2012年11月30日金曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編22)ブリーフ・セラピーの特徴(復習)

                               

 物理的な世界の変化はレンガをひとつひとつ積むような連続的で直線的な変化で時間はそれなりにかかる、論理的な認識の世界の変化は、非連続で曲線的で創発的な変化、変化する時は一瞬。それで、世の中の問題は、この相互作用、つまり自己の投影としての物理的な世界、物理的な世界の投影としての認識論的な自己の循環の中で起こっている・・・・

 日常生活や仕事の場面での問題解決について、個人的にブリーフ・セラピーをベースとした方法論に着目している理由は、1)外的環境が劇的に変化する時代に生きている2)その変化に対応するには現状維持の思考では限界がある 3)それで、既存の枠組を超えるイノベイティブな解決策で問題を解決する必要がある・・・ことを前提として考えています・・・・

 それで、「いったいどのようにすれば変化に対応できるの?」「いったいどのようにすれば既存の枠組を超えた問題解決が出来るの?」「いったいどのようにすれば、みずから変化がつくりだせるの?」を考えていって出会ったひとつの方法論がブリーフ・セラピーの方法論ということになります。もちろん個人的に心理学大学院を出たわけではないので、心理療法ではなく日常や仕事上の創造的問題解決手法として活用しているという具合です・・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス(番外編22)ブリーフ・セラピーの特徴(復習)」について書いておきましょう。

ブリーフ・セラピーがブリーフ・セラピーであることの条件?

 心理療法家のミルトン・エリクソンを祖とするブリーフ・セラピーの流派については以下で少し書いています。


 それで、エリクソンの技法のうち暗黙知を暗黙知として継承するのは一般的にはネオ・エリクソニアンと呼ばれる人たちであり、エリクソンの暗黙知を一度形式知化して活用しているブリーフ・セラピー系の人たちとはまたちょっと違うところがあります。

その意味では「ミルトン・エリクソンの技法はブリーフ・セラピー的な要素も持っているけれど、ミルトン・エリクソンの技法がブリーフ・セラピー技法と同等ではない」ということになります。また、最近ですとナラティブ・セラピー[1]がミルトン・エリクソンが活用したメタファーや社会構成主義的な技法のつながりで同じ部類で語られることがありますが、源流は異なるところから起こっています。

さて、そういったことを背景にミルトン・エリクソンの技法が何らか形式知化されて取り込まれているブリーフ・セラピーの特徴6つを書いておきましょう。ここでの問は「ブリーフ・セラピーと呼ばれる技法が満たしている条件とは何か?」です。

基本は以下のリンクで書いたことの焼き直しですが、ブリーフ・セラピーは一般的に以下の6つの条件を同時に満たしている必要があります。




  それで、6つの条件というのをエレベーター・ピッチで説明すると以下のようになります。


1.      地図と現地の区別による、問題の外在化
2.      ラッセルーホワイトヘッドの論理階型をもとにしたベイトソンのマインドの理論
3.      異なる物事の間に新しい関係性を見つける、あるいはもたらすメタファー
4.      既存の枠組を超えて学習するアブダクティブ・ラーニング
5.      環境、人間関係、意識-無意識との調和を考慮するディープ・エコロジー
6.      こころの地図に良い意味を持たせる種々の技法やエクソサイズ


もちろん、これはベイトソンがエリクソンを観察して後付でつくった、というところは考慮しておく必要があります。

それで、ブリーフ・セラピーが志向しているのは、「問題を裏返した現状復帰」ではなく「枠組を超えた創造的な問題解決」であることが分かります。その意味では、アインシュタインが言った「We can't solve problems by using the same kind of thinking we used when we created them.問題をつくりだした時と同じ考え方では、その問題を解決することはできない。)」の考え方で問題を解決する手法と言えるでしょう。

 ここで、MRIのポール・ウォツラウィックによれば、ウィリアム・ロス・アシュビーのサイバネティックスの考え方を人や組織に適用し、その一部が変化する一次的変化(First-Order Change)とシステム全体が変化する、変化についての変化である二次的変化(Second-Order Change )の2つのレベルが定義されています。それでブリーフ・セラピーは二次的変化を志向した手法です。


 それで、この考え方はブリーフ・セラピーの治療の対象となっている症状に苦しんでいるようなクライアントにも自分の枠組を超えてその問題を解決することが求められますし、より建設的に問題を解決しようとしているコーチングのクライアントにも適用される考え方でもあります。(例えば、◯◯症で苦しんでいる人も、オリンピックで上の成績を目指すような人も、自分の今もっている問題を生んでいる枠組を超える方向で解決を目指してもらうことには変わりがない、ということになります・・・・)

 余談ですが、ブリーフ・セラピーの格好の良いところは、一般的な心理学の自我という概念に囚われておらず、自己を仏教の五蘊のように動的な関係性と捉えているところでしょうかねぇ。

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/12/blog-post_31.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2011/09/blog-post_04.html

(つづく)

 文献

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