2012年11月1日木曜日

今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その11)Not-Knowing


                                     

ソリューション・フォーカスト・アプローチの Not-Knowing は、禅の「無用の用」とかアリストテレスの「無知の知」のようなことなのですが、元々心理療法家のミルトン・エリクソンが得意にしていた技法というか態度ですねぇ。

クライアント側からは、名探偵コナンで、コナンがまわりの大人に何か気づかせるために、「あれれ~」で始まる、子供が何かたわいもないことを言っているように見せかける技法と考えると分かりやすいかもしれませんねぇ。

もちろん、この技法のもう一つの側面はコーチやセラピスト側からすると、クライアントに対して、偏見を持たないで事実を観察するところから始めなさいという示唆でもあるのでしょうけれどねぇ。どんな名コーチや名セラピストでも認知バイアスっていうのはありますからねぇ。(笑)

 独り言


今日は、「今日から使えるソリューション・フォーカス技法(その11)Not-Knowing」について書いておきましょう。

 技法その11:Not-Knowing

 Not-Knowing[1]の技法というか態度でセッションに望むには状況設定に少々工夫が必要だなぁと個人的には考えています。

この前提として、プロフェッショナルとしてコーチだのセラピストだのコンサルタントだのという職業が成り立つための条件として「顧客の利益を第一に優先すること」、「クライアントの間に情報の非対称性が成り立っていること」などがあげられます。[2]

 「情報の非対称性」ということについては、医師、弁護士、会計士などで考えると分かりやすいのですが、当該分野でクライアントより圧倒的な知識や実務経験を保有していて、簡単に言うと、言うと「クライアントより圧倒的な知識や経験が無いと成り立たないのがプロ」と言っても良いでしょう。

 しかし、Not-Knowingの態度を活用する場合、パラドキシカルですが、クライアントから情報やリソースを引き出し気づきや変化を促すために、コーチだのセラピストが敢えて「その分野のことについては何も知らない(あるいは、クライアントの言説に何も先入観を持っていない)」ということを装う必要があるということになってきます。


 もちろん、情報の非対称性が満たせないで単なる素人の思いつきで質問をしているだけであれば、プロフェッショナルとは言い難いのでが、かといって、プロの立場からクライアントに一方的に情報提供して教えるだけだとクライアント自ら気づくことは少ないわけですから、このあたりを上手くやろうとすると何らかの状況を設定して、敢えて何も知らないことを装うという必要が出てくる場合があると思います。

 もちろん、このあたりは、クライアントに「私を小さな子供だと思って、できるだけ平易な言葉で説明してみてください」とか、「私を、その分野について何も知らない素人だと思って説明すると具体的にどのように説明されますか?」といったことでも良いでしょう。

 さらに、Know-noting には続きがあって、コーチやセラピスト側も自分の経験などからくる物事の枠組を持っています。これは心理学的には認知バイアスとも言ってよいかもしれませんが、悪い言い方をするとそのバイアスから来る「偏見」を取り去ってクライアントの姿を事実に基づいて観察するところから、クライアントの話に耳を傾けるところから始めましょうと言っているように思ってきます。

 このあたりはソリューション・フォーカスト・アプローチに限らず、ミルトン・エリクソンに影響を受けた心理療法の手法には共通なところかもしれませんが、案外深い概念であるとともに、実際に実行しようと思うと結構難しいことなのですよねぇ。(笑) 


 (つづく)

 文献

記事の内容の正誤について、執筆者は一切保証いたしません。また、本書の内容、エクソサイズなどを実行した結果被った被害などについて著者は一切責任を負わないこととします。本ニュースレターの内容は、以下クリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従うものとします。但し、引用元の著作権は引用元に所属します。ご意見、ご感想は次へ tritune'`@''gmail.com

0 件のコメント:

コメントを投稿