2012年11月5日月曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その14)原則ーちいさな成功パターンをみつける


                                     

 ソリューション・フォーカスト・アプローチ(ミルウォーキー派)を使うねらいは?と考えると、組織や個人をオートポイエーティックなシステム、つまり「生き物」と考えて新しい認識を得、新しい行動ができる新しい自己になりゆく支援をするということかなぁ。

それで、「生き物」っていうのは、大体において恒常性というものがあるので、新しい認識を得て新しい行動をするのに普段身につけたパターンというものが邪魔をすることになります。もっとも、これを、別のパターンに変化させる条件をつくりこんでいくのか?というのが一番難しいところでもあり、創造性を発揮できる面白い部分ですかねぇ。

もちろん、古いパターンの中から新しいパターンを創発させるために、おいらはパラドクス介入大好き人間なので、どっちらかどいうとミルウォーキー派というよりベイトソンの理論に忠実なミラノ派のほうが好きだし、結局はミルトン・エリクソンと思っているのだけれどなぁ(笑)。その意味では結局、ベイトソンとエリクソンの手のひらで踊っていることになっちゃうなぁ・・・・

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その14)原則ーちいさな成功パターンをみつける」について書いておきましょう。

 その14:原則

 原則というのは、その方法論や技法を使う上での前提となる考え方だと思うのですが、ソリューション・フォーカスト・アプローチの場合も少しメタフォリックな感じになっていて行間を読まないといけない形式になっていますねぇ。もっとも、この原則自体が行動に対して演繹的に適応されるなんらかのパターンになっているのは公然の秘密です。(笑)もっと書いておくとベイトソン流にアイソモルフィックなパターンを現状の認識や行動に持ち込むと何が起こる?と言われているようにも思えてきます。

 で、まずは3つの原則から、[1]簡単に言うと、野球とかサッカーの解説ではないけれど、日常生活や仕事の場面で、今ココで起こっている事実を観察してうまくいっていると思われることを探し、その裏にある「勝ちパターン」とか「勝利の方程式」みたいなパターンを見つけることから始まります。もちろんここでの勝ち負けは説明するための言葉のあやで、ポジティブ/ネガティブのような単純な二元論に陥ることは避けなければならないと思います・・・。そしてそのパターンを実際の行動に落としてうまくいったか観察してみる。うまくいったらそのパターンの適用範囲を広げる。この繰り返しからなります。もちろん、心理療法的にはその状況で、一見、良くないと思われる振舞いや心身状態の中から少しでも良い振舞いや心身状態を見つけるということもこのプロセスの対象となってくるでしょう。

それで、3つの原則とは、

1.   壊れていなければ、直すな
2.   一旦うまくいくと分かったら、それをもっとやれ (Do More)
3.   それが上手くいかないと分かったら、それを止めて別のことをやれ(Do Different)

 コンサルタントとかやっているとどうしても問題に目が行ってしまいます。つまり、「ここが上手くいっていない」「もう少しカイゼンしましょう」という具合に・・・。しかし、その上手くいっていなところを見つけて修正しようとしても大体にして上手くいくことはありません。その理由は、そのアプローチ自体が局所最適思考で行われており波及効果がほどんとないこと、また、相手の立場からすれば、「いままで何してきたんだ、やっぱり駄目だなぁ」のようなメタ・メッセージを伝えてしまうことになること。それで、やっぱりこの原則を思い出すことになるわけです、「壊れていなければ直すな」。それより、ほとんど上手くいっていないことの中にある、ほんの少しの上手くいっているパターンを見つけてそれを広げたほうが良い、特に人間の認識や行動が関係している場合はということになります。

 もちろん、ここで、うまくいっている/うまくいっていないは、その観察者がもっている暗黙の枠組からゴール達成/中間目標の達成に対して役立っているか?という視点で判断されていることになります。もっというとソリューション・フォーカスではこの判断基準について意図的に五感の感覚に戻してもらって判断いるようなところがあるため、これを紙に書き出してもらって、あれこれ吟味するということは基本的には行なっていません。もっとも、ビジネスユースでかつグループでこれを行う場合は、これを明示するということが重要になるのかもしれませんが・・・

 それで、上手くいきそうなことをやっても上手くいかない場合は、ゴールは変えずに、なにか別のことをやり始めることになるのかもしれません、もちろん、この場合、システムには恒常性があって現状をとにかく維持しようとするものです、従って、何か違うことをしようとして、Do Different を実行することについて、激しい抵抗にあうことしかりです。それで、何か別のことを行うにしても、「ほとんどうまくいってないことの中の、ほんの少しのうまくいっていることをみつけ」 Do More でこれを行うということになってくると思います。個人的には Do Different を行う時は何か偶然の出来事の中から上手くいっている、ほんの少しのパターンを見つけて、これをもっとやってみるというほうが上手くいくように思っています。まぁ、ミルトン・エリクソンの「利用できるものは何でも利用する」ユーティライゼーションの本質ですし、セレンディピティの起こし方ということになってきます。
http://ori-japan.blogspot.jp/2012/07/blog-post_06.html
http://ori-japan.blogspot.jp/2011/09/blog-post_5413.html

 それ以外の原則[2]
  
4.   小さなステップで大きな変化を生むことができる
5.   未来は決まっていない、交渉可能でかつ創造することができる
6.   解決策は必ずしも問題と関係しているとは限らない、問題の裏返しは解決策にはならない
7.   変化しないでいることはできない、変化は既に起こっている
8.   問題はいつも起こっているわけではない、問題が起こる条件がある、もちろん成功も同じ


これは、認識を差異から発生する情報A difference that makes a difference.と、そこから生まれるパターンに還元したベイトソンの認識論の非常に平易な言い換えで、

http://ori-japan.blogspot.jp/2011/09/may-patten-be-with-you.html

複雑系を前提としているようにも思えてくるわけですが、自分が何か問題を抱えていると思った時はもういちど、この原則を読みなおして「ほとんどうまく行っていない中のほんの少しのうまくいっているパターン」を見つけて、それを行動につなげ、上手く行ったらそのパターンを広げてみるということも悪くないないと思っている今日この頃だったわけです。

(参考リンク)

http://ori-japan.blogspot.jp/2012/05/blog-post_17.html

(つづく)

 文献

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