2012年11月4日日曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編)解決するのに自己開示は関係ない


                                     

 こんなこというと怒られるかもしれないけれど、自分の感覚的におかしいと思ったのが最初だけれど、文献を色々あたると、ソリューション・フォーカスト・アプローチは、そのあたりの安っぽい自己啓発セミナーの自己開示をしなさいみたいなことは言っていないのだよねぇ。まぁ、セラピストが自己開示してもクライアントの問題解決には何らつながることはないちゅうことやね(笑)。逆に言うと自己開示を駆使してラポールを取るのだけが取り柄の感じの良い無能には注意ってことでもあるわけです。

もちろんクライアントが持っている抽象度の高いメタ・パターンとしての信念・価値観がコンテクストと相互作用して制限を作り出しているわけなので、セラピストやコーチは、クライアントはユニーク、状況もユニーク、そこで起こっている問題もユニークと考えて、これらのパターンを見つけて実行可能な解決策を構築する支援ができないと、コーチとかセラピストがいくらコンテンツとしての自己開示して、自分の成功や失敗の経験を語ったところで問題は解決されないのは当たり前ということになりますねぇ。セラピスト側からすれば、クライアントの話に耳を傾けていれば、相手が自己開示なんてしていなくてもパターンというのは分かることだし・・・・もちろん、ラポールは必要でしょうが・・・。

もっとも、このあたりはソリューション・フォーカスの使い手じゃなくて、TRIZで抽象度を上げて一般解を探る、とか、TOCの3クラウド法を使って抽象度の高い認識の中にあるコア・コンフリクトを探すことの重要性が分かっている人のほうが理解してもらうのに話しが早いことのようにも思えてきますが・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(番外編)解決するのに自己開示は関係ない」について書いておきましょう。

 自己開示について考察は結構深い

 どこかの大学のサーバにのかっていたソリューション・フォーカスト・アプローチに関するドキュメントを読んでいたら以下のような記述がありました。もちろん、これは私の思っていることと同じだったので「やっぱりそうだよなぁ~」と思ったので取りあげておきます。[1]


Self-disclosure: Not recommended. Better to look for solutions within the clients frame of reference.

自己開示:(コーチ、セラピストの自己開示は)推奨されない。クライアントの参照枠(思考の枠組)の元で解決策を探したほうが良い。


Frame of referenceの話を始めると人工知能とか認知科学の話を小一時間する必要があると思うわけですが、(フレーム問題の話とか・・・)ここでは、簡単にクライアントが何かを知覚してそれが一体何であるのか?を認識するために使っている思考や概念の枠組と考えることにします。

それで、認知行動療法のイラショナル・ビリーフではないのですが、現在、問題だと認識されている事象について、その事象をどのように認識しているのか?を考えると、この枠組が深く関わっていると考えられます。

もちろん、当該コンテクストで解決策を実行することに制限を加えている抽象度の高いコア・ビリーフを見つけて、これをリフレーミングするなどの対処を行う必要があるわけですが、実際に、コア・ビリーフを超える、あるいは、すり抜ける解決策を見つけることと自己開示はあまり関係ないということになってくるわけです。

もちろん、これにはMRIのポール・ウォツラウィックを援用して以下のリンクで書いたような現在クライアントが持っている参照枠の中で解決策を探るのか?(一次的変化)あるいはクライアントが持っている参照枠を超える解決策を探るのか?(二次的変化)ということになってくるわけですが、


 二次的変化を起こすためには、より抽象度の高いメタ・パターンとしての信念・価値観に対処することのほうがより重要だと考えています。

 それで、「Solution-Focused Substance Abuse Treatment[2]、本書は薬物中毒の治療へのソリューション・フォーカスト・アプローチの適用方法が書かれていますが、本書においてセラピストの自己開示について以下のような非常に興味深いことが書かれています。


 While in problem-focused approaches the therapist may serve as a mentor and self-disclosure in many areas (including past history of substance abuse) in common , this form of self-disclosure and mentorship is not consistent with the basic tenets of solution focused brief therapy (Pichot & Dolan , 2003), for it is based on the idea the similar problems will lead to similar solutions. In solution-focused brief therapy, clients are encouraged to find their own solutions. The therapists experience will only serve as distraction and may give the false impression that therapists solutions are best for the client. Because of this, solution focused therapists do not share significant personal information.

問題にフォーカスしたアプローチでは、セラピストはメンターとして振舞い、(過去の薬物乱用の経験を含む)共通する多くの分野で自己開示を行うかもしれません。このような形式の自己開示やメンターシップはソリューション・フォーカス・ブリーフ・セラピーの基本的な教義とは矛盾しています。(Pichot &Dolan 2003)、つまり、問題にフォーカスしたアプローチでは同類の問題に対して(セラピストが過去に使った)解決策が有効であるという考え方を基本にしています。一方、ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーではクライアント自ら独自の解決策を見つけられるよう促されます。セラピストの経験は、「セラピストの推奨する解決策がベストである」というクライアントが思っている誤った印象を壊す時にだけ活用されます。この理由は、ソリューション・フォーカスト・セラピストは自分自身のプライベートな情報を(クライアントと)共有することはないからです。



要は、ミルトン・エリクソンが考えていたように「それぞれの人はユニークな存在である」ということであり、一つひとつの状況、そこで起こっている問題、解決策もその人に併せてユニーク、つまりオンリーワンで、当該コンテクストで実行可能な解決策をスクラッチから一緒に考える努力をしなければいけません、と言われていることが分かってくるわけです。


その意味で、自己開示すること自体が、問題や課題をスクラッチから考えることをせず、安易にセラピストの経験からくる解決策をクライアントの事情を考えないで適用される危険性を指摘しているということになってきます。

 それで余談ですが、敢えてエリクソニアン的な自己開示について考えると、以下のリンクで書いたように「場に対して知覚を開く」とか「すべての可能性に対して心を開く」姿勢とか態度のことであって、何か過去の秘密みたいなことをペラペラ喋り始めることではないですねぇ。(笑)


 (つづく)

 文献

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