両がぎゅうぎゅう詰めでとても混んでいました。一人大きな音で音楽を聞いている若者が居てイヤホンから音漏れがしていて、近くに居た私はとても嫌な気持になりました。この前読んだ書籍によると大きな音で音楽を聴き続けると難聴になるらしぃです。


 読んでみるとお分かりのように、事実と主観が入り交じっていって報告文のガイドラインからするとこれは良くない例ということになります。

それでは、これを上のガイドラインに照らしあわせて少し添削してみましょう。


私は、昨日の夕方電車に乗りました。定員100名の車両に200人ほどの人が乗車していて肩と肩がふれあい隙間のない状態でした。私の隣にイヤホンをして音楽を聞いている男性が乗車しており、私は、イヤホンから音楽の音が漏れているのを聞きました。


という具合になります。

もちろん、ここでは事実で考えないといけないといっているわけではなく、前者の主観的な価値観が入った文章から後者の事実を記述した文を引き算すると、あなたの解釈、それに対する気持、ひいては信念・価値観、世界観が垣間見えてくる、ということが言いたいわけです。

それで、ここで、満員電車は嫌だなと思うことも選択肢の一つですが、同じ経験をしていてもそれ以外の解釈が出来るわけですし、行動として、対策を取る、例えば、立ち向かうこともできれば、それを避けるという方向に動くことも出来るということが分かってくるわけです、もちろん、近くの男性が例えば iPodのようなデバイスで音楽を聴いていて、イヤホンから音漏れしているのを聞いて、嫌だなと思う選択肢を取ることもできれば、耳栓をする、あるいは自分のiPod で音楽を聞く、あるいは別の車両に移るなどの選択肢が取れることに気がついてくるわけです。もちろん、こんな軽微なことではなくもっと実害がある場合は駅員に通報するというような選択肢になるでしょう。

 そう考えると、一般的なコーチングの場面で優秀なコーチは、クライアントに、「今悲しそうな顔をしましたね」ではなく「今、ため息をつかれましたが、この件についてはどのような気持をお持ちなのですか?」と質問をするのがフィードバックなのですが、これはコーチの主観的解釈をクライアントに押し付けないだけではなく、別の解釈もあり得るよねぇというメッセージを示唆しているようなところにもつながってくるわけです。

もちろん、心理療法のミルトン・エリクソンを例に取ると、意図的に一般意味論で言う「地図と土地」の混同を示唆している場合もあるのですが、これが混同と理解できるのも、まずはその区別がついているから、と指摘したいと思います。

それで、まとめておくとコーチングでコーチが意識した形式できちんとフィードバックを使っているのか?を考えると結構難しいところもあるように思ってきます。もちろん、何がフィードバックなのかが分かっていないと単なる世間話ということになりますからねぇ。(笑)
 
(つづく)

 文献

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